加算(減算)の算定要件

T.加算(減算)の届出が必要なもの 
■ 介護給付費算定に係る体制等状況表(32 認知症対応型共同生活介護)
 令和6年度介護報酬改定により、◎新設 ●変更された項目

 1. 夜間勤務条件基準      1 基準型 2 減算型
 2. 職員の欠員による減算の状況 1 なし  2 介護従業者
 3. 身体拘束廃止取組の有無   1 減算型 2 基準型
◎4. 高齢者虐待防止措置実施の有無1 減算型 2 基準型
◎5. 業務継続計画策定の有無   1 減算型 2 基準型
 6. 3ユニットの事業者所が夜勤職員を2人以上とする場合 1 なし 2 あり
●7. 夜間支援体制加算      1 なし  2 加算T 3 加算U
 8. 若年性認知症利用者受入加算 1 なし  2 あり
 9. 利用者の入院期間中の体制加算1 対応不可 2 対応可
 10. 看取り介護加算      1 なし  2 あり
●11. 医療連携体制加算(T)  1 なし  2 加算Tイ3 加算Uロ3 加算Vハ
◎12. 医療連携体制加算(U)  1 なし  2 あり
 13. 認知症専門ケア加算    1 なし  2 加算T 3 加算U
◎14. 認知症チームケア推進加算 1 なし  2 加算T 3 加算U
●15. 科学的介護推進体制加算  1 なし  2 あり
◎16. 高齢者施設等感染対策向上加算 1 なし  2 あり
◎18. 生産性向上推進体制加算  1 なし  2 加算T 3 加算U
 19. サービス提供体制強化加算  1 なし  2 加算T 3 加算U 4 加算V
●20. 介護職員等処遇改善加算   1 なし  2 加算T 3 加算U 4 加算V
  5 加算W 6 加算X(1)〜(14) ⇒11.処遇改善加算のページへ移動する。

U.加算の届出が必要ないもの
 21. 認知症行動-心理症状緊急対応加算【認知症対応型共同生活介護(短期利用)】
 22. 初期加算
◎23. 協力医療機関連携加算
◎24. 退居時情報提供加算
 25. 退去時相談援助加算
 26. 生活機能向上連携加算
 27. 栄養管理体制加算
◎28. 口腔衛生管理体制加算
 29. 口腔・栄養スクリーニング加算
◎30. 新興感染症等施設療養費

1. 夜間勤務条件基準に満たない場合の減算

夜勤を行う職員の員数が基準に満たない場合の減算については、ある月に事業所で下記@A のいずれかの事態が発生した場合に、その翌月において利用者等の全員について、介護報酬が 97%に減算されます。

@ 夜勤時間帯(午後10時から翌日の午前5時までの時間を含めた連続する16時間をいい、 原則として事業所ごとに設定)において夜勤を行うを職員数が基準に満たない事態が2日 以上連続して発生した場合
A 夜勤時間帯に夜勤を行う職員数が基準に満たない事態が4日以上発生した場合
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2. 職員の欠員による減算

1.介護従事者の人員基準欠如
@ 人員基準上必要とされる員数から1割を超えて減少した場合には、その翌月から人員基準欠如が解消されるに至った月まで、利用者等の全員について介護報酬が70%に減算されます。
A 人員基準上必要とされる員数から1割の範囲内で減少した場合には、その翌々月から人員基準欠如が解消されるに至った月まで、利用者等の全員について介護報酬が70%に減算されます。(ただし、翌月の末日において人員基準を満たす場合を除く)
2.計画作成担当者の人員基準欠如
計画作成担当者の人員基準欠如(下記の@〜Bの場合)については、その翌々月から人員基準欠如が解消されるに至った月まで、利用者等の全員について介護報酬が70%に減算されます(ただし、翌月の末日において人員基準を満たす場合を除く)。
@ 計画作成担当者を配置していない場合
A 計画作成担当者が必要な研修を修了していない場合
※ 交替時の研修の取扱(市町村からの推薦を受けて都道府県に研修の申込を行い、当該計画作成担当者等が研修を修了することが確実に見込まれる場合はよい。ただし、事前に市区町村に要相談)。
B 介護支援専門員の資格がある計画作成担当者を配置していない場合
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3. 身体拘束廃止取組の有無

1.身体拘束廃止未実施減算
身体的拘束等の記録を行っていない、身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会を3月に1回以上開催していない、身体的拘束等の適正化のための指針を整備していない又は身体的拘束等の適正化のための定期的な研修を実施していない場合は、身体拘束廃止未実施減算として、介護報酬が90%に減算されます。
3.算定要件
(1) 報酬基準(厚労告126号)
別に厚生労働大臣が定める基準を満たさない場合は、身体拘束廃止未実施減算として、所定単位数の100分の10に相当する単位数を所定単位数から減算する。
(2) 報酬基準解釈通知
(身体拘束適正化の措置)
身体的拘束等の適正化を図るため、以下の措置を講じなければならない。
@ 身体的拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の入所者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録すること。
A 身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会を3月に1回以上開催するとともに、その結果について、介護職員その他従業者に周知徹底を図ること。
B 身体的拘束等の適正化のための指針を整備すること。
C 介護職員その他の従業者に対し、身体的拘束等の適正化のための研修を定期的に実施すること。


4.留意事項(令和6年度介護報酬改定)
身体拘束廃止未実施減算については、事業所において身体的拘束等が行われていた場合ではなく、指定地域密着型サービス基準第73条第6項の記録(同条第5項に規定する身体的拘束等を行う場合の記録)を行っていない場合及び同条第7項に規定する措置を講じていない場合に、利用者全員について所定単位数から減算することとなる。具体的には、記録を行っていない、身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会を3月に1回以上開催していない、身体的拘束等の適正化のための指針を整備していない又は身体的拘束等の適正化のための定期的な研修を実施していない事実が生じた場合、速やかに改善計画を市町村長に提出した後、事実が生じた月から3月後に改善計画に基づく改善状況を市町村長に報告することとし、事実が生じた月の翌月から改善が認められた月までの間について、利用者全員について所定単位数から減算することとする。
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4. 高齢者虐待防止措置実施の有無 令和6年度介護報酬改定(新設)

1.内容
利用者の人権の擁護、虐待の防止等をより推進する観点から、全ての介護サービス事業者(居宅療養管理指導及び特定福祉用具販売を除く。)について、虐待の発生又はその再発を防止するための措置(虐待の発生又はその再発を防止するための委員会の開催、指針の整備、研修の実施、担当者を定めること)が講じられていない場合に、基本報酬を減算する。

2.単位数
減算名減算
高齢者虐待防止措置未実施減算 基本報酬の1%減算 

3.算定要件
虐待の発生又はその再発を防止するための以下の措置が講じられていない場合
@虐待の防止のための対策を検討する委員会(テレビ電話装置等の活用可能)を定期的に開催するとともに、その結果について、従業者に周知徹底を図ること。
A待の防止のための指針を整備すること。
B従業者に対し、虐待の防止のための研修を定期的に実施すること
C上記措置を適切に実施するための担当者を置くこと。

※ 全ての施設・事業所で虐待防止措置が適切に行われるよう、令和6年度中に小規模事業所等における取組事例を周知するほか、介護サービス情報公表システムに登録すべき事項に虐待防止に関する取組状況を追加する。また、指定権者に対して、集団指導等の機会等にて虐待防止措置の実施状況を把握し、未実施又は集団指導等に不参加の事業者に対する集中的な指導を行うなど、高齢者虐待防止に向けた取組の強化を求めるとともに、都道府県別の体制整備の状況を周知し、更なる取組を促す。

4.留意事項
高齢者虐待防止措置未実施減算については、事業所において高齢者虐待が発生した場合ではなく、地域密着型サービス基準第3条の38の2に規定する措置を講じていない場合に、利用者全員について所定単位数から減算することとなる。具体的には、高齢者虐待防止のための対策を検討する委員会を定期的に開催していない、高齢者虐待防止のための指針を整備していない、高齢者虐待防止のための年1回以上の研修を実施していない又は高齢者虐待防止措置を適正に実施するための担当者を置いていない事実が生じた場合、速やかに改善計画を市町村長に提出した後、事実が生じた月から3月後に改善計画に基づく改善状況を市町村長に報告することとし、事実が生じた月の翌月から改善が認められた月までの間について、利用者全員について所定単位数から減算することとする。
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5. 業務継続計画策定の有無 令和6年度介護報酬改定(新設)

1.内容
感染症や災害が発生した場合であっても、必要な介護サービスを継続的に提供できる体制を構築するため、業務継続に向けた計画の策定の徹底を求める観点から、感染症若しくは災害のいずれか又は両方の業務継続計画が未策定の場合、基本報酬を減算する。

2.単位数
減算名減算
業務継続計画未実施減算 基本報酬の3%減算 

3.算定要件
次の基準に適合していない場合
@感染症や非常災害の発生時において、利用者に対するサービスの提供を継続的に実施するための、及び非常時の体制で早期の業務再開を図るための計画(業務継続計画)を策定すること
A当該業務継続計画に従い必要な措置を講ずること

※経過措置:
令和7年3月31日までの間、感染症の予防及びまん延の防止のための指針の整備及び非常災害に関する具体的計画の策定を行っている場合には、減算を適用しない。

○1年間の経過措置期間中に全ての事業所で計画が策定されるよう、事業所間の連携により計画策定を行って差し支えない旨を周知することも含め、小規模事業所の計画策定支援に引き続き取り組むほか、介護サービス情報公表システムに登録すべき事項に業務継続計画に関する取組状況を追加する等、事業所への働きかけを強化する。また、県別の計画策定状況を公表し、指定権者による取組を促すとともに、業務継続計画を策定済みの施設・事業所についても、地域の特性に合わせた実効的な内容となるよう、指定権者による継続的な指導を求める。

4.留意事項
業務継続計画未策定減算については、指定地域密着型サービス基準第3条の30の2第1項に規定する基準を満たさない事実が生じた場合に、その翌月(基準を満たさない事実が生じた日が月の初日である場合は当該月)から基準に満たない状況が解消されるに至った月まで、当該事業所の利用者全員について、所定単位数から減算することとする。
なお、経過措置として、令和7年3月31日までの間、当該減算は適用しないが、義務となっていることを踏まえ、速やかに作成すること。

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6. 3ユニットの事業者所が夜勤職員を2人以上とする場合

