2007年 8月の映画・演劇 評論

2007年

 ラッシュアワー3

あらすじ:中国マフィアの存在を突き止めた香港の領事官がロサンゼルスで狙撃され、香港警察のリー捜査官(ジャッキー・チェン)とロサンゼルス警察のカーター刑事(クリス・タッカー)はコンビを組み、捜査のためにフランスのパリに向かう。しかし、カンカン踊りやショーで賑わう華の街パリには、中国マフィアから送られたナイフ使いの上手い暗殺者ジャスミン(工藤夕貴)や、リーと同じ孤児院で育ち今はマフィアの仲間になっているケンジ(真田広之)との壮絶な闘いがまっていた。エッフェル塔におびき寄せられたリーとカーターの運命やいかに。。。

もうアクションの種が尽きた、ジャッキー?
 舞台をアメリカや香港から今度はパリに移しての3作目だ。
しかし、内容に乏しい仕上がりだ。

 なんで、フランスのパリに、中国マフィアがからみ、それに日本人も絡むのか、想定が世界的な営業を考えただけのものと、ミエミエだ。

 出だしのカーターの交通整理の場面から、余りにも悪ふざけと思っていたら、フランスの入国手続き場での汚い身体検査の話も続き、何でここでこの話を挿入するのかとウンザリだった。
ふざけすぎは、アメリカ人になりたいフランスのタクシー運転手だ。カー・アクションで少しは違った趣を考えた積りかも知れないが、いただけない。
下水道から逃げる話も、画面から臭いがしてきそうで、スマートな題材ではなかった。

 もうかなり前から指摘しているが、ジャッキーのお得意とする、生活小物を使ったアクションにも限界がきている。
そこで、エッフェル塔での闘いをもってきたけど、撮影がよくない。
実際に、エッフェル塔で一部は撮影したようだが、折角の高さの迫力が観客に伝わってこない。
狭い鉄骨の上での緊迫感を捉えていなかった。残念である。

 ジャッキー・チェンもアクションから次のテーマに変らなければ、人は呼べない。
お馴染みエンディン・グロールのNGシーンも面白くなくなっている。

ジャッキーが少しばかり変化に挑んだ:「The MYTH/神話」

勝手なおまけ。私もパリに行っています「駆け足で回ったヨーロッパ −フランス編ー」

 

 リトル・チルドレン

あらすじ:アメリカはボストン郊外に引っ越してきた主婦サラ・ピアース(ケイト・ウィンスレット)は、3歳の娘と共に近所のオバサン達と公園で時間を過ごしていたが、平凡で退屈な生活に飽きていた。そんな公園に、司法試験を目指す格好のいい主夫ブラッド・アダムソン(パトリック・ウィルソン)が息子とやってくる。夫との性生活にも物足りなさを感じていたサラは急速にブラッドに魅かれて、いつしか二人は、共に家庭をかえりみない関係に落ちる。小児愛好の犯罪歴を持つロニーの存在も巻き込み、満たされない大人たちの行方は。。。

満ち足りた生活を求めることが、間違いだろう!
 「タイタニック」で有名になった、ケイト・ウィンスレットが、正に大胆にも裸を見せて、また素顔の感じで演じている。
監督は「イン・ザ・ベッドルーム」のトッド・フィールドです。
パトリック・ウィルソンは、ケビン・コスナーにそっくりです。

 映画のチラシでは「大人になれない大人たち」とあるので、中途半端な内容とは見る前から想像していたが、そのとおりの不満足な作品だ。

 経済的には恵まれているが、性的に不満足な主婦。
妻に頭の上がらない目標の定まらない主夫。この設定は定石であり、 普通に全世界の多くの人々が抱いているものでもある。
普通の人は、恵まれていてもいなくても、現状に我慢できないから、人類としての進化と発展がある。
そして、次に何をしたらいいのか分からなくて、彷徨している。

 それを、単に描写しただけの内容では、しばしの性的不満を良い男と過ごして解消しただけで終わっている。
観客が望んでいるのは、次のステップに踏み出すきっかけと、今まであった生活との比較であるのに、最後は、スケート・ボードで寄り道をして、何も変化がなかったでは、訴えるものが無い。
大体、紆余曲折を経て家庭を捨てる決意をしたのに、この期に及んでスケート・ボードで遊ぶか? 心理の揺れが不可解だ。

 拙いのは、セックスの取り上げ方だ。
男の性をこんな風に映像化されては、余りにも汚い。観ていて、かなり引いてしまった。

 小児愛好のロニーと母親の関係の方が印象に残る映画だった。

ケイト・ウィンスレットが好演の:「ホリディ」

トッド・フィールド監督の:「イン・ザ・ベッドルーム」

 

