2006年 4月の映画・演劇 評論

2006年


  寝ずの番

あらすじ:上方落語家、笑満亭橋鶴(長門裕之)が臨終に際して、最後に見たいものは「そ○」だった。その望み?を達してあの世に逝った。通夜の席で「寝ずの番」をする息子(岸部一徳)や弟子達(中井貴一ら)によって故人とのハワイでのマリファナ・パーティなどの思い出話が語られる。そして次は一番弟子(笹野高史)の通夜の席。またおかみさん(富司純子)の死。通夜には何故か「艶っぽい話し」が良く似合う。。。

下ネタ満載の関西系大人用娯楽映画!  
 俳優の津川雅彦が祖父:マキノ省三、叔父:マキノ雅弘監督の姓「マキノ」を名乗り「マキノ雅彦」としての初監督作品だ。
冒頭の「そ○」から始まり、お茶子など関西の人なら分かる下ネタと落語の話が中心です。

 で出しの勘違いは適当な「落ち」もあり楽しめる。
しかし、余りにも「下ネタ」が連発されては、ちょとばかり退いてしまう。
 死人に「カンカン」を踊らせるのは、「らくだのウマ」からきている話しであり、落語ファンの私としては以前から知っているので、どう踊らせるか興味があった。
まあ、そこそこの洒落もありついていける出来だ。
 富司純子の幽霊が芸者でてくるシーンも、いい構成だ。
本当に、若くて、きれいな頃の富司(藤の名字の時代)純子が偲ばれる。(失礼、今でもおきれいです。)
 でも、最後の「春歌」の替え歌合戦は、長くシーンを引張過ぎた。
こんなに連続してやらないで、すこし纏めて欲しかった。

 確かに、マキノ雅彦監督が狙うように、テレビではまねのできない映画になっているが、それは、「下ネタ」が多くて、テレビでは子供も多くて見せられないというだけのことで「映画人」と「テレビ人」との違いは感じられない。
 画面の構成としては、適当にスローモーションを取り入れているし、お寺で落語口演をするなどまあまあの出来だ。
問題は主役の中井貴一が喜劇からかなり離れた存在であることだろう。
まだまだ人を心の底から笑わせる演技になっていない。 残念ながら。

 本当に、人を泣かせるのは簡単だけど、笑わせるのは難しい!
 また、テーマ音楽が「Don't Worry, Be Happy!」 と洋楽なのは、この物語としてはあわない。邦楽から選んで欲しかった。

  連理の枝(韓国映画)

あらすじ:IT関係の若き社長ミンス(チョ・ハンソン)は今まで適当に女性と付き合っていたが、病院で知り合った難病に罹っているヘウォン(チェ・ジゥ)のひた向きに生きようとする姿に本当の「愛」を感じ始める。長くは生きられないことを知っているヘウォンはミンスの感情を素直には受け入れない。しかし、互いに向かい合わなければならない「生と死」が二人に冷酷に押し寄せてくる。。。

チェ・ジゥには、薄幸と涙がよく似合う?  
 「連理の枝」とは、中国の白楽天の詩からきているとの事。
2本の木の枝が絡み合ってまるで1本の木のようになるところから強い「愛」の例えとなる。

 今までにアメリカ映画の「ある愛の詩(ラブ・ストーリー)」や日本でも「愛と死を見つめて」などにみられるように、あちらこちらで、何度も取り上げられている、相手の「病死」を持って完結をする純愛の形はよくある設定だ。
それに、少しばかり、話しをプラスしていて、その部分は「観終わっても、他の人に話さないでくれ」とホームページにあるが、特に隠すほどの出来でもない。

  若い頃は、同世代としての愛情の共感もあり、恋人が亡くなることに対して涙も流れることがあったが、永遠に続く愛情が少ないものであることが分かってきた、このひねくれた年代になると「愛」だけでなく「生きる喜び」として他にどんなことがあるのか、の方も大切になる。
 そう、それはあるときは「食欲を満たしている時」であり、あるときは「狙ったものを手に入れるまでの過程」である。
また「好きなことをやっている時」でもある。この映画は、他に何か目新しいものを提供してくれるのだろうか?