1.内容(3ユニット2人夜勤体制による減算)
○ 1ユニットごとに夜勤1人以上の配置とされている認知症グループホームの夜間・深夜時間帯の職員体制について、1ユニットごとに1人夜勤の原則は維持(3ユニットであれば3人夜勤)した上で、利用者の安全確保や職員の負担にも留意しつつ、人材の有効活用を図る観点から、
● 3ユニットの場合であって、各ユニットが同一階に隣接しており、職員が円滑に利用者の状況把握を行い、速やかな対応が可能な構造で、安全対策(マニュアルの策定、訓練の実施)をとっていることを要件に、例外的に夜勤2人以上の配置に緩和できることとし、事業所が夜勤職員体制を選択することを可能とする。【省令改正】
● 併せて、3ユニット2人夜勤の配置にする場合の報酬を設定する。
【告示改正】
2.単位数
共同生活住居の数が3である指定認知症対応型共同生活介護事業所が、夜勤を行う職員の員数を2人以上とする場合(指定地域密着型サービス基準第90条第1項ただし書に規定する場合に限る。)に、利用者に対して、指定認知症対応型共同生活介護を行った場合は、所定単位数から1日につき50単位を差し引いて得た単位数を算定する。(報酬基準(厚労告126号))

3.算定要件
1ユニット毎に1人
● 1ユニット : 1人夜勤
● 2ユニット : 2人夜勤
3ユニット : 3人夜勤 ただし、利用者の安全確保や職員の負担にも
留意しつつ、人材の有効活用を図る観点から、3ユニットの場合であって、各ユニットが同一階に隣接しており、職員が円滑に利用者の状況把握を行い、速やかな対応が可能な構造で、安全対策(マニュアルの策定、訓練の実施)をとっていることを要件に、例外的に夜勤2人以上の配置に緩和できることとし、事業所が夜勤職員体制を選択することを可能とする。

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7. 夜間支援体制加算

1.内容
夜間における利用者の安全確保の強化を更に推進する観点から、事業所における夜間勤務体制の実態を踏まえ、宿直職員による夜間の加配を評価する。
夜勤を行う介護従業者が最低基準を0.9人以上上回っている場合にも算定を可能とする。
2.単位数
    夜間支援体制加算(T)
(1ユニットの場合)
夜間支援体制加算(U)
(2ユニットの場合)
単位数 50単位/日 25単位/日 

3.算定要件
夜勤職員の最低基準(1ユニット1人)への加配人数見守り機器の利用者に対する導入割合その他の要件
@事業所ごとに常勤換算方法で1人以上の夜勤職員又は宿直職員を加配すること。
又は 令和6年度介護報酬改定により新設された要件
夜勤職員の最低基準(1ユニット1人)への加配人数見守り機器の利用者に対する導入割合その他の要件
A事業所ごとに常勤換算方法で0.9人以上の夜勤職員を加配すること。10%利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会を設置し、必要な検討等が行われていること。

※ 留意事項
@ 認知症対応型共同生活介護事業所の1の共同生活住居につき、夜間及び深夜の時間帯を通じて1の介護従業者を配置している場合に、それに加えて常勤換算方法で1以上の介護従業者又は1以上の宿直勤務に当たる者を配置した場合に算定するものとする。
A 施設基準第32号イの(4)ただし書きに規定する見守り機器(利用者がベッドから離れようとしている状態又は離れたことを感知できるセンサーであり、当該センサーから得られた情報を外部通信機能により職員に通報できる利用者の見守りに資する機器をいう。以下同じ。)を使用する場合における基準については、必要となる介護従業者の数が0.9を加えた数以上である場合においては、次の要件を満たすこととする。
利用者の10分の1以上の数の見守り機器を設置すること。
b 「利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会」は、3月に1回以上行うこととする。「利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会」は、テレビ電話装置等を活用して行うことができるものとする。この際、個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等を遵守すること。
B 全ての開所日において、夜間及び深夜の時間帯の体制が人員配置基準を上回っているものとする。

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8. 若年性認知症利用者受入加算

1.内容
若年性の認知症の利用者を受け入れ、個別に担当スタッフを定めた上で、担当スタッフを中心に利用者の特性やニーズに応じたサービスを行なった場合に算定することができる。加算を算定する場合には、市区町村への届出を行うとともに、担当者名を認知症対応型共同生活介護計画書に明記するなどして、加算該当者の担当者がわかるように しておくこと。
2.単位数
 単位数  120単位/日 

3.算定要件
(1) 報酬基準(厚労告126号)
別に厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして市区町村長に届け出た指定認知症対応型共同生活 介護事業所において、若年性認知症利用者(※)に対して、指定認知症対応型共同生活介護を行った場合 には、若年性認知症利用者受入加算として、1日につき120単位を所定単位数に加算する。ただし、認知症 行動・心理症状緊急対応加算を算定している場合は算定しない。
※ 施行令第2条第6号(初老期における認知症)により法第7条第3項に規定する要介護者又は同条第 4項に規定する要支援者となった者をいう
(2) 報酬基準解釈通知
受け入れた若年性認知症利用者ごとに個別に担当者を定め、その者を中心に、当該利用者の特性やニーズに応じたサービス提供を行うこと。
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9. 利用者の入院期間中の体制加算(認知症対応型入院時費用)H30年度報酬改定

1.内容
入退院による環境の変化が、認知症の症状の悪化や行動・心理症状の出現につながりやすいことを踏まえ、入居者の早期退院や退院後の安定した生活に向けた取り組みを評価する。
1月に6日を限度とし、1回の入院で月をまたがる場合は、最大で連続して13泊(12日)分まで算定可能。ただし、入院の初日及び最終日は算定できない。

2.単位数
利用者の入院期間中の体制加算246単位/日6日限度

3.算定要件
(1) 報酬基準(厚労告126号)
別に厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして市町村長に届け出た指定認知症対応型共同生活介 護事業所において、利用者が病院又は診療所に入院を要した場合は、1月に6日を限度として所定単位数に代えて 1日につき246単位を算定する。ただし、入院の初日及び最終日は、算定できない。
(2) 別に厚生労働大臣が定める基準(厚告25号)
利用者について、病院又は診療所に入院する必要が生じた場合であって、入院後三月以内に退院することが明ら かに見込まれるときは、その者及びその家族の希望等を勘案し、必要に応じて適切な便宜を供与するとともに、やむを 得ない事情がある場合を除き、退院後再び当該指定認知症対応型共同生活介護事業所に円滑に入居することが できる体制を確保していること。
(3) 報酬基準解釈通知
@入院時の費用を算定する指定認知症対応型共同生活介護事業所は、あらかじめ、利用者に対して、入院後3月以内に退院することが明らかに見込まれるときは、その者及びその家族等の希望等を勘案し、必要に応じて適切 な便宜を供与するとともに、やむを得ない事情がある場合を除き、退院後再び当該指定認知症対応型共同生活介 護事業所に円滑に入居することができる体制を確保していることについて説明を行うこと。
 イ 「退院することが明らかに見込まれるとき」に該当するか否かは、利用者の入院先の病院又は診療所の当該主 治医に確認するなどの方法により判断すること。
 ロ 「必要に応じて適切な便宜を提供」とは、利用者及びその家族の同意の上での入退院の手続きや、その他の 個々の状況に応じた便宜を図ることを指すものである。
 ハ 「やむを得ない事情がある場合」とは、単に当初予定の退院日に居室の空きがないことをもって該当するもので はなく、例えば、利用者の退院が予定より早まるなどの理由により、居室の確保が間に合わない場合等を指すも のである。事業所側の都合は、基本的には該当しないことに留意すること。
 ニ 利用者の入院の期間中の居室は、短期利用認知症対応型共同生活介護等に利用しても差し支えないが、 当該利用者が退院する際に円滑に再入居できるよう、その利用は計画的なものでなければならない。
A 入院の期間には初日及び最終日は含まないので、連続して7泊の入院を行う場合の入院期間は、6日と計 算される。
(例)
入院期間:3月1日〜3月8日(8日間)
3月1日 入院の開始………所定単位数を算定
3月2日〜3月7日(6日間)………1日につき246 単位を算定可
3月8日 入院の終了………所定単位数を算定
B 利用者の入院の期間中にそのまま退居した場合は、退居した日の入院時の費用は算定できる。
C 利用者の入院の期間中で、かつ、入院時の費用の算定期間中にあっては、当該利用者が使用していた居室を他のサービスに利用することなく空けておくことが原則であるが、当該利用者の同意があれば、その居室を短期利用 認知症対応型共同生活介護等に活用することは可能である。ただし、この場合に、入院時の費用は算定できない。
D 入院時の取扱い
 イ 入院時の費用の算定にあたって、1回の入院で月をまたがる場合は、最大で連続13 泊(12日分)まで 入院時の費用の算定が可能であること。
(例) 月をまたがる入院の場合
入院期間:1月25 日〜3月8日
1月25 日 入院………所定単位数を算定
1月26 日〜1月31 日(6日間)………1日につき246 単位を算定可
2月1日〜2月6日(6日間)………1日につき246 単位を算定可
2月7日〜3月7日………費用算定不可
3月8日 退院………所定単位数を算定
 ロ 利用者の入院の期間中は、必要に応じて、入退院の手続きや家族、当該医療機関等への連絡調整、情報提供などの業務にあたること
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10.看取り介護加算

1.内容
医師が回復の見込がないと判断した利用者に対して、利用者や家族の意思を尊重して、医師、看護師、介護職員が連携して看取りをする場合に算定する。

2.単位数(短期利用を除く)
(報酬基準(厚労告126号)
認知症対応型共同生活介護費を算定する場合について、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして市町村長に届け出た指定認知症対応型共同生活介護事業所において、別に厚生労働大臣が定める基準に適合する利用者については、看取り介護加算として、死亡日以前31日以上45日以下については1日につき72単位を、死亡日以前4日以上30日以下については1日につき144単位を、死亡日の前日及び前々日については1日につき680単位を、死亡日については1日につき1,280単位を死亡月に加算する。ただし、退居した日の翌日から死亡日までの間又は、医療連携体制加算を算定していない場合は、算定しない。


3.算定要件
(施設基準)
●看取り指針を定め、入居の際に、利用者等に対して内容を説明し、同意を得る
●医師、看護職員、介護職員、介護支援専門員等による協議の上、看取りの実績等を踏まえ、看取り指針の見直しを実施
●看取りに関する職員研修の実施
(利用者基準)
●医師が医学的知見に基づき回復の見込みがないと診断した者
●医師、看護職員、介護支援専門員等が共同で作成した介護計画について説明を受け、その計画に同意している者
●看取り指針に基づき、介護記録等の活用による説明を受け、同意した上で介護を受けている者
(その他の基準)
●医療連携体制加算を算定していること
●「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等の内容に沿った取組を行うこと(令和3年度介護報酬改定で追加)

