マニュアル車-エンスト日記2

ちょっとした不注意から、痛恨の追突事故を起こしてしまった俺。

2 年間ほど家族を乗せて活躍してくれたトヨタビスタも、

今はボンネットをひしゃげて、哀愁漂う姿で駐車場に佇んでいる。

それほど愛着がなかったとはいえ、駐車場に置いておくのも

恥ずかしい状態になってしまった今、妙にせつない同情を感じる。

うん、いつまでも、そこに置いとく訳にはいかないぞ。



自分がやってしまった以上、しょうがない。

大出費を覚悟して、いざ雨の中、親父と日産の

中古車ショップへと足を運ぶ。



実はすでに昨日の金曜日も、中古車店に行っていたのだ。

広告の値段の安さに惹かれて、父親と帰宅がてら県内の店へ。

ただしその中古車店は、過走行車やＢ級車専門だった。

ローダウンされたセルシオやマークII。バンパーは割れている。

車の状態の悪さと、時間が遅いこともあって、親父は難色を示す。

確かに、良き家族グルマ「ビスタ」から乗換える気はしない。



そして今日は土曜日。幸か不幸か、時間はたっぷりとあった。

条件としては「セダン」「ＡＴ車」「平成５年以降」「５万Ｋｍ以下」。

基本的には、いままでのトヨタビスタとほぼ同じ条件だ。



今回、カーセンサーとかで色々とクルマを見ているうちに、

初の「マイカーが欲しいな」などと、無謀なことを思うようになってきた。

事故の直後でマイカーなんて・・・と思う一方で、

「自分だけが自由に使える、相棒のような車があったら、どんなにいいだろう」

という、これまでの潜在的な欲求が強く出るようになってきた。



今回は償い総額１００万円くらいの出費を覚悟していたが、

出来れば５０万円程度に収めて、

「残ったお金で、初のマイカーを買ってしまおう」

・・と密かに目論む。



そして二人、その近所の中古車ショップまで徒歩で出発した。

そしてなんと、到着して最初に見た

ブルーバード・ルグランにほぼ即決。一発買い。

薄いゴールドで、走行距離少なめ。

しかも純正ナビつきという好条件。

価格は総額６０万程度で、もちろんＡＴ車だ。

親父の条件は全て満たして、予算もちょいオーバー程度。

やっぱりナビ付きが効いたかも。



早速頭金を支払って、家に帰って、とりあえず一息つく。

これで一段落か。

いや、そうだ、これから事故の処理を進めなきゃいけないんだった。

車はたぶん廃車だろうし、いろいろ手配が面倒くさそうだ。

せっかくの休日が、平日より忙しいなんて・・・。

うん、やっぱりこのストレスは、マイカーを買って発散しなきゃ。

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