2005年 12月号 映画・演劇 評論

2005年

キング・コング

あらすじ:大恐慌に襲われたアメリカ。売れないコメディ女優アン(ナオミ・ワッツ)は好きな脚本家ジャック(エイドリアン・ブロディ)が台本を書くと言うので嫌々ながら映画プロデューサーのカール(ジャック・ブラック)の起死回生を計る冒険映画に出ることにするが、たどり着いた海図にもない「髑髏島」は古代の原住民や恐竜が住む孤島だった。原住民に捕らえられ、人間を襲う巨大なゴリラ、キング・コングへの生け贄として捧げられたアンの美貌が野獣コングに「愛」を芽生えさせる。しかし、カールは金儲けを企みキング・コンゴを生け捕りにして、ニューヨークに連れて来る。野獣の思いはどうなるのか。。。

監督の今までの気持ちを集めると3時間になりました!
 「ロード・オブ・ザ・リング」で当てたピーター・ジャクソン監督が自分に映画制作の道を選ばせた1933年製作の特撮の名作「キング・コング」をリメイクした。
 リメイクだから、どこかで観たようなシーンがあちらこちらで出てくるのは、当然かも知れないが、恐竜は「ジェラシック・パーク」で使われているし、蜘蛛やつり橋は「インディア・ジョーンズ」を思い出せる。また海上の孤島は「ウォーター・ワールド」か。
でも、これらの作品が「キング・コング」の特撮とアイデアから生まれてきている以上、みんなゴッチャ煮になるのは、止むを得ないことかも。

 特撮の技術が進み、またコンピューターの利用により怪獣:キング・コングの表情は豊かになり、動きも滑らかである。アンと戯れる氷上のコングのうれしそうな顔は確かに、ピーター監督が一番苦労し、昔の技術では難しかった、彼がこの映画で言いたい「野獣の恋心」を素直に表している。
 でも、ナオミの目線はまだまだ特撮にあっていない。人間の視線は、見る方向と共に焦点も絞りこんでいるが、それが時々うつろになっている。
エンパイア・ステート・ビルに登り、コングの愛がアンに理解されるまでのもって行き方は、まあまあである。

 この映画の主役は、当然「キング・コング」でアカデミー賞を取ったエイドリアン・ブロディもジャック・ブラックも全然目だっていない。
もったいない配役だった。
 それに、ナオミがジャングルで転び回るときも、雪のニューヨークや高層ビルのエンパイヤ・ステートでも薄着なので、ケガやこの寒い東京の季節を思い風邪をひかないかと、余分な心配をしてしまった。

ご参考までにナオミ・ワッツの;ザ・リング2

ご参考までにエイドリアン・ブロディの;戦場のピアニスト

しかし、3時間は長い! 途中でお腹がすいた。
この映画を観た後、1933年製作のオリジナル「キング・コング」を観ました。 1時間40分ほどで、面白い。
このリメイク版は殆ど原作に近いことが分かった。
私の希望としては、キング・コングを孤島からニューヨークへどうやって運ぶのか、この部分が無いので不満だったが、原作でも無かった。残念!

SAYURI

あらすじ:寒村で生まれた千代(大後寿々花:のちのチャン・ツィイー)は姉と共に花街に売られ、芸者置屋のお母さん(桃井かおり)やお姐さん芸者(コン・リー)の厳しい仕打ちや稽古に堪えかねていた。しかし、街で会長(渡辺謙)から不思議な輝きをする瞳を誉められたことから、一流の芸者になりまた会長と会える日が来ることを希望に修行に励む。「さゆり」の芸妓名で披露し会長とも親しくなるが、会長の友人:ノブさん(役所広司)にも好意を持たれる。終戦の混乱の中で「さゆり」の恋心はどこへ行くのか。。。

中国的な日本の違和感がいつの間にか無くなっていた!
 冒頭の花街の雰囲気や着物の着方など、またアメリカから見た日本は中国と同じかと失望しながら観た。
しかし、話が進むうちに、国や場所の設定は仮のものであることが分かる。
典型的な日本を示す、お寺や鳥居は少女の毅然としたそして切ない恋心を示す背景で在るだけだ。