4.報酬基準解釈通知
@ 看取り介護加算は、医師が、一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがないと診断した 利用者について、その旨を利用者又はその家族等(以下「利用者等」という。)に対して説明し、その後の 療養及び介護に関する方針についての合意を得た場合において、医師、看護職員、介護職員、介護支援 専門員等が共同して、随時、利用者等に対して十分な説明を行い、療養及び介護に関する合意を得なが ら、利用者がその人らしく生き、その人らしい最期が迎えられるよう支援することを主眼として設けたものである。
A 利用者等告示第40号ロに定める看護職員については、認知症対応型共同生活介護事業所において利 用者の看取り介護を行う場合、利用者の状態に応じて随時の対応が必要であることから、当該認知症対 応型共同生活介護事業所と密接な連携を確保できる範囲内の距離にある病院、診療所若しくは訪問看 護ステーション(以下「訪問看護ステーション等」という。)の職員に限るとしているところである。具体的には、 当該認知症対応型共同生活介護事業所と訪問看護ステーション等が、同一市町村内に所在している又 は同一市町村内に所在していないとしても、自動車等による移動に要する時間がおおむね20分以内の距 離に所在するなど、実体として必要な連携をとることができることが必要である。
B 認知症対応型共同生活介護事業所は、利用者に提供する看取り介護の質を常に向上させていくためにも、計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)のサイクル(PDCAサイクル)により、看取り介護を実施する体制を構築するとともに、それを強化していくことが重要であり、具体的には次のような取組が求められる。
イ 看取りに関する指針を定めることで事業所の看取りに対する方針等を明らかにする(Plan)。
ロ 看取り介護の実施に当たっては、当該利用者に係る医師の診断を前提にして、介護に係る計画に基づいて、利用者がその人らしく生き、その人らしい最期が迎えられるよう支援を行う(Do)。
ハ 多職種が参加するケアカンファレンス等を通じて、実施した看取り介護の検証や、職員の精神的負担の把握及びそれに対する支援を行う(Check)。
二 看取りに関する指針の内容その他看取り介護の実施体制について、適宜、適切な見直しを行う(Action)。
なお、認知症対応型共同生活介護事業所は、看取り介護の改善のために、適宜、家族等に対する看取り介護に関する報告会並びに利用者等及び地域住民との意見交換による地域への啓発活動を行うことが望ましい。
C 質の高い看取り介護を実施するためには、多職種連携により、利用者等に対し、十分な説明を行い、理 解を得るよう努力することが不可欠である。具体的には、認知症対応型共同生活介護事業所は、看取り 介護を実施するに当たり、終末期にたどる経過、事業所等において看取りに際して行いうる医療行為の選択 肢、医師や医療機関との連携体制などについて、利用者等の理解が得られるよう継続的な説明に努めるこ とが重要である。加えて、説明の際には、利用者等の理解を助けるため、利用者に関する記録を活用した説 明資料を作成し、その写しを提供すること。
D 看取り介護の実施に当たっては、管理者を中心として、看護職員、介護職員、介護支援専門員等による 協議の上、看取りに関する指針が定められていることが必要であり、同指針に盛り込むべき項目としては、例 えば、以下の事項が考えられる。
イ 当該事業所の看取りに関する考え方
ロ 終末期にたどる経過(時期、プロセスごと)とそれに応じた介護の考え方
ハ 事業所において看取りに際して行いうる医療行為の選択肢
二 医師や医療機関との連携体制(夜間及び緊急時の対応を含む)
ホ 利用者等への情報提供及び意思確認の方法
へ 利用者等への情報提供に供する資料及び同意書の書式
ト 家族等への心理的支援に関する考え方
チ その他看取り介護を受ける利用者に対して事業所の職員が取るべき具体的な対応の方法
E 看取りに関する指針に盛り込むべき内容を、施設基準第34 号イ?に規定する重度化した場合の対応に 係る指針に記載する場合は、その記載をもって看取りに関する指針の作成に代えることができるものとする。 また、重度化した場合の対応に係る指針をもって看取りに関する指針として扱う場合は、適宜見直しを行う こと。
F 看取り介護の実施に当たっては、次に掲げる事項を介護記録等に記録するとともに、多職種連携を図るた め、医師、看護職員、介護職員、介護支援専門員等による適切な情報共有に努めること。
イ 終末期の身体症状の変化及びこれに対する介護等についての記録
ロ 療養や死別に関する利用者及び家族の精神的な状態の変化及びこれに対するケアについての記 録
ハ 看取り介護の各プロセスにおいて把握した利用者等の意向と、それに基づくアセスメント及び対応についての記録
G 利用者等に対する随時の説明に係る同意については、口頭で同意を得た場合は、介護記録にその説明 日時、内容等を記載するとともに、同意を得た旨を記載しておくことが必要である。 また、利用者が十分に判断をできる状態になく、かつ、家族の来訪が見込まれないような場合も、医師、 看護職員、介護職員等が利用者の状態等に応じて随時、利用者に対する看取り介護について相談し、共 同して看取り介護を行っていると認められる場合には、看取り介護加算の算定は可能である。 この場合には、適切な看取り介護が行われていることが担保されるよう、介護記録に職員間の相談日時、 内容等を記載するとともに、利用者の状態や、家族と連絡を取ったにもかかわらず事業所への来訪がなかっ た旨を記載しておくことが必要である。
なお、家族が利用者の看取りについて共に考えることは極めて重要であり、事業所は、連絡を取ったにもか かわらず来訪がなかったとしても、継続的に連絡を取り続け、可能な限り家族の意思を確認しながら介護を 進めていくことが重要である。
H 看取り介護加算は、利用者等告示第40号に定める基準に適合する看取り介護を受けた利用者が死亡 した場合に、死亡日を含めて30日を上限として、認知症対応型共同生活介護事業所において行った看取 り介護を評価するものである。
死亡日前に自宅へ戻ったり、医療機関へ入院したりした後、自宅や入院先で死亡した場合であっても算 定可能であるが、その際には、当該認知症対応型共同生活介護事業所において看取り介護を直接行って いない退居した日の翌日から死亡日までの間は、算定することができない。(したがって、退居した日の翌日 から死亡日までの期間が45日以上あった場合には、看取り介護加算を算定することはできない。)なお、看 取り介護に係る計画の作成及び看取り介護の実施にあたっては、厚生労働省「人生の最終段階における 医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等を参考にしつつ、本人の意思を尊重した医療・ケアの方針 が実施できるよう、多職種が連携し、本人及びその家族と必要な情報の共有等に努めること。
I 認知症対応型共同生活介護事業所を退居等した月と死亡した月が異なる場合でも算定可能であるが、 看取り介護加算は死亡月にまとめて算定することから、利用者側にとっては、事業所に入居していない月に ついても自己負担を請求されることになるため、利用者が退居等する際、退居等の翌月に亡くなった場合に、 前月分の看取り介護加算に係る一部負担の請求を行う場合があることを説明し、文書にて同意を得ておく ことが必要である。
J 認知症対応型共同生活介護事業所は、退居等の後も、継続して利用者の家族への指導や医療機関に 対する情報提供等を行うことが必要であり、利用者の家族、入院先の医療機関等との継続的な関わりの中 で、利用者の死亡を確認することができる。 なお、情報の共有を円滑に行う観点から、事業所が入院する医療機関等に利用者の状態を尋ねたときに、 当該医療機関等が事業所に対して本人の状態を伝えることについて、退居等の際、利用者等に対して説 明をし、文書にて同意を得ておくことが必要である。
K 利用者が入退院をし、又は外泊した場合であって、当該入院又は外泊期間が死亡日以前45日の範囲 内であれば、当該入院又は外泊期間を除いた期間について、看取り介護加算の算定が可能である。
L 入院若しくは外泊又は退居の当日について看取り介護加算を算定できるかどうかは、当該日に所定単位 数を算定するかどうかによる。
M 家庭的な環境と地域住民との交流の下で、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話及 び機能訓練を行うことにより、利用者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにす るという認知症対応型共同生活介護の事業の性質に鑑み、1月に2人以上が看取り介護加算を算定す ることが常態化することは、望ましくないものであること。
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11.医療連携体制加算(T)令和6年度介護報酬改定(変更)

1.内容
環境の変化に影響を受けやすい認知症高齢者が、可能な限り継続して指定認知症対応型共同生活介護事業所で生活を継続できるように、日常的な健康管理を行ったり、医療ニーズが必要となった場合に適切な対応がとれる等の体制を整備している事業所を評価する。

2.単位数
    
単位数 57単位/日 47単位/日  37単位/日 

3.算定要件
    
看護体制要件事業所の職員として看護師を常勤換算で1名以上配置していること。事業所の職員として看護職員を常勤換算で1名以上配置していること。事業所の職員として、又は病院、診療所若しくは訪問看護ステーションとの連携により、看護師を1名以上確保していること。
指針の整備要件重度化した場合の対応に係る指針を定め、入居の際に、利用者又はその家族等に対して、当該指針の内容を説明し、同意を得ていること。

4.報酬基準解釈通知
@ 医療連携体制加算は、環境の変化に影響を受けやすい認知症高齢者が、可能な限り継続して指定認知症対応型共同生活介護事業所で生活を継続できるように、日常的な健康管理を行ったり、医療ニーズが必要となった場合に適切な対応がとれる等の体制を整備している事業所を評価するものである。
A 医療連携体制加算(T)ハの体制について、利用者の状態の判断や、認知症対応型共同生活介護事業所の介護従業者に対し医療面からの適切な指導、援助を行うことが必要であることから、看護師の確保を要することとしており、准看護師では本加算は認められない。また、看護師の確保については、同一法人の他の施設に勤務する看護師を活用する場合は、当該認知症対応型共同生活介護事業所の職員と他の事業所の職員を併任する職員として確保することも可能である。
B 医療連携体制加算(T)イ、(T)ロ、(T)ハの体制をとっている事業所が行うべき具体的なサービスとしては、
・ 利用者に対する日常的な健康管理
・ 通常時及び特に利用者の状態悪化時における医療機関(主治医)との連絡・調整
・ 看取りに関する指針の整備
等を想定しており、これらの業務を行うために必要な勤務時間を確保することが必要である。
C 医療連携体制加算(T)ロの体制については、事業所の職員として看護師又は准看護師を常勤換算方法により1名以上配置することとしているが、当該看護職員が准看護師のみの体制である場合には、病院、診療所又は訪問看護ステーションの看護師との連携を要することとしている。