 怪談

あらすじ:時は江戸時代。二人の娘を持つ羽生村(今の茨城県常総市)の金貸し宋悦が、催促にいった先の侍、深見新左エ門に無残にも切り殺され累ケ淵(かさねがふち)に捨てられる。帰らぬ父を待つ二人の幼子。深見は気がふれて妻も殺しお家取り潰しとなり、息子の新吉は、奉公人の子供として育てられる。それから25年、江戸は深川。三味線の師匠 豊志賀(黒木瞳)と煙草売りの新吉(尾上菊之助)は、いつの間にか深い仲となり、一緒に暮らしていたが、ふとしたいさかいで、新吉はバチで豊志賀の左目の上を傷つけ、それが元で、豊志賀は亡くなる。しかし、枕元には、新吉宛の「女房をもてば、取り殺す」との書置きがあった。豊志賀の深い情は、新吉の新しい愛人 お久(井上真央)や婿養子に入った先で生まれた子供にも及ぶ。。。

暑い夏には、怪談だけど、全然涼しくならない!
 監督は「リング」の中田秀夫。原作は、お馴染み、三遊亭円朝の「真景累ケ淵」だ。

 家にいても、連日暑い日々が続くので、せめて気分だけでも涼しくなるかと思い「怪談」へ足を運ぶ。

しかし、愛くるしい丸顔の黒木瞳の怨念では、怖さがでていない。
観ている方の背筋に、手のひらをたらした「うらめしーい」感覚が、ゾクッとこないのだ。

 眼の上が腫れて、顔が崩れていくのも、どこか、監督が黒木に遠慮したようで、元の顔が殆ど残ったままで、凄惨でないのは残念。
美しいがゆえに、破壊されたときの汚さも追求できる。
演技らしい演技のできないことはわかっている、ただ美男子の菊之助に取り付き、怖さを引き出して見せるのは黒木瞳の役目と思うが、年増の女の情や狂おしさを演技できていない。

 また、何も知らない赤ん坊の不気味さも、これでは無表情な目つきだけで、見ていても退屈。
豊志賀の怨念を、もっと乗り移してもよかったのではないか。

累ケ淵も池としてはきれいすぎないか。
多くの死人の怨念が渦巻く、おどろおどろした、魔の池のセットにして欲しかった。

この映画でも、井上真央はしっかりとした演技をしている。今までも注目していたが、これから、現代劇だけでなく、様々な分野で活躍が期待できる。

良い男でなくてよかったと思うのは、私だけ!?

 

 トランスフォーマー

あらすじ:カタールの砂漠に駐留していたアメリカ軍が不明なものに襲われ全滅し、国防省のコンピューターもハッキングされる。国防省長官(ジョン・ヴォイト)は秘密裏に調査に乗り出す。一方、サム(シャイア・ラブー)青年は父親から初めての自動車を買ってもらったが、それは年代物の中古車で、ガールフレンドにしたいと思っていたミカエラ(ミーガン・フォックス)にも嫌がられる古くて変な車だった。そんな時、宇宙から隕石が落ちてくる。それは超合金でできた、自動車やヘリコプター、戦闘機などに自由に変身(トランスフォーム)する地球外生命体だった。彼らの狙いはサムの曽祖父が南極で発見した謎の物体だった。人類の未来はどうなる。。。

女:<変身>はわかるけど、筋はどこへいったの?
男:公開まで、中身がはっきりしなかったけど、内容がないから公表できなかったんだね。
女:元々のチラシにある火星探査機の話も少しだけしかでてこないし、南極探検もイメージでは、どうも北極みたいで、どうなっているの?
男:作っているうちに、話が大幅に変わったってことかな?
女:CGをつくる時間がかかリ過ぎて、編集が違う方向になったと思わない?
男:そうだね、公開時間が迫っていたために、盛り上がりのあるシーンを無理につなぎ合わせた結果になったのかも。
女:製作がスティーブン・スピルバーグってことだけど、この話の不自然さは、監督のマイケル・ベイの方が良くないってこと?
男:脚本の段階ではもっと検討されていたと、思いたいね。

女:映画の発想は、日本の変身ロボットにアイデアがあるのよ。
男:だけど、余りにも何でもありの、しかもいつの間にか、はちゃめちゃに壊すためだけの変身は残念な選択だね。
  携帯電話や、戦闘機なんかに変身するのは、大きさやその物体の硬さや柔軟性も考えた合理的な部分があると、共感できたと思うよ。
女:そうね、弱点は分かっているのに、それはいつの間にか適当にごまかし、アクション中心にするのは、アメリカ漫画や映画によくある大まかな描き方ね。
男:日本漫画の繊細な部分も、変身に取り入れてくれると、チラシがいうような「誰も見た事のない映像革命」になったかもね。
  自動車から攻撃ロボットへの変身でも、変身のスピードが速くて、どのパーツがどこになったのかわからない。

  
勝手に鳴り出す車の音楽が口説き文句のシーンや、サムの自宅での両親とのやり取りは面白かったけど、音の調査の結末や、最後のキューブをどうしてビルの屋上で渡すのか、必然性の無いシーンも多いね。

女:結局、話が、たびたび<変身〜ン>しちゃったら面白くなくなったってことね。
男:...

 


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