協力医療機関  令和6年度介護報酬改定 努力義務

1.概要
指定認知症対応型共同生活介護事業者の入居者の病状の急変時等に対応するための協力医療機関をあらかじめ定めておくこと、新興感染症の診療等を行う医療機関と新興感染症発生時等における対応を取り決めるよう努めること、歯科医療の確保の観点からあらかじめ協力歯科医療機関を定めておくよう努めること等を規定したものであること。 協力医療機関の及び協力歯科医療機関は、共同生活住居から近距離にあることが望ましい。
(基準省令第105条協力医療機関・解釈通知)

2.認知症グループホームと協力医療機関の連携強化
No協力医療機関との連携強化・感染症への対応力向上規定
1協力医療機関を定める従来から義務
2協力医療機関の要件
@利用者の病状が急変した場合等において医師又は看護職員が相談対応を行う体制を、常時確保していること。
A事業所からの診療の求めがあった場合に、診療を行う体制を常時確保していること。
努力義務
3年1回以上、協力医療機関との間で、利用者の病状が急変した場合等の対応を確認すること。
義務
4協力医療機関の名称等を、指定権者へ届け出ること。※
従来から義務
5利用者が協力医療機関等に入院した後、退院となった場合、速やかに再入居させること。
努力義務
6新興感染症の発生時等における対応を第二種協定指定医療機関との間で取り決めておくこと。
努力義務
7協力医療機関が第二種協定指定医療機関である場合は、新興感染症発生時等における対応について協議を行うこと。
義務
【補足説明】
@協力医療機関とは、在宅医療を担う医療機関や在宅医療を支援する地域の医療機関等を言う。 (・在宅療養支援病院・在宅療養支援診療所・在宅療養後方支援病院・地域包括ケア病棟を持つ病院等)
 詳しくは、Q&A(Vol.1)R6.3.15 「問124」参照
A第二種協定指定医療機関とは、感染症法第6条第17項に規定するものを言う。
 詳しくは、Q&A(Vol.1)R6.3.15 「問129・問130」参照
B※(別紙3)協力医療機関に関する届出書は、こちら

3.概念図
認知症グループホーム協力医療機関との連携強化在宅療養を支援する地域の医療機関等


医療ニースへの対応強化



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 @平時からの連携
 A急変時の電話相談
 ・診療の求め
 B相談対応・医療提供
 C入院調整
 D早期退院

・在宅療養支援病院
・在宅療養支援診療所
・在宅療養後方支援病院
・地域包括ケア病棟
 を持つ病院等

基準省令・解釈通知 令和6年度介護報酬改定

協力医療機関等(基準省令第105条)
指定認知症対応型共同生活介護事業者は、利用者の病状の急変等に備えるため、あらかじめ、協力医療機関を定めておかなければならない。

2 指定認知症対応型共同生活介護事業者は、前項の規定に基づき協力医療機関を定めるに当たっては、次に掲げる要件を満たす協力医療機関を定めるように努めなければならない。
一 利用者の病状が急変した場合等において医師又は看護職員が相談対応を行う体制を、常時確保していること。
二 当該指定認知症対応型共同生活介護事業者からの診療の求めがあった場合において診療を行う体制を、常時確保していること。

3 指定認知症対応型共同生活介護事業者は、一年に一回以上、協力医療機関との間で、利用者の病状が急変した場合等の対応を確認するとともに、協力医療機関の名称等を、当該指定認知症対応型共同生活介護事業者に係る指定を行った市町村長に届け出なければならない。

4 指定認知症対応型共同生活介護事業者は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第六条第十七項に規定する第二種協定指定医療機関(以下「第二種協定指定医療機関」という。)との間で、新興感染症(同条第七項に規定する新型インフルエンザ等感染症、同条第八項に規定する指定感染症又は同条第九項に規定する新感染症をいう。以下同じ。)の発生時等の対応を取り決めるように努めなければならない。

5 指定認知症対応型共同生活介護事業者は、協力医療機関が第二種協定指定医療機関である場合においては、当該第二種協定指定医療機関との間で、新興感染症の発生時等の対応について協議を行わなければならない。