D 医療連携体制加算(U)を算定する事業所においては、Bのサービス提供に加えて、協力医療機関等との連携を確保しつつ、医療ニーズを有する利用者が、可能な限り認知症対応型共同生活介護事業所で療養生活を継続できるように必要な支援を行うことが求められる。 加算の算定に当たっては、施設基準第34号ニの(2)に規定する利用者による利用実績(短期利用認知症対応型共同生活介護を利用する者を含む。)があり、当該利用者が療養生活を送るために必要な支援を行っていることを要件としている。
イ 同号ニの(2)の二に規定する「喀痰吸引を実施している状態」とは、認知症対応型共同生活介護の利用中に喀痰吸引を要する利用者に対して、実際に喀痰吸引を実施している状態である。
ロ 同号ニの(2)の二に規定する「呼吸障害等により人工呼吸器を使用している状態」については、当該月において1週間以上人工呼吸又は間歇的陽圧呼吸を行っていること。
ハ 同号ニの(2)の二に規定する「中心静脈注射を実施している状態」については、中心静脈注射により薬剤の投与をされている利用者又は中心静脈栄養以外に栄養維持が困難な利用者であること。
ニ 同号ニの(2)の二に規定する「人工腎臓を実施している状態」については、当該月において人工腎臓を実施しているものであること。
ホ 同号ニの(2)の二に規定する「重篤な心機能障害、呼吸障害等により常時モニター測定を実施している状態」については、重症不整脈発作を繰り返す状態、収縮期血圧90mmHg以下が持続する状態又は酸素吸入を行っても動脈血酸素飽和度90%以下の状態で常時、心電図、血圧又は動脈血酸素飽和度のいずれかを含むモニタリングを行っていること。
ヘ 同号ニの(2)の二に規定する「人工膀胱又は人工肛門の処置を実施している状態」については、当該利用者に対して、人工膀胱又は人工肛門に係る皮膚の炎症等に対するケアを行った場合であること。
ト 同号ニの(2)の二に規定する「経鼻胃管や胃瘻等の経腸栄養が行われている状態」とは、経口摂取が困難で経腸栄養以外に栄養維持が困難な利用者に対して、経腸栄養を行っている状態であること。
チ 同号ニの(2)の二に規定する「褥瘡に対する治療を実施している状態」については、以下のいずれかの分類に該当し、かつ、当該褥瘡に対して必要な処置を行った場合に限ること。 第一度:皮膚の発赤が持続している部分があり、圧迫を取り除いても消失しない(皮膚の損傷はない)二度:皮膚層の部分的喪失(びらん、水疱、浅いくぼみとして表れるもの)がある 第三度:皮膚層がなくなり潰瘍が皮下組織にまで及ぶ。深いくぼみとして表れ、隣接組織まで及んでいることもあれば、及んでいないこともある 第四度:皮膚層と皮下組織が失われ、筋肉や骨が露出している
リ 同号ニの(2)の二に規定する「気管切開が行われている状態」については、気管切開が行われている利用者について、気管切開に係るケアを行った場合であること。
ヌ 同号ニの(2)の二に規定する「留置カテーテルを使用している状態」については、留置カテーテルが挿入されている利用者に対して、留置カテーテルに係る観察、管理、ケアを行った場合であること。
ル 同号ニの(2)の(十一)に規定する「インスリン注射を実施している状態」については、認知症対応型共同生活介護の利用中にインスリン注射によりインスリンを補う必要がある利用者に対して、実際にインスリン注射を実施している状態である。
E 医療連携体制加算の算定要件である「重度化した場合における対応に係る指針」に盛り込むべき項目としては、例えば、@急性期における医師や医療機関との連携体制、A入院期間中における指定認知症対応型共同生活介護における居住費や食費の取扱い、B看取りに関する考え方、本人及び家族との話し合いや意思確認の方法等の看取りに関する指針、などが考えられる。
また、医療連携加算算定時には、契約を結んだ上で訪問看護ステーションを利用することが可能となったが、急 性増悪時等においては、診療報酬の算定要件に合致すれば、医療保険による訪問看護が利用可能であることについては、これまでと変わらないものである。

【参考】利用者に対する日常的な健康管理とは?
1 看護師はグループホームでは、次により利用者の健康状態の把握を行う。
(1)介護従事者からの情報、生活記録、受診、往診記録等からの把握
(2)看護師による利用者一人ひとりの全身状態の観察(バイタル・チェック)
2 看護師は定期的に利用者全員の健康状態を把握し、個別記録を整備する。
(実施したその日に記録は全て済ませ、記録をグループホームの外へ持ち出さない。)
3 看護師は利用者の健康状態を踏まえ、介護従事者に対し医療面からの適切な指導、援助を行う。
4 看護師は、管理者と共に利用者に関する健康情報を関係者が活用できるように手立てを図る。
5 管理者は、看護師が利用者と顔見知りとなり、利用者の日頃の健康状態を把握していることで、状態の急変を早期に把握することができ、悪化を未然に防止するための対応が可能であることを理解し、看護師が日常的な健康管理を行うに足る十分な時間を確保するよう努めること。
【看護師による健康確認の実施回数】
入居者1人ひとりに対する健康管理の実施回数を 週1回以上 とし、日常的な健康管理を行うに足りる時間とする。
(出所)横浜市の取扱通知「認知症対応型共同生活介護(グループホーム)運営の手引(令和5年7月版)P.166〜P.167より

5.要支援者の取扱
要支援者については、「介護予防認知症対応型共同生活介護費」の対象となるが、これについては、医療連携体制加算を設けていないことから、算定できない。


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12. 医療連携体制加算(U) 令和6年度介護報酬改定(新設)

1.内容
医療ニーズを有する利用者が、可能な限り事業所で療養生活を継続できるように必要な支援を行う。

2.単位数
    医療連携体制加算(T)のいずれかを算定していることが要件
単位数 5単位/日

3.算定要件
    医療連携体制加算(T)のいずれかを算定していることが要件
医療的ケアが必要な者の受入要件〇算定日が属する月の前3月間において、次のいずれかに該当する状態の入居者が1人以上であること。
(1)喀痰吸引を実施している状態
(2)呼吸障害等により人工呼吸器を使用している状態
(3)中心静脈注射を実施している状態
(4)人工腎臓を実施している状態
(5)重篤な心機能障害、呼吸障害等により常時モニター測定を実施している状態
(6)人工膀胱又は人工肛門の処置を実施している状態
(7)経鼻胃管や胃瘻等の経腸栄養が行われている状態
(8)褥瘡に対する治療を実施している状態
(9)気管切開が行われている状態
(10)留置カテーテルを使用している状態
(11)インスリン注射を実施している状態
※ 太字は令和6年度介護報酬改定項目

4.報酬基準解釈通知
 上記「11.医療連携体制加算(T)D項」のとおり
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13.認知症ケア専門加算

1.内容
認知症介護について一定の経験を有し、国や自治体が実施又は指定する認知症ケアに関する専門研修を修了した者が介護サービスを提供することについて評価を行う。
2.単位数
    認知症ケア専門加算(T)認知症ケア専門加算(U)
単位数 3単位/日 4単位/日 
※ 認知症チームケア推進加算を算定している場合においては、算定不可。

3.算定要件
(1) 認知症専門ケア加算(T)
次に掲げる基準のいずれにも適合すること。
@ 事業所又は施設における利用者、入所者又は入院患者の総数のうち、日常生活に支障を来すおそ れのある症状若しくは行動が認められることから介護を必要とする認知症の者(以下この号において「対象者」という。)の占める割合が2分の1以上であること。
A 認知症介護に係る専門的な研修を修了している者を、対象者の数が20人未満である場合にあっては 1以上、当該対象者の数が20人以上である場合にあっては1に当該対象者の数が19を超えて10又 はその端数を増すごとに1を加えて得た数以上配置し、チームとして専門的な認知症ケアを実施してい ること。
B当該事業所又は施設の従業者に対する認知症ケアに関する留意事項の伝達又は技術的指導に係る 会議を定期的に開催していること。
(2) 認知症専門ケア加算(U)
次に掲げる基準のいずれにも適合すること。
@ (1)の基準のいずれにも適合すること。
A 認知症介護の指導に係る専門的な研修を修了している者を1名以上配置し、事業所又は施設全体 の認知症ケアの指導等を実施していること。
B 当該事業所又は施設における介護職員、看護職員ごとの認知症ケアに関する研修計画を作成し、当 該計画に従い、研修を実施又は実施を予定していること

4.報酬基準解釈通知
@ 「日常生活に支障を来すおそれのある症状若しくは行動が認められることから介護を必要とする認知症の者」と は、日常生活自立度のランクV、W又はMに該当する利用者を指すものとする。
A 「認知症介護に係る専門的な研修」とは、「認知症介護実践リーダー研修」、認知症看護に係る適切な研修を指すものとする。
B 「認知症ケアに関する留意事項の伝達又は技術的指導に係る会議」は、テレビ電話装置等を活用して行うこ とができるものとする。なお、個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の 適切な取扱いのためのガイダンス」、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等を遵 守していること。
C 「認知症介護の指導に係る専門的な研修」とは、「認知症介護指導者養成研修」、認知症看護に係る適切な研修を指すものとする。

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14. 認知症チームケア推進加算 令和6年度介護報酬改定(新設)

1.内容
認知症の行動・心理症状(BPSD)の発現を未然に防ぐため、あるいは出現時に早期に対応するための平時からの取組を推進する観点から、新たな加算が創設された。

2.単位数
    認知症チームケア推進加算(T)認知症チームケア推進加算(U)
単位数150単位/月120単位/月
※ 認知症専門ケア加算(T)又は(U)を算定している場合においては、算定不可。

3.算定要件
<認知症チームケア推進加算(T)>(新設)
(1)事業所又は施設における利用者又は入所者の総数のうち、周囲の者による日常生活に対する注意を必要とする認知症の者の占める割合が2分の1以上であること。
(2)認知症の行動・心理症状の予防及び出現時の早期対応(以下「予防等」という。)に資する認知症介護の指導に係る専門的な研修を修了している者又は認知症介護に係る専門的な研修及び認知症の行動・心理症状の予防等に資するケアプログラムを含んだ研修を修了した者を1名以上配置し、かつ、複数人の介護職員から成る認知症の行動・心理症状に対応するチームを組んでいること。
(3)対象者に対し、個別に認知症の行動・心理症状の評価を計画的に行い、その評価に基づく値を測定し、認知症の行動・心理症状の予防等に資するチームケアを実施していること。
(4)認知症の行動・心理症状の予防等に資する認知症ケアについて、カンファレンスの開催、計画の作成、認知症の行動・心理症状の有無及び程度についての定期的な評価、ケアの振り返り、計画の見直し等を行っていること。

<認知症チームケア推進加算(U)>(新設)
・(T)の(1)、(3)及び(4)に掲げる基準に適合すること。
・認知症の行動・心理症状の予防等に資する認知症介護に係る専門的な研修を修了している者を1名以上配置し、かつ、複数人の介護職員から成る認知症の行動・心理症状に対応するチームを組んでいること。

※ チームケア
認知症の行動・心理症状の予防及び出現時の早期対応に資するチームケアとは、
複数人の介護者がチームを組み、利用者の情報を共有した上で介護に係る課題を抽出し、多角的な視点で課題解決に向けた介護を提供することをいう。

【通知】
認知症チームケア推進加算に関する実施上の留意事項等について(R6.3.18)
(別紙様式)認知症チームケア推進加算ワークシート

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15. 科学的介護推進体制加算 令和3年度介護報酬改定(新設)R6 改定

1.内容
事業所の全ての利用者に係るデータ(ADL、栄養、口腔・嚥下、認知症等)をLIFEに提出(入力)してフィードバックを受け、事業所単位でのPDCAサイクル・ケアの質の向上の取組を推進することを新たに評価します。
2.単位数
科学的介護推進体制加算40単位/月