 そんなことを考えながら、この映画を観ていたら、ドライブや動物園、土砂降りの雨の中で好きな女性の家の周りに立っているなんて、余りにもオーソドックスな作りで、これはもう、チェ・ジゥの美しさだけが支えの内容であった。
 互いに相手が死ぬことを知っていることを前提にしている「愛」なら、もっともっと、優しさといたわりで残された時間を過ごし、「生きている間の喜び」を描いて欲しかった。

 でも、チェ・ジゥはTBSテレビでやっていた「輪舞曲ーロンド」よりは、やっぱり大型画面での方が「きれいで良いなぁ」って感想。また余談ですが、チェ・ジゥの女友達:ソ・ヨンヒは、若い頃の天地真理に良く似ています。

  プロデューサーズ

あらすじ:落ち目の演劇プロデューサー:マックス(ネイサン・レイン)の事務所の帳簿を調べに小心者の会計士レオ(マシュー・ブロデリック)がきて、演劇はうけない方が儲かることを発見する。そこで、二人は出資者から金を集め、ショウを「一晩でこけさせ」金をもって逃げる計画を立てる。ヒットラーを題材にしたうけないことが確実な最低の脚本とゲイ趣味の最低の演出家を使い、制作費はマックスが今まで付き合ってきた金持ちの老婦人達からかき集めた。役者も当然最低の配役である。しかし、運の悪いことに(?)ショウはうけてしまう。計画の狂ったマックスはどうなる。。。

この程度のミュージカルでは、笑えない!  
 話しの中心がアメリカ英語での外国人が使う変な、なまりの言葉や、かけ言葉になっているために、ピンとこない。
 また、作戦が失敗するという、平凡な、この程度のストーリー展開と、踊り、音楽では面白くもない。
 アメリカだけに通じる喜劇の世界で、映画にまでして、世界に配給するまでもない作品だ。

 ブロードウェイの初日の言葉で「グッド・ラック」の代わりに「足を折れ(Break a leg)」という挨拶のくだりにしても、多分そんなことになるだろうと予想され、またその通りであっては、面白くないだろう。
 これは、舞台という狭い世界で、役者のセリフのタイミングと、その場にいる観客の笑いの反応とで効果が出てくるミュージカルである。
映画という画面からの一方通行の場にもってきても受けない。
 映画にするなら、また一工夫が欲しかった。
ヒットラーの好きな脚本家がかっている「鳩」と、事務所の秘書にしたユマ・サーマンにだけ笑いを感じたがメインは残念ながら面白くない。

エンド・タイトルで何かあるようだけど、そこまで時間をかけて見ないで、もうそこそこに席をたって帰って来ました。

  The MYTH/神話

あらすじ:香港の考古学者ジャック(ジャッキー・チェン)は最近、自分が中国古代のモンイー将軍になって朝鮮から秦に嫁いできたコシュウ姫(キム・ヒソン)を守る夢を良くみる。コシュウ姫には朝鮮に許婚(チェ・ミンス)がいたが、朝鮮を秦の友好国とするために始皇帝に捧げられたのだ。取り戻そうとする朝鮮側から姫を守る内にモンイー将軍と姫には愛が芽生える。しかし、姫は帝の妃。姫の表情にはいつも悲しさがあふれる。帝の死期が近い。帝が死ねば、妃も殉死しなければならない。2000年前の何かの約束が、夢の原因か。不老不死の薬はあるのか。。。

女:かなり前に観たような中国の武闘劇を思い出せる映画ね!
男:どうゆう意味だい?
女:古代の中国の史劇で良く出てきた、英雄の剣劇を中心に壮大な物語にしたってことよ。
男:そうか。京劇などの剣や槍の使い方が基本にあるんだな。
  それに、不老不死と無重力の世界を取り込んだわけか。
女:また、ジャッキーの映画には珍しく、セクシーなインド女性も登場させて幅を持たせたってところね。
男:話しの展開としては、インドの争いは余り意味がないのかなぁ?
女:いいえ、ヨガで人間が浮遊する話しを聞いた事があるでしょう。
   そのためには、インドは反重力の布石として必要なのよ。
男:でも、剣劇や柔術、またジャッキーのお得意とする、小物使いは、もう飽きていない?
女:そうね。最後の宮殿での戦いが、柔術では締めくくりとして、かなり物足りなかったわね。
  もっと派手に宮殿を壊して欲しかったわ。
  また、悪役の印象が弱かったわね。
男:アクション物では、強力な個性のある悪役がいないと、良い方が引き立たないからね。
  でも、俺は、妃のキム・ヒソンの悲しそうな役だけでかなり満足しているけど。。。
女:貴方は、美人女性の役に関しては、本当に甘いのね!
  大体、悲しいだけの表情だとか、だまったままの役は役作りとしては簡単なのよ。
  怒りや歓びも含めて、色々な顔での表情が出来なければだめよ。
男:でも、エンド・タイトルでのキム・ヒソンのワイヤー・アクションでの何回ものNGシーンを観ていると、細い体で必死にやっていて、ヨクヤルナーって感動したけど。
女:感動するところが違うでしょ!
  映画の本編の方で感動してよ。
男:それは、ちょとばかり、話しが飛びすぎで納得できないとこがあるけど。
  それは、それとして、美人は美人で空を飛んでいる「天女」のような感じもあるわけで。。。
女:まったく、早く、映画の世界だから美人がいるって現実に気が付いてよ!
男:でも、たまには現実から逃れたくて。。。
女:何か言った?


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