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もちろんそうなのでしょうけど、 ヴィアンが成長した過程でたぶんはずせない友人が、ヴィアンより5歳年下の「少佐(マジョール)」ことジャック・ルスタロでしょう。ヴィアン、はたちの時 の写真(資料1)を見ると、15歳の少佐はヴィアン以上に長身のスマートなハンサム(ヴィアンは18歳で185cm以上あったそう)。少佐の片目は義眼 だったそうで、彼の悪戯は人前で自分の眼を取り出して見せて女の子を卒倒させること、そんなことばかりしてるから、バカ高い義眼を無くしてはみんなして大 騒ぎで目玉さがし。。それから、少佐は窓から出入りするのが好きだったみたいで、パーティーなどから帰るにも「じゃあ」とか言ってアパートの窓を開けてそ こから屋根に飛び移って去っていくとか。(これ読んだ時、私の近くにもそっくりな人間がいたので大笑い。窓を開ける酔っ払いには要注意です、笑)・・・こ の強烈なキャラクターの少佐は23歳で<不慮の事故で>亡くなりました、窓から落ちて。。
ヴィアンは本当に音楽が好きだっ たんだと思う。音楽それもJAZZを通じてヴィアンとアメリカの結びつきが強くなっていったんだと。「きれいな女の子との恋愛・・それとニュー・オルリン ズかデューク・エリントンの音楽だ。その他のものはみんな消えちまえばいい」(『うたかたの日々』より)という有名な言葉も、ヴィアンの憧れを表している し、しかもこれなんか「ニュー・オルリンズ」でヴィアンのお誕生日に書いたとされている。(彼はアメリカへは行った事もないのに・・)
アルノーの本の中に「バラエ ティ」という章があって、ヴィアンがラジオで放送した、バラエティ・コメディのシナリオが出ているんだけど、とにかく面白い、ハチャメチャ。。まずはクー デターだ!放送局を乗っ取ってヴィアンが、フランス国営放送会長に就任し、国民へのメッセージを告げる。つづいて『日々の泡』『北京の秋』にも登場する医 者マンジュマンシュ教授による、二十日鼠のアゾールに協力をあおいだ猫の胃袋内での消化の講義(!)でも、恐るべき結果に・・(書けない)・・これなんか 『日々の泡』の結末で涙した人たちをどうしてくれるのよ、と言いたくなるようなブラックコメディ。*vianは発明王・・? ヴィアンは国立中央工芸学校卒業 後、フランス工業規格化協会に国家公務員としての職を得たエンジニア。もともと発明好きとあって私生活でもいろんな発明をした。チェス盤をいくつか重ねた 3次元のゲームや(これなんか今のゲームソフトにありそう)、自宅の狭い部屋を有効利用するための、書斎スペースおよび書棚の脚つきベッド、なんてちゃん とした実用家具も作った反面、こんな発明も・・。<重力式幹線道路>・・パリとマルセイユのそれぞれに40km(!)の支柱を立てて、他方の地面に向かっ て傾斜した道路を敷く。あとは誰もが想像つく通り、重力で勝手に走る道路の出来上がり。計算では、まず地面から空中へ車をもちあげる労力と、エンジンで走 り続けるのとではちゃんと安上がりになるそうで、一方通行だから正面衝突はないし、あとは追突だけ気をつければ、、、ですって。(途中で降りるにはどうし たらいいの・・??)以上資料1参考。*vianとジャン・ソル・パルトル ヴィアンの小説作品にはいつでも ジャン・ポール・サルトルの存在が飛蚊症の影のように眼中にあったことは間違いないと思う。ストレートにパロった例なら『うたかたの日々』(『日々の 泡』)に登場し、若者の熱狂を集めている人物ジャン・ソル・パルトル。この作品が原作の、今年公開された利 重剛監督の映画『クロエ』の中で、とても巧い描き方だなあ、と思ったのが、パルトルの代わりに登場する<キタノ>という男。<キタノ>の言う事な ら何でもカッコ良く、<キタノ>の描いた物ならほんのらくがきのようなものまで集めたがる若者。 |
『北京の秋』についての作品考を載せました。
小説をまだお読みでない方へ・・・内容の細かい点に触れていますので、あ
らかじめご了承下さい。
*** 作品考は
こちらからどうぞ>> ***
参考資料
*1 『ボリス・ヴィアン-その平行的人生』ノエル・
アルノー著 浜本正文訳、書肆山田、1992年 |
その他 Boris Vian関連の出版物 1.す
べての子供たちに ボリス・ヴィアン詩集 / ボリス・ヴィアン/詩 ミッシェル・グランジェ/絵 永滝達治/訳
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Boris Vian関連の映画の情報です *Internet Movie Database Inc.(英文です)>> |
Boris Vian関連のCDの情報です *Amazon.co.jp で手に入るもの 「Boris Vian」 [FROM US] [IMPORT] *amazon.fr.com(フランス語で すが、試聴ができます) Boris Vian chante Vian -Best of >> L'album Collection Boris Vian Et Ses Interpretes Les annEes jazz |