3.算定要件
(1)令和6年度介護報酬改定による改正点
LIFEへのデータ提出頻度について、他のLIFE関連加算と合わせ、少なくとも「3月に1回」に見直す。
○その他、LIFE関連加算に共通した見直しを実施。
<入力負担軽減に向けたLIFE関連加算に共通する見直し>
・入力項目の定義の明確化や、他の加算と共通する項目の選択肢を統一化する
・同一の利用者に複数の加算を算定する場合に、一定の条件下でデータ提出のタイミングを統一できるようにする
(2) 報酬基準(告示第126号)
次に掲げるいずれの基準にも適合しているものとして市町村長に届け出た指定認知症対応型共同生活介護事業所が、利用者に対し指定認知症対応型共同生活介護を行った場合は、1月につき所定単位数を加算する。
@ 利用者ごとのADL値、栄養状態、口腔機能、認知症の状況その他の利用者の心身の状況等に係る基本的な情報を、厚生労働省に提出していること。
A 必要に応じて認知症対応型共同生活介護計画を見直すなど、指定認知症対応型共同生活介護の提供に当たって、?に規定する情報その他指定認知症対応型共同生活介護を適切かつ有効に提供するために必要な情報を活用していること。
(3) 報酬基準解釈通知
@ 科学的介護推進体制加算は、原則として利用者全員を対象として、利用者ごとに注 21 に掲げる要件を満たした場合に、当該事業所の利用者全員に対して算定できるものであること。
A 情報の提出については、LIFEを用いて行うこととする。LIFEへの提出情報、提出頻度等については、「科学的介護情報システム(LIFE)関連加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」を参照されたい。
B 事業所は、利用者に提供するサービスの質を常に向上させていくため、計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)のサイクル(PDCAサイクル)により、質の高いサービスを実施する体制を構築するとともに、その更なる向上に努めることが重要であり、具体的には、次のような一連の取組が求められる。したがって、情報を厚生労働省に提出するだけでは、本加算の算定対象とはならない。
イ 利用者の心身の状況等に係る基本的な情報に基づき、適切なサービスを提供するためのサービス計画を作成する(Plan)。
ロ サービスの提供に当たっては、サービス計画に基づいて、利用者の自立支援や重度化防止に資する介護を実施する(Do)。
ハ LIFEへの提出情報及びフィードバック情報等も活用し、多職種が共同して、事業所の特性やサービス提供の在り方について検証を行う(Check)。
ニ 検証結果に基づき、利用者のサービス計画を適切に見直し、事業所全体として、サービスの質の更なる向上に努める(Action)。
C 提出された情報については、国民の健康の保持増進及びその有する能力の維持向上に資するため、適宜活用されるものである。

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16. 高齢者施設等感染対策向上加算 令和6年度介護報酬改定(新設)

1.内容
○高齢者施設等については、施設内で感染者が発生した場合に、感染者の対応を行う医療機関との連携の上で施設内で感染者の療養を行うことや、他の入所者等への感染拡大を防止することが求められることから、以下を評価する新たな加算を設ける。
ア 新興感染症の発生時等に感染者の診療等を実施する医療機関(協定締結医療機関)との連携体制を構築していること。
イ 上記以外の一般的な感染症(※)について、協力医療機関等と感染症発生時における診療等の対応を取り決めるとともに、当該協力医療機関等と連携の上、適切な対応を行っていること。
※新型コロナウイルス感染症を含む。ウ感染症対策にかかる一定の要件を満たす医療機関等や地域の医師会が定期的に主催する感染対策に関する研修に参加し、助言や指導を受けること。
○また、感染対策に係る一定の要件を満たす医療機関から、施設内で感染者が発生した場合の感染制御等の実地指導を受けることを評価する新たな加算を設ける。

2.単位数・算定要件
    高齢者施設等感染対策向上加算(T)高齢者施設等感染対策向上加算(U)
単位数10単位/月5単位/月
算定要件○感染症法第6条第17 項に規定する第二種協定指定医療機関との間で、新興感染症の発生時等の対応を行う体制を確保していること。
○協力医療機関等との間で新興感染症以外の一般的な感染症の発生時等の対応を取り決めるとともに、感染症の発生時等に協力医療機関等と連携し適切に対応していること。
○診療報酬における感染対策向上加算又は外来感染対策向上加算に係る届出を行った医療機関又は地域の医師会が定期的に行う院内感染対策に関する研修又は訓練に1年に1回以上参加していること。
○診療報酬における感染対策向上加算に係る届出を行った医療機関から、3年に1回以上施設内で感染者が発生した場合の感染制御等に係る実地指導を受けていること。
協力医療機関・第二種協定指定医療機関
(新興感染症)
・協力医療機関等
・診療報酬における感染対策向上加算若しくは外来感染対策向上加算に係る届出を行った医療機関又は地域の医師会
・診療報酬における感染対策向上加算に係る届出を行った医療機関

3.留意事項
(1)高齢者施設等感染対策向上加算(T)について
@ 高齢者施設等感染対策向上加算(T)は、高齢者施設等における平時からの感染対策の実施や、感染症発生時に感染者の対応を行う医療機関との連携体制を評価するものであること。
A 高齢者施設等において感染対策を担当する者が、医療機関等が行う院内感染対策に関する研修又は訓練に少なくとも1年に1回以上参加し、指導及び助言を受けること。院内感染対策に関する研修又は訓練については、診療報酬の算定方法(平成20年厚生労働省告示第59号)別表第1医科診療報酬点数表の区分番号A234−2に規定する感染対策向上加算(以下、感染対策向上加算という。)又は医科診療報酬点数表の区分番号A000に掲げる初診料の注11及び再診料の注15に規定する外来感染対策向上加算に係る届出を行った医療機関が実施する院内感染対策に関するカンファレンスや職員向けに実施する院内感染対策に関する研修、地域の医師会が定期的に主催する院内感染対策に関するカンファレンスを対象とする。
B 指定地域密着型サービス基準第108条により準用する第33条第2項に基づき、介護職員その他の従業員に対して実施する感染症の予防及びまん延の防止のための研修及び訓練の内容について、上記の医療機関等における研修又は訓練の内容を含めたものとすること。
C 指定地域密着型サービス基準第105条第4項において、指定認知症対応型共同生活介護事業所は、入居者が新興感染症に感染した際に、感染者の診療等を行う第二種協定指定医療機関と連携し、新興感染症発生時等における対応を取り決めるよう努めることとしており、加算の算定に当たっては、第二種協定指定医療機関との間で、新興感染症の発生時等の対応を行う体制を確保していること。新興感染症発生時等の対応としては、感染発生時等における相談、感染者の診療、入院の要否の判断等が求められることから、本加算における連携の対象となる第二種協定指定医療機関は診療所、病院に限る。なお、第二種協定指定医療機関である薬局や訪問看護ステーションとの連携を行うことを妨げるものではない。
D 季節性インフルエンザやノロウイルス感染症、新型コロナウイルス感染症など特に高齢者施設等において流行を起こしやすい感染症について、協力医療機関等と連携し、感染した入所者に対して適切に医療が提供される体制が構築されていること。特に新型コロナウイルス感染症については、「高齢者施設等における医療機関との連携体制等にかかる調査の結果について(令和5年12月7日付事務連絡)」のとおり新型コロナウイルス感染症の対応を行う医療機関との連携状況等を調査しており、引き続き感染者の対応が可能な医療機関との連携体制を確保していること。
(2)高齢者施設等感染対策向上加算(U)について
@ 高齢者施設等感染対策向上加算(U)は、感染対策向上加算に係る届出を行った医療機関から、少なくとも3年に1回以上、事業所内で感染者が発生した場合の感染制御等に係る実地指導を受けている場合に、月1回算定するもの。
A 実地指導については、感染対策向上加算に係る届出を行った医療機関において設置された感染制御チームの専任の医師又は看護師等が行うことが想定される。
B 指定地域密着型サービス基準第108条により準用する第33条第2項に基づき、介護職員その他の従業員に対して実施する感染症の予防及びまん延の防止のための研修及び訓練の内容について、上記の医療機関による実地指導の内容を含めたものとすること。

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18. 生産性向上推進体制加算 令和6年度介護報酬改定(新設)

1.内容
○介護現場における生産性の向上に資する取組の促進を図る観点から、介護ロボットやICT等のテクノロジーの導入後の継続的なテクノロジーの活用を支援するため、利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会の開催や必要な安全対策を講じた上で、見守り機器等のテクノロジーを1つ以上導入し、生産性向上ガイドラインの内容に基づいた業務改善を継続的に行うとともに、一定期間ごとに、業務改善の取組による効果を示すデータの提供を行うことを評価する新たな加算を設けることとする。【告示改正】
○加えて、上記の要件を満たし、提出したデータにより業務改善の取組による成果が確認された上で、見守り機器等のテクノロジーを複数導入し、職員間の適切な役割分担(いわゆる介護助手の活用等)の取組等を行っていることを評価する区分を設けることとする。【告示改正】

2.単位数
    生産性向上推進体制加算(T)生産性向上推進体制加算(U)
単位数100単位/月10単位/月

3.算定要件
【生産性向上推進体制加算(T)】
@(U)の要件を満たし、(U)のデータにより業務改善の取組による成果(※1)が確認されていること。
A見守り機器等のテクノロジー(※2)を複数導入していること。
B職員間の適切な役割分担(いわゆる介護助手の活用等)の取組等を行っていること。
C1年以内ごとに1回、業務改善の取組による効果を示すデータの提供(オンラインによる提出)を行うこと。
 注:生産性向上に資する取組を従来より進めている施設等においては、(U)のデータによる業務改善の取組による成果と同等以上のデータを示す等の場合には、(U)の加算を取得せず、(T)の加算を取得することも可能である。

【生産性向上推進体制加算(U)】
@利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会の開催や必要な安全対策を講じた上で、生産性向上ガイドラインに基づいた改善活動を継続的に行っていること。
A見守り機器等のテクノロジーを1つ以上導入していること。
B年以内ごとに1回、業務改善の取組による効果を示すデータの提供(オンラインによる提出)を行うこと。

(※1)業務改善の取組による効果を示すデータ等について
@(T)において提供を求めるデータは、以下の項目とする。
 ア.利用者のQOL等の変化(WHO-5等)
 イ.総業務時間及び当該時間に含まれる超過勤務時間の変化
 ウ.年次有給休暇の取得状況の変化
 エ.心理的負担等の変化(SRS-18等)
 オ.機器の導入による業務時間(直接介護、間接業務、休憩等)の変化(タイムスタディ調査)
A(U)において求めるデータは、(T)で求めるデータのうち、アからウの項目とする。
B(T)における業務改善の取組による成果が確認されていることとは、ケアの質が確保(アが維持又は向上)された上で、職員の業務負担の軽減(イが短縮、ウが維持又は向上)が確認されることをいう。