  ふとしたことから少女に生きる希望を与えてくれた男性の存在。
その思い出を実現するために、けな気にまた一途に高まって行く娘の気持ち。
 正に、「無垢」な気持ちと表情を大後寿々花が演じ、チャン・ツィイーが見事に引き継いだ。
物語の進行にドンドン引き込まれ、チャン・ツィイーの可憐な表情に、つい気が入り込んでしまい、いつの間にか涙さえも誘われる。
 優れた演技と脚本の前には、たどたどしい英語もたまに混じる日本語も許されてしまう。
「グリーン・ディスティニー」でもチャン・ツィイーと一緒だったミシェル・ヨーも落ち着いた姐さん芸者役をこなしているが、桃井かおりの存在で随分と引き締まった。
 気持ちの共感には、国境はない! アジアは1つって感じを持った映画だ。

可憐なチャン・ツィイーが、もっと可憐だった「初恋の来た道」をまた見直しました。

Mr. & Mrs. Smith

あらすじ:南米のホテルで偶然に知り合った設計士のスミス(ブラッド・ピット)とシステム・エンジニアのスミス(アンジェリーナ・ジョリー)は結婚して6年目。かなりの倦怠期に入っていた。うわべはまともな仕事をし、世間ではいい夫婦に映る二人だったが、本当は対立する別々の組織に属する殺し屋だった。ある日、同じターゲットの殺人を別々に指示され、互いの正体を知る。今までは夫婦だったが、今度は相手を殺すことなった。壮絶な殺し合いが始まる。生き残るのは、さあどっち。。。

ラブ・アクション・コメディと割り切ればそれなりに楽しめる?
 話の筋が粗い!
殺しのシーンや、カーチェイスなど、確かに観ていても製作にお金をかけているのは分かる。
だけど、それがどうしたのって感想しかない。

 互いに「優れた殺し屋」なら、5,6年も一緒に暮らしていて、お互いの素性に気が付かないってのは、大いにクエスチョン・マーク(?)が付く設定で、ここから粗い話がスタートしている。
まあ、家庭生活なんてこんなずぼらなもんだよというなら、かなり適当な脚本だ。
 ブラッドとアンジェリーナの息抜きの映画として作っているなら、付き合わされた観客はえらい損だ。

年末のたわいの無い気晴らし気分程度で観れば文句もでないか。

でも、アンジェリーナの唇は色っぽい。

灯台守の恋(フランス映画)

あらすじ:1960年代、フランスでも西の端に位置し、独自の文化を持つブルターニュのある島。代々、島の人たちはチームを組んで暗礁にある灯台に住み込み灯台を守っていた。欠員ができ、外から、アルジェリア戦争の帰還兵:アントワーヌ(グレゴリ・デランジェール)がやってきた。よそ者には冷たい村人だったが、チームを組んだイヴォン(フィリップ・トレトン)は悪天候でも必死に働くアントワーヌと過酷で孤立した灯台で共に明かりを守り暮らすうちに、彼を受け入れるようになっていた。しかし、アントワーヌはイヴォンの妻:マベ(サンドリーヌ・ボネール)と許されない恋に落ちる。祭の花火の夜についに二人は。。。

女:優しい目線で愛を描いたわね!
男:工場で交わす二人の眼と眼。誕生日のパーティや祭での視線のこと?。
女:二人とも人妻であることの意味は知っているけど、どうしても互いに魅かれあう気持ちが、口には出せず、視線を交わすだけで言葉を語るのよ。
男:言葉に出すと他の人に聞かれてばれてしまう恋心を、多くの人がいる中でも、確かめあうには、眼で話しあったってことか。
  女が心配をして見つめ、男が返す熱い眼差し。
  そうだね。言葉以上に二人の目線が活かされていたね。
女:恋に落ちる気持ちも、素直な感覚なのよね。
  確かに、閉鎖的な島にいい男がくれば、女達も好奇心を持って接するのは当然でしょう。
  でも、アントワーヌがさりげなく自転車を直してくれるこの優しさに人妻の垣根を越えてしまった愛があるのね。
男:そんな、ささいな事で愛を感じるの?
女:そうよ。細やかな動作が気持ちに沁み込んでうれしいのよ。
男:でも、これでは仲間として受け入れようとした夫:イヴォンが裏切られて寂しいものになっているけど。
女:長い結婚生活では、つかの間の刺激として互いに良かったと思うわ。
  結局、夫婦関係は壊れなかったのよ。
男:おい、おい。いままでは、男の浮気は許さないと言っていたのに、妻の浮気はいいの?
女:そうね。この程度でごちゃごちゃ言う男は、大物には成れないわね。
男:何か、全然話が繋がっていないけど。
女:いいのよ、女性はそういうものなのよ。
  まだ、まだ貴方は、女心が分かってないのね。
男:これでは、単なるわがままで、永遠にわからないと思うけど。。。
女:なんか言った?
男:イヤッ、何も。。。。


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