6 指定認知症対応型共同生活介護事業者は、利用者が協力医療機関その他の医療機関に入院した後に、当該利用者の病状が軽快し、退院が可能となった場合においては、再び当該指定認知症対応型共同生活介護事業所に速やかに入居させることができるように努めなければならない。

7 指定認知症対応型共同生活介護事業者は、あらかじめ、協力歯科医療機関を定めておくよう努めなければならない。

8 指定認知症対応型共同生活介護事業者は、サービスの提供体制の確保、夜間における緊急時の対応等のため、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院、病院等との間の連携及び支援の体制を整えなければならない。

協力医療機関等(解釈通知)
@ 基準省令第105条は、指定認知症対応型共同生活介護事業者の入居者の病状の急変時等に対応するための協力医療機関をあらかじめ定めておくこと、新興感染症の診療等を行う医療機関と新興感染症発生時等における対応を取り決めるよう努めること、歯科医療の確保の観点からあらかじめ協力歯科医療機関を定めておくよう努めること等を規定したものであること。 協力医療機関の及び協力歯科医療機関は、共同生活住居から近距離にあることが望ましい。
A 協力医療機関との連携(第2項)
指定認知症対応型共同生活介護事業者の入居者の病状の急変時等に、相談対応や診療を行う体制を常時確保した協力医療機関を定めるよう努めなければならない。 連携する医療機関は、在宅療養支援病院や在宅療養支援診療所、地域包括ケア病棟(200 床未満)を持つ医療機関等の在宅医療を支援する地域の医療機関(以下、在宅療養支援病院等)と連携を行うことが想定される。なお、令和6年度診療報酬改定において新設される地域包括医療病棟を持つ医療機関は、前述の在宅療養支援病院等を除き、連携の対象として想定される医療機関には含まれないため留意すること。
B 協力医療機関との連携に係る届け出(第3項)
協力医療機関と実効性のある連携体制を確保する観点から、年に1回以上、協力医療機関と入居者の急変時等における対応を確認し、当該医療機関の名称や当該医療機関との取り決めの内容等を指定権者に届け出ることを義務づけたものである。届出については、別紙3によるものとする。協力医療機関の名称や契約内容の変更があった場合には、速やか指定権者に届け出ること。
C 新興感染症発生時等の対応を行う医療機関との連携(第4項)
指定認知症対応型共同生活介護事業者の入居者における新興感染症の発生時等に、感染者の診療等を迅速に対応できる体制を平時から構築しておくため、感染症法第6条第17項に規定する第二種協定指定医療機関である病院又は診療所との新興感染症発生時等における対応を取り決めるよう努めることとしたものである。 取り決めの内容としては、流行初期期間経過後(新興感染症の発生の公表後4か月程度から6カ月程度経過後)において、指定認知症対応型共同生活介護事業者の入居者が新興感染症に感染した場合に、相談、診療、入院の要否の判断、入院調整等を行うことが想定される。なお、第二種協定指定医療機関である薬局や訪問看護ステーションとの連携を行うことを妨げるものではない。
D 協力医療機関が第二種協定指定医療機関である場合(第5項)
協力医療機関が第二種協定指定医療機関である場合には、第3項で定められた入居者の急変時等における対応の確認と合わせ、当該協力機関との間で、新興感染症の発生時等における対応について協議を行うことを義務付けるものである。協議の結果、当該協力医療機関との間で新興感染症の発生時等の対応の取り決めがなされない場合も考えられるが、協力医療機関のように日頃から連携のある第二種協定指定医療機関と取り決めを行うことが望ましい。
E 医療機関に入院した入居者の退院後の受け入れ(第6項)
「速やかに入居させることができるよう努めなければならない」とは、必ずしも退院後に再び入居を希望する入居者のために常に居室を確保しておくということではなく、できる限り円滑に再び入居できるよう努めなければならないということである。
F 同条第7項は、指定認知症対応型共同生活介護事業者は、サービスの提供体制の確保、夜間における緊急時の対応等のため、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、病院等のバックアップ施設との間の連携及び支援の体制を整えなければならない旨を規定したものである。これらの協力医療機関やバックアップ施設から、利用者の入院や休日夜間等における対応について円滑な協力を得るため、当該協力医療機関等との間であらかじめ必要な事項を取り決めておくものとする。


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