(※2)見守り機器等のテクノロジーの要件
@見守り機器等のテクノロジーとは、以下のアからウに掲げる機器をいう。
 ア.見守り機器
 イ.インカム等の職員間の連絡調整の迅速化に資するICT機器
 ウ.介護記録ソフトウェアやスマートフォン等の介護記録の作成の効率化に資するICT機器(複数の機器の連携も含め、データの入力から記録・保存・活用までを一体的に支援するものに限る。)
A見守り機器等のテクノロジーを複数導入するとは、少なくともアからウまでに掲げる機器は全て使用することであり、その際、アの機器は全ての居室に設置し、イの機器は全ての介護職員が使用すること。なお、アの機器の運用については、事前に利用者の意向を確認することとし、当該利用者の意向に応じ、機器の使用を停止する等の運用は認められるものであること。
【通知】
生産性向上推進体制加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例等の提示について
(令和6年3月15日策定、令和6年3月29日一部改正)
・(別紙1)生産性向上推進体制加算に関する取組の実績報告書(毎年度報告)
・(別紙2)生産性向上推進体制加算(T)の算定に関する取組の成果
・(別添1)利用者向け調査票
・(別添2)施設向け調査票 (労働時間等調査票)
・(別添3)職員向け調査票
・(別添4)職員向けタイムスタディ調査票

令和6年度介護報酬改定について → こちら

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19.サービス提供体制加算  (平成21年創設)

1.内容
介護福祉士の資格保有者、常勤職員または一定の勤続年数を満たす者が、一定の割合で雇用されている事業所が提供するサービスについて評価を行う加算です。
(専門性評価、キャリアアップ推進、早期離職を防止して定着を促進等を狙っている。)
2.単位数
    サービス提供体制加算(T)サービス提供体制加算(U)サービス提供体制加算(V)
単位数 22単位/日 18単位/日   6単位/日 

3.算定要件
    サービス提供体制加算(T)サービス提供体制加算(U)サービス提供体制加算(V)
資格・勤続年数要件以下のいずれかに該当すること。
@介護福祉士70%以上
A勤続10年以上介護福祉士25%以上
介護福祉士60%以上以下のいずれかに該当すること。
@ 介護福祉士50%以上
A 常勤職員75%以上
B 勤続7年以上30%以上
・介護福祉士に係る要件は、「介護職員の総数に占める介護福祉士の割合」
・常勤職員に係る要件は、「看護・介護職員の総数に占める常勤職員の割合」
・勤続年数に係る要件は、「利用者に直接サービスを提供する職員の総数に占める7年以上勤続職員の割合」である。

4.報酬基準解釈通知
@ 職員の割合の算出に当たっては、常勤換算方法により算出した前年度(三月を除く。)の平均を用いる こととする。ただし、前年度の実績が六月に満たない事業所(新たに事業を開始し、又は再開した事業所を 含む。)については、届出日の属する月の前三月について、常勤換算方法により算出した平均を用いること とする。したがって、新たに事業を開始し、又は再開した事業者については、四月目以降届出が可能となるも のであること。
なお、介護福祉士又は介護職員基礎研修課程修了者については、各月の前月の末日時点で資格を 取得又は研修の課程を修了している者とすること。
A 前号ただし書の場合にあっては、届出を行った月以降においても、直近三月間の職員の割合につき、毎月 継続的に所定の割合を維持しなければならない。なお、その割合については、毎月記録するものとし、所定の 割合を下回った場合については、直ちに第一の5(加算等が算定されなくなる場合の届出の取扱い)の届 出を提出しなければならない。
B 勤続年数とは、各月の前月の末日時点における勤続年数をいうものとする。
C 勤続年数の算定に当たっては、当該事業所における勤務年数に加え、同一法人等の経営する他の介護サービス事業所、病院、社会福祉施設等においてサービスを利用者に直接提供する職員として勤務した数を含めることができるものとする。
D 同一の事業所において介護予防認知症対応型共同生活介護を一体的に行っている場合においては、本加算の計算も一体的に行うこととする。
E この場合の認知症対応型共同生活介護の職員に係る常勤換算にあっては、利用者への介護業務(計画作成等介護を行うに当たって必要な業務は含まれるが、請求事務等介護に関わらない業務を除く。)に従事している時間を用いても差し支えない。
F 指定認知症対応型共同生活介護を利用者に直接提供する職員とは、介護従業者として勤務を行う職員を指すものとする。
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21. 認知症行動-心理症状緊急対応加算【認知症対応型共同生活介護(短期利用)】

1.内容
認知症である者の在宅生活を支援する観点から、家族関係やケアが原因で認知症の行動・心理症状が出現 したことにより在宅での生活が困難になった者について、短期利用共同生活介護による緊急受入れについて評価 を行う。 2.単位数
単位数200単位/日入居日から7日を上限

3.算定要件
(1) 報酬基準(厚労告126号)
「短期利用共同生活介護費」を算定する場合について、医師が認知症の行動・心理症状が認められるため、 在宅での生活が困難であり、緊急に指定認知症対応型共同生活介護を利用することが適当であると判断した者 に対し、指定認知症対応型共同生活介護を行った場合は、入居を開始した日から起算して7日を限度として、 1日につき200単位を所定単位数に加算する。
(2) 報酬基準解釈通知
@ 「認知症の行動・心理症状」とは、認知症による認知機能の障害に伴う、妄想・幻覚・興奮・暴言等の症状を指すものである。
A 本加算は、利用者に「認知症の行動・心理症状」が認められ、緊急に短期利用共同生活介護が必要であると医師が判断した場合であって、介護支援専門員、受け入れ事業所の職員と連携し、利用者又は家族の同意の上、指定認知症対応型共同生活介護の利用を開始した場合に算定することができる。本加算は医師が判断した当該日又はその次の日に利用を開始した場合に限り算定できるものとする。
この際、短期利用共同生活介護ではなく、医療機関における対応が必要であると判断される場合にあっては、速やかに適当な医療機関の紹介、情報提供を行うことにより、適切な医療が受けられるように取り計らう必要がある。
B 次に掲げる者が、直接、短期利用共同生活介護の利用を開始した場合には、当該加算は算定できないものであること。
a 病院又は診療所に入院中の者
b 介護保険施設又は地域密着型介護老人福祉施設に入院中又は入所中の者
c 認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、特定施設入居者生活介護、短期入所生活介護、短期入所療養介護、短期利用共同生活介護、短期利用特定施設入居者生活介護及び地域密着型短期利用特定施設入居者生活介護を利用中の者
C 判断を行った医師は診療録等に症状、判断の内容等を記録しておくこと。また、事業所も判断を行った医師名、日付及び利用開始に当たっての留意事項等を介護サービス計画書に記録しておくこと。
D 7日を限度として算定することとあるのは、本加算が「認知症の行動・心理症状」が認められる利用者を受け入れる際の初期の手間を評価したものであるためであり、利用開始後8日目以降の短期利用共同生活介護の利用の継続を妨げるものではないことに留意すること。
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22. 初期加算

1.内容
入居した日から起算して30日以内の期間については、初期加算として、1日につき所定単位数を加算する。
30日を超える病院又は診療所への入院後に指定認知症対応型共同生活介護事業所に再び入居した場合も、同様とする。
(報酬基準(厚労告126号))
2.単位数
単位数39単位/日入居した日から30日以内

3.算定要件
@ 初期加算は、当該利用者が過去3月間(ただし、日常生活自立度のランクV、W又はMに該当する者 の場合は過去1月間とする。)の間に、当該事業所に入居したことがない場合に限り算定できることとする。
A 短期利用認知症対応型共同生活介護を利用していた者が日を空けることなく引き続き当該認知症対応 型共同生活介護事業所に入居した場合(短期利用認知症対応型共同生活介護の利用を終了した翌日に当 該認知症対応型共同生活介護事業所に入居した場合を含む。)については、初期加算は入居直前の短期利 用認知症対応型共同生活介護の利用日数を30日から控除して得た日数に限り算定するものとする。
B 30日を超える病院又は診療所への入院後に再入居した場合は、@にかかわらず、初期加算が算定される。
(報酬基準解釈通知)
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23. 協力医療機関連携加算 令和6年度介護報酬改定(新設)

1.内容
協力医療機関との実効性のある連携体制を構築するため、入所者または入居者(以下「入所者等」という。)の現病歴等の情報共有を行う会議を定期的に開催することを評価する新たな加算を創設する。

2.単位数
 (1) 協力医療機関の
要件@Aを満たす場合
(2) (1)以外の場合
単位数100単位/月40単位/月

3.算定要件
協力医療機関との間で、利用者の同意を得て、当該利用者の病歴等の情報を共有する会議を定期的に開催していること。ただし、医療連携体制加算を算定していない場合は、算定しない。

<協力医療機関の要件>
@入所者等の病状が急変した場合等において、医師又は看護職員が相談対応を行う体制を常時確保していること。
A高齢者施設等からの診療の求めがあった場合において、診療を行う体制を常時確保していること。

4.留意事項
@ 本加算は、高齢者施設等と協力医療機関との実効性のある連携体制を構築する観点から、入居者の急変時等に備えた関係者間の平時からの連携を強化するため、入居者の病歴等の情報共有や急変時等における対応の確認等を行う会議を定期的に開催することを評価するものである。
A 会議では、特に協力医療機関に対して診療の求めを行うこととなる可能性が高い入居者や新規入居者を中心に情報共有や対応の確認等を行うこととし、毎回の会議において必ずしも入居者全員について詳細な病状等を共有しないこととしても差し支えない。
B 協力医療機関が指定地域密着型サービス基準第105条第2項第1号及び第2号に規定する要件を満たしている場合には(1)の100 単位、それ以外の場合には(2)の40単位を加算する。(1)について、複数の医療機関を協力医療機関として定めることにより当該要件を満たす場合には、それぞれの医療機関と会議を行う必要がある。(1)を算定する場合において、指定地域密着型サービス基準第105 条第3項に規定する届出として当該要件を満たす医療機関の情報を市町村長に届け出ていない場合には、速やかに届け出ること。
C 「会議を定期的に開催」とは、概ね月に1回以上開催されている必要がある。ただし、電子的システムにより当該協力医療機関において、当該事業所の入居者の情報が随時確認できる体制が確保されている場合には、定期的に年3回以上開催することで差し支えないこととする。なお、協力医療機関へ診療の求めを行う可能性の高い入居者がいる場合においては、より高い頻度で情報共有等を行う会議を実施することが望ましい。
D 会議は、テレビ電話装置等(リアルタイムでの画像を介したコミュニケーションが可能な機器をいう。以下同じ。)を活用して行うことができるものとする。この際、個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等を遵守すること。
E 本加算における会議は、指定地域密着型サービス基準第105条第3項に規定する、入居者の病状が急変した場合の対応の確認と一体的に行うこととしても差し支えない。
F 会議の開催状況については、その概要を記録しなければならない。

5.Q&A
(Q&A Vo.1 R6.3.15)
・問127 入所者の病歴等の情報を共有する会議に出席するのはどんな職種を想定しているか。
 答127 職種は問わないが、入所者の病歴その他健康に関する情報を協力医療機関の担当者に説明でき、急変時等における当該協力医療機関との対応を確認できる者が出席すること。
・問151 要支援2について算定できるのか。
 答151 要支援者については、「介護予防認知症対応型共同生活介護費」の対象となるが、これについては、協力医療機関連携加算は設けていないことから、算定できない。
・問152 グループホームのショートステイ利用者は対象となるか。
 答152 本加算制度は協力医療機関と利用者の現病歴等の情報共有を行う会議を定期的に開催することを評価するものである。ショートステイ等既に居宅サービスを利用している者の情報共有は居宅サービスのケアマネジャー等が行うものであるため、当該加算の対象とはならない。

(Q&A Vo.2 R6.3.19)
・問13 基準省令に規定する要件全てを満たす医療機関を、協力医療機関として複数定める場合、協力医療機関連携加算の算定にあたっての定期的な会議は、当該医療機関のうち1つの医療機関と行うことで差し支えないか。
 答13 差し支えない。

(Q&A Vo.3 R6.3.29)
・問3 電子的システムにより当該協力医療機関において、当該施設の入居者の情報が随時確認できる体制が確保されている場合には、定期的に年3回以上開催することで差し支えない」とあるが、随時確認できる体制とは具体的にどのような場合が該当するか。
 答3 例えば、都道府県が構築する地域医療介護総合確保基金の「ICTを活用した地域医療ネットワーク基盤の整備」事業を活用した、地域医療情報連携ネットワーク(以下「地連NW」という。)に参加し、当該介護保険施設等の医師等が記録した当該介護保険施設等の入所者の診療情報及び急変時の対応方針等の情報について当該地連NWにアクセスして確認可能な場合が該当する。
この場合、当該介護保険施設等の医師等が、介護保険施設等の入所者の診療情報及び急変時の対応方針等についてそれぞれの患者について1ヶ月に1回以上記録すること。 なお、入所者の状況等に変化がない場合は記録を省略しても差し支えないが、その旨を文書等により介護保険施設等から協力医療機関に、少なくとも月1回の頻度で提供すること。
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24. 退居時情報提供加算 令和6年度介護報酬改定(新設)

1.内容
入所者または入居者(以下「入所者等」という。)が医療機関へ退所した際、生活支援上の留意点等の情報提供を行うことを評価する新たな加算を創設する。

2.単位数
単位数250単位/回1人につき1回を限度

3.算定要件
医療機関へ退所する入所者等について、退所後の医療機関に対して入所者等を紹介する際、入所者等の同意を得て、当該入所者等の心身の状況、生活歴等を示す情報を提供した場合に、入所者等1人につき1回に限り算定する。

4.留意事項
@ 入居者が退所退居して医療機関に入院する場合、当該医療機関に対して、入居者を紹介するに当たっては、別紙様式9の文書に必要な事項を記載の上、当該医療機関に交付するとともに、交付した文書の写しを介護記録等に添付すること。
A 入居者が医療機関に入院後、当該医療機関を退院し、同一月に再度当該医療機関に入院する場合には、本加算は算定できない。
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25. 退去時相談援助加算

1.内容
利用期間が1か月間を超える利用者が退去する際に、当該利用者が居宅において退居後の居宅サービス又は地域密着型サービスについて相談援助を行い、かつ、当該利用者の同意を得た上で、退居の日から2週間以 内に当該利用者の退居後の居宅地を管轄する市区町村及び老人介護支援センター又は地 域包括支援センターに対して、当該利用者の介護状況を示す文書を添えて当該利用者に係る居宅サービス又は 地域密着型サービスに必要な情報を提供した場合に算定可能。

2.単位数
単位数400単位/日1人につき1回を限度

3.算定要件
(1) 報酬基準(厚労告126号)
利用期間が1月を超える利用者が退居し、その居宅において居宅サービス又は地域密着型サービスを利用する場合において、当該利用者の退居時に当該利用者及びその家族等に対して退居後の居宅サービス、地域密着型サービスその他の保健医療サービス又は福祉サービスについて相談援助を行い、かつ、当該利用者の同意を得て、退居の日から2週間以内に当該利用者の退居後の居宅地を管轄する市区町村及び老人介護支援センター又は地域包括支援センターに対して、当該利用者の介護状況を示す文書を添えて当該利用者に係る居宅サービス又は地域密着型サービスに必要な情報を提供した場合に、利用者1人につき1回を限度として算定する。
(2) 地域密着型サービス報酬基準解釈通知
@ 退居時相談援助の内容は、次のようなものであること。
a 食事、入浴、健康管理等在宅における生活に関する相談援助
b 退居する者の運動機能及び日常生活動作能力の維持及び向上を目的として行う各種訓練等に関する相談援助
c 家屋の改善に関する相談援助
d 退居する者の介助方法に関する相談援助
A 退居時相談援助加算は、次の場合には、算定できないものであること。
a 退居して病院又は診療所へ入院する場合
b 退居して他の介護保険施設への入院若しくは入所又は認知症対応型共同生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、特定施設入居者生活介護又は地域密着型特定施設入居者生活介護の利用を開始する場合
c 死亡退居の場合
B 退居時相談援助は、介護支援専門員である計画作成担当者、介護職員等が協力して行うこと。
C 退居時相談援助は、退居者及びその家族等のいずれにも行うこと。
D 退居時相談援助を行った場合は、相談援助を行った日付及び相談援助の内容の要点に関する記録を行うこと。
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26. 生活機能向上連携加

1.内容
利用者に対して、指定訪問リハビリテーション事業所等を実施している医療提供施設の医師等が指定認知症 対応型共同生活介護事業所を訪問した際に、計画作成担当者が当該医師等と利用者の身体の状況等の評 価を共同して行い、かつ、生活機能の向上を目的とした認知症対応型共同生活介護計画を作成した場合であっ て、当該医師等と連携し、当該認知症対応型共同生活介護計画に基づく指定認知症対応型共同生活介護を 行ったときに算定可能。

2.単位数
 生活機能向上連携加算(T)生活機能向上連携加算(U)
単位数 100単位/月 200単位/月 
  初回のみ  初回から3月の間 

3.算定要件
(1) 報酬基準(厚労告126号)
@ 生活機能向上連携加算(T)について、計画作成担当者(指定地域密着型サービス基準第90条第5項に 規定する計画作成担当者をいう。注2において同じ。)が、指定訪問リハビリテーション事業所、指定通所リハ ビリテーション事業所又はリハビリテーションを実施している医療提供施設の医師、理学療法士、作業療法士又 は言語聴覚士の助言に基づき、生活機能の向上を目的とした認知症対応型共同生活介護計画(指定地域 密着型サービス基準第98条第1項に規定する認知症対応型共同生活介護計画をいう。以下同じ。)を作 成し、当該認知症対応型共同生活介護計画に基づく指定認知症対応型共同生活介護を行ったときは、初 回の当該指定認知症対応型共同生活介護が行われた日の属する月に、所定単位数を加算する。
A 生活機能向上連携加算(U)について、利用者に対して、指定訪問リハビリテーション事業所、指定通所リハビ リテーション事業所又はリハビリテーションを実施している医療提供施設の医師、理学療法士、作業療法士又は 言語聴覚士が指定認知症対応型共同生活介護事業所を訪問した際に、計画作成担当者が当該医師、理 学療法士、作業療法士又は言語聴覚士と利用者の身体の状況等の評価を共同して行い、かつ、生活機能の 向上を目的とした認知症対応型共同生活介護計画を作成した場合であって、当該医師、理学療法士、作業 療法士又は言語聴覚士と連携し、当該認知症対応型共同生活介護計画に基づく指定認知症対応型共同 生活介護を行ったときは、初回の当該指定認知症対応型共同生活介護が行われた日の属する月以降3月の 間、1月につき所定単位数を加算する。ただし、生活機能向上連携加算(T)を算定している場合には算定し ない。
(2) 報酬基準解釈通知
@ 生活機能向上連携加算(U)について
イ 「生活機能の向上を目的とした認知症対応型共同生活介護計画」とは、利用者の日常生活において介助 等を必要とする行為について、単に介護従業者が介助等を行うのみならず、利用者本人が、日々の暮らしの中 で当該行為を可能な限り自立して行うことができるよう、その有する能力及び改善可能性に応じた具体的目標 を定めた上で、介護従業者が提供する介護の内容を定めたものでなければならない。
ロ イの認知症対応型共同生活介護計画の作成に当たっては、指定訪問リハビリテーション事業所、指定通所リ ハビリテーション事業所又はリハビリテーションを実施している医療提供施設(病院にあっては、許可病床数が 200 床未満のもの又は当該病院を中心とした半径4キロメートル以内に診療所が存在しないものに限る。) の理学療法士、作業療法士、言語聴覚士又は医師(以下この?において「理学療法士等」という。)が認 知症対応型共同生活介護事業所を訪問した際に、当該利用者のADL(寝返り、起き上がり、移乗、歩 行、着衣、入浴、排せつ等)及びIADL(調理、掃除、買物、金銭管理、服薬状況等)に関する利用 者の状況につき、理学療法士等と計画作成担当者が共同して、現在の状況及びその改善可能性の評価 (以下「生活機能アセスメント」という。)を行うものとする。この場合の「リハビリテーションを実施している医療提 供施設」とは、診療報酬における疾患別リハビリテーション料の届出を行っている病院若しくは診療所又は介護 老人保健施設、介護療養型医療施設若しくは介護医療院である。
ハ イの認知症対応型共同生活介護計画には、生活機能アセスメントの結果のほか、次に掲げるその他の日々の 暮らしの中で必要な機能の向上に資する内容を記載しなければならない。
a 利用者が日々の暮らしの中で可能な限り自立して行おうとする行為の内容
b 生活機能アセスメントの結果に基づき、aの内容について定めた三月を目途とする達成目標
c bの目標を達成するために経過的に達成すべき各月の目標
d b及びcの目標を達成するために介護従業者が行う介助等の内容
ニ ハのb及びcの達成目標については、利用者の意向も踏まえ策定するとともに、利用者自身がその達成度合 いを客観視でき、当該利用者の意欲の向上につながるよう、例えば当該目標に係る生活行為の回数や当該 生活行為を行うために必要となる基本的な動作(立位又は座位の保持等)の時間数といった数値を用いる 等、可能な限り具体的かつ客観的な指標を用いて設定すること。
ホ 本加算はロの評価に基づき、イの認知症対応型共同生活介護計画に基づき提供された初回の介護の提供 日が属する月を含む3月を限度として算定されるものであり、3月を超えて本加算を算定しようとする場合は、 再度ロの評価に基づき認知症対応型共同生活介護計画を見直す必要があること。
ヘ 本加算を算定する期間中は、各月における目標の達成度合いにつき、利用者及び理学療法士等に報告し、 必要に応じて利用者の意向を確認し、当該理学療法士等から必要な助言を得た上で、利用者のADL及び IADLの改善状況及びハのbの達成目標を踏まえた適切な対応を行うこと。
A 生活機能向上連携加算(T)について
イ 生活機能向上連携加算(T)については、@ロ、ホ及びヘを除き@を適用する。本加算は、理学療法士等が 認知症対応型共同生活介護事業所を訪問せずにADL及びIADLに関する利用者の状況について適 切に把握した上で計画作成担当者に助言を行い、計画作成担当者が、助言に基づき@イの認知症対応型 共同生活介護計画を作成(変更)するとともに、計画作成から3月経過後、目標の達成度合いにつき、利 用者及び理学療法士等に報告することを定期的に実施することを評価するものである。
a @イの認知症対応型共同生活介護計画の作成に当たっては、理学療法士等は、当該利用者のADL及 びIADLに関する状況について、指定訪問リハビリテーション事業所、指定通所リハビリテーション事業所又 はリハビリテーションを実施している医療提供施設の場において把握し、又は指定認知症対応型共同生活介 護事業所の計画作成担当者と連携してICTを活用した動画やテレビ電話を用いて把握した上で、当該指 定認知症対応型共同生活介護事業所の計画作成担当者に助言を行うこと。なお、ICTを活用した動画 やテレビ電話を用いる場合においては、理学療法士等がADL及びIADLに関する利用者の状況について 適切に把握することができるよう、理学療法士等と計画作成担当者で事前に方法等を調整するものとする。
b 当該認知症対応型共同生活介護事業所の計画作成担当者は、aの助言に基づき、生活機能アセスメン トを行った上で、@イの認知症対応型共同生活介護計画の作成を行うこと。なお、@イの認知症対応型共同 生活介護計画には、aの助言の内容を記載すること。
c 本加算は、@イの認知症対応型共同生活介護計画に基づき指定認知症対応型共同生活介護を提供し た初回の月に限り、算定されるものである。なお、aの助言に基づき認知症対応型共同生活介護計画を見直 した場合には、本加算を算定することは可能であるが、利用者の急性増悪等により認知症対応型共同生活介 護計画を見直した場合を除き、@イの認知症対応型共同生活介護計画に基づき指定認知症対応型共同 生活介護を提供した翌月及び翌々月は本加算を算定しない。
d 3月経過後、目標の達成度合いにつき、利用者及び理学療法士等に報告すること。なお、再度aの助言 に基づき認知症対応型共同生活介護計画を見直した場合には、本加算の算定が可能である。
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27. 栄養管理体制加算

1.内容
事業所において管理栄養士が、従業者に対し栄養ケアに係る技術的助言及び指導を1月に1回以上行っている場合に算定可能。

2.単位数
単位数30単位/月 

3.算定要件
(1) 報酬基準(厚労告126号)
別に厚生労働大臣が定める基準に適合する指定認知症対応型共同生活介護事業所において、管理栄養 士(当該事業所の従業者以外の管理栄養士を含む。)が、従業者に対する栄養ケアに係る技術的助言及び 指導を月1回以上行っている場合に、1月につき所定単位数を加算する
(2) 厚生労働大臣が定める基準(厚労告25号)
通所介護費等算定方法第8号に規定する基準のいずれにも該当しないこと。
(3) 地域密着型サービス報酬基準解釈通知
@ 栄養管理体制加算の算定に係る管理栄養士は、外部(他の介護事業所(栄養管理体制加算の対象事 業所に限る。)、医療機関、介護保険施設(栄養マネジメント強化加算の算定要件として規定する員数を 超えて管理栄養士を置いているもの又は常勤の管理栄養士を1名以上配置しているものに限る。)又は公益 社団法人日本栄養士会若しくは都道府県栄養士会が設置し、運営する「栄養ケア・ステーション」)との連携 により体制を確保した場合も、算定できる。
A 「栄養ケアに係る技術的助言及び指導」とは、当該事業所における利用者の低栄養状態の評価方法、栄養 ケアに関する課題(食事中の傾眠、拒食、徘徊・多動等)への対応方法、食形態の調整及び調理方法その 他当該事業所において日常的な栄養ケアの実施にあたり必要と思われる事項のうち、いずれかに係る技術的 助言及び指導のことをいうものであって、利用者ごとの栄養ケア・マネジメントをいうものではない。
B 「栄養ケアに係る技術的助言及び指導」を行うにあたって、以下の事項を記録すること。
イ 当該事業所において利用者の栄養ケアを推進するための課題
ロ 当該事業所における目標
ハ 具体的方策
ニ 留意事項
ホ その他必要と思われる事項
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28. 口腔衛生管理体制加算 令和3年介護報酬改定(新設)

1.内容
事業所において管理栄養士が、従業者に対し栄養ケアに係る技術的助言及び指導を1月に1回以上行っている場合に算定可能。

2.単位数
単位数30単位/月 

3.算定要件
(1) 報酬基準(厚労告126号)
別に厚生労働大臣が定める基準に適合する指定認知症対応型共同生活介護事業所において、管理栄養士(当該事業所の従業者以外の管理栄養士を含む。)が、従業者に対する栄養ケアに係る技術的助言及び 指導を月1回以上行っている場合に、1月につき所定単位数を加算する。
(2) 地域密着型サービス報酬基準解釈通知
@ 栄養管理体制加算の算定に係る管理栄養士は、外部(他の介護事業所(栄養管理体制加算の対象事 業所に限る。)、医療機関、介護保険施設(栄養マネジメント強化加算の算定要件として規定する員数を 超えて管理栄養士を置いているもの又は常勤の管理栄養士を1名以上配置しているものに限る。)又は公益 社団法人日本栄養士会若しくは都道府県栄養士会が設置し、運営する「栄養ケア・ステーション」)との連携 により体制を確保した場合も、算定できる。
A 「栄養ケアに係る技術的助言及び指導」とは、当該事業所における利用者の低栄養状態の評価方法、栄養 ケアに関する課題(食事中の傾眠、拒食、徘徊・多動等)への対応方法、食形態の調整及び調理方法その 他当該事業所において日常的な栄養ケアの実施にあたり必要と思われる事項のうち、いずれかに係る技術的 助言及び指導のことをいうものであって、利用者ごとの栄養ケア・マネジメントをいうものではない。
B 「栄養ケアに係る技術的助言及び指導」を行うにあたって、以下の事項を記録すること。
イ 当該事業所において利用者の栄養ケアを推進するための課題
ロ 当該事業所における目標
ハ 具体的方策
ニ 留意事項
ホ その他必要と思われる事項
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29. 口腔・栄養スクリーニング加算

1.内容
歯科医師又は歯科医師の指示を受けた歯科衛生士による介護職員に対する口腔ケアに係る技術的助言及び指導を月1回以上行った場合に算定できる。

2.単位数
単位数30単位/月 

3.算定要件
(1) 報酬基準(厚労告126号)
別に厚生労働大臣が定める基準に適合する指定認知症対応型共同生活介護事業所において、歯科医師又は歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、介護職員に対する口腔ケアに係る技術的助言及び指導を月1回以上行っている場合に、1月につき所定単位数を加算する。
(2) 厚生労働大臣が定める基準(厚告25号)
イ 事業所又は施設において歯科医師又は歯科医師の指示を受けた歯科衛生士の技術的助言及び指導に基づき、利用者の口腔ケア・マネジメントに係る計画が作成されていること。
ロ 定員超過利用・人員基準欠如に該当していないこと。
(3) 報酬基準解釈通知
@ 「口腔ケアに係る技術的助言及び指導」とは、当該事業所における利用者の口腔内状態の評価方法、適切 な口腔ケアの手技、口腔ケアに必要な物品整備の留意点、口腔ケアに伴うリスク管理、その他当該事業所に おいて日常的な口腔ケアの実施にあたり必要と思われる事項のうち、いずれかに係る技術的助言及び指導のこ とをいうものであって、個々の利用者の口腔ケア計画をいうものではない。
また、「口腔ケアに係る技術的助言及び指導」は、テレビ電話装置等を活用して行うことができるものとする。 なお、テレビ電話装置等の活用に当たっては、個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者 における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関する ガイドライン」等を遵守すること。
A 「利用者の口腔ケア・マネジメントに係る計画」には、以下の事項を記載すること。
イ 当該事業所において利用者の口腔ケアを推進するための課題
ロ 当該事業所における目標
ハ 具体的方策
ニ 留意事項
ホ 当該事業所と歯科医療機関との連携の状況
へ 歯科医師からの指示内容の要点(当該計画の作成にあたっての技術的助言・指導を歯科衛生士が行った場合に限る。)
ト その他必要と思われる事項
B 医療保険において歯科訪問診療料又は訪問歯科衛生指導料が算定された日の属する月であっても口腔衛 生管理体制加算を算定できるが、介護職員に対する口腔ケアに係る技術的助言及び指導又は利用者の口腔 ケア・マネジメントに係る計画に関する技術的助言及び指導を行うにあたっては、歯科訪問診療又は訪問歯科衛 生指導の実施時間以外の時間帯に行うこと。
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30. 新興感染症等施設療養費 令和6年度介護報酬改定(新設)

1.内容
○新興感染症のパンデミック発生時等において、施設内で感染した高齢者に対して必要な医療やケアを提供する観点や、感染拡大に伴う病床ひっ迫を避ける観点から、必要な感染対策や医療機関との連携体制を確保した上で感染した高齢者を施設内で療養を行うことを新たに評価する。
○対象の感染症については、今後のパンデミック発生時に必要に応じて指定する仕組みとする。

2.単位数
単位数240単位/日1月に1回、連続数5日を限度

3.算定要件
入所者等が別に厚生労働大臣が定める感染症※に感染した場合に相談対応、診療、入院調整等を行う医療機関を確保し、かつ、当該感染症に感染した入所者等に対し、適切な感染対策を行った上で、該当する介護サービスを行った場合に、1月に1回、連続する5日を限度として算定する。
※現時点において指定されている感染症はない。

4.留意事項
@ 新興感染症等施設療養費は、新興感染症のパンデミック発生時等において、事業所内で感染した高齢者に対して必要な医療やケアを提供する観点や、感染拡大に伴う病床ひっ迫を避ける観点から、必要な感染対策や医療機関との連携体制を確保した上で感染した高齢者の療養を施設内で行うことを評価するものである。
A 対象の感染症については、今後のパンデミック発生時等に必要に応じて厚生労働大臣が指定する。令和6年4月時点においては、指定している感染症はない。
B 適切な感染対策とは、手洗いや個人防護具の着用等の標準予防策(スタンダード・プリコーション)の徹底、ゾーニング、コホーティング、感染者以外の入所者も含めた健康観察等を指し、具体的な感染対策の方法については、「介護現場における感染対策の手引き(第3版)」を参考とすること。

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● 指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準及び解釈通知は「1.基準省令・解釈通知」→ こちら
■「13.加算の算定要件」のページは「認知症対応型共同生活介護
  (グループホーム)運営の手引(令和5年7月版)→ こちら
   横浜市健康福祉局高齢健康福祉部介護事業指導課」に準拠している。

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