2005年 4月号 映画・演劇 評論

2005年


Shall we Dance?  (シャル・ウィ・ダンス?)

あらすじ:遺言を専門に扱う弁護士ジョン(リチャード・ギア)は近頃変化のない事務所と家庭に飽きていた。そんな時通勤の電車からふと見上げた「ダンス教室」の窓から憂いを帯びて外を見ている女性(ジェニファー・ロペス)が気になる。意を決してそのダンス教室に入り、ダンスを習うとまた今までの日常生活とは違った張り合いが出てくる。コンテストでの入賞を目指す者、女性にもてたいと思う若者。タンゴ、ワルツ、ラテンとダンスの種目も多くて楽しい。でも家庭からは離れて行く。。。

日本発の原作も悪くない!
 周防正行監督が1996年に作った「Shall we ダンス?」がハリウッドでリメイクされました。
しかも、なんといっても、あの有名なリチャード・ギアの主演です。

他人が見れば、よく出来た妻とそこそこの仕事で幸せに満ちていると思われる生活でも、本人にしてみればそれが不満で、ダンス教室の若き先生とできれば何とかなりたいと思う設定は日本と同じですが、徹底的な違いがあります。
それは、そうダンスの先生役です。
 日本では、草刈民代がやっていた、ほっそりとして可憐な先生が、アメリカ版では、ヒップの位置が目立つジェニファー・ロペスです。
日米の監督の好みとはいえ、女性に対する「美しさ」の認識の違いが、この配役の差となったと観ると大変に興味深い。
アメリカはやっぱりマリリン・モンローの国です。
 日本では竹中直人がカツラをかぶっていた異色の役も、アメリカ版でもしっかりと要点を得て仕上げられています。
家庭から離れそうになったジョンが、タキシードを着て職場の妻にバラの花を贈るシーンは「よくヤルヨー」って声が、館内から聞こえそうでしたが、女性客には涙を誘う受けた場面です。
 結局、浮気にもならず、みんな幸せのエンデングもたまには良いかなってところでした。

ついでながら私も会社に入って5,6年たった頃、社交ダンス(古いっ!)を習っていました。先生の掛け声「スロー、スロー、クイック」。そして「テネシー・ワルツ」の曲などがフラッシュ・バックしてきます。

ハイドアンドシーク 暗闇のかくれんぼ

あらすじ:エミリー(ダコタ・ファニング)の母親は、よく「かくれんぼ」をして遊んでくれた。しかし、浴槽で手首を切って自殺する。それ以来心を閉ざした娘と共に 心理学者のデビッド(ロバート・デ・ニーロ)は郊外の家に引っ越す。相変わらず暗いエミリーの友達はチャーリーだけだった。でも誰もチャーリーを見ていない。ペットが殺されたり、変な絵が描かれたりする。チャーリーの仕業か? それとも他の誰かか。。。

こんな役をダコタちゃんにさせてはいけない!
 「I am Sam」で可愛い子役として評判を得たダコタちゃんが殆ど中心になっている映画です。
でも、余りにも、内容が気持ち悪い。
まだ、世の中の色々なことを知らない子供をこんな出来の悪い映画に出させては、児童虐待と同じだ。
幼い精神に良くない影響を与えると確信する。1人では風呂に入れないだろう。

  話としては、子供には想像力があるという、大人たちの先入観を上手く使っているとは思うが出来が荒い。
後から渡される「鍵」や隣人の亡くなった子供、地下室など、バラバラで伏線として弱い。
「結末は教えるな」とバンフレットでは言うけど、映画その物が一流のミステリーとして仕上がっていないのでは、人に勧められない。
 

ご参考までにダコタちゃんの;I am Sam

また、トリニティーさんの感想も:ゲストブック 4月23日 にあります

海を飛ぶ夢  (スペイン映画)

あらすじ:若い頃には、船乗りとして世界中を旅していたラモン(ハビエル・バルデム)は25歳の時、岩場から引き潮の海に飛び込み、首を折り、首から下が不随のまま26年間ベッドの生活をしていた。優しい兄や兄嫁、そして父の愛情に包まれて過ごしてきたが、もう生きる価値を見出せない毎日だった。しかし、不随の身では自ら死も実行できない。尊厳死を支援する団体や弁護士に死を依頼するが、世間は尊厳死に反対だ。何もできないラモンが選べる道は。。。

すごい! 死をもって生きることの重大さを教えてくれる!
 生物を育んだ母なる海。その海で不幸にも事故にあった青年。
他人の愛にすがって生きてきたが、それにも疲れる。
だけど、周りの人々はだれもラモンの死を望まない。いや、逆に死に向かうラモンから生きる勇気を得ているのだ。
あらゆる苦労から解放される死。耐え切れない程の辛いことや悲しいことがあったとき、死が甘く誘惑する。
でも、誘惑に負けていられない。

 ラモン役のハビエル・バルデムの表情が穏やかで、また、淡々としていて感動する。
顔と声だけでここまで、魅了する俳優を私は知らない。
また監督:アレハンドロ・アメナーバル(「アザース」の監督)も見事に仕上げてくれた。
迷惑をかけていて、生きている価値がないと思っているのは自分だけで、確かに彼を愛してる家族や周りの人々にとって、彼が居なくなった時の心の隙間は埋められない。
 そんな、動かないラモンの周りで、抑えた演技をする、兄嫁役のマベル・リベラや女性弁護士役のベレン・ルエダなど映画は総合的な芸術であることを、悟らしてくれた。
 「死」の対極にある「生」の大切さを、華やかさは無いけど、心に訴えるものは豊富な最高の映画だった。

  先日の「サイドウエイ」といい、また今回の「海を飛ぶ夢」と、近頃、いい映画を観ている。

サイドウエイ

あらすじ:中学校の教師をしながら小説家を目指す中年男、マイルス(ポール・ジアマッティ)は、学生時代からの友人で売れない俳優のジャック(トーマス・ヘイデン・チャーチ)が結婚するのを機に、男二人で1週間のカリフォルニアのワイン工場めぐりの旅にでる。丁度マイルスが書き上げた本が出版されるかどうか重大な時であったが、友人思いのマイルスは母親から無断で旅費を借りての旅だ。ワインが好きなマイルスと女性が好きなジャックの仲は不思議なバランス関係だった。現地で知り合った女性との愛は二人の人生の「寄り道(サイドウエイ)」で終わるのか。。。

ダメな中年男の想いがひしひしと伝わる!
 夢を追う事だけで良かった青年時代から、自分の才能が分かりかけてくる30代。
でも、まだ何かができる筈と自分に言い聞かせてまだ夢を追う。
好きな女性がいても、上手く付きあえない苛立たしさ。分かれた妻に未練を残す踏ん切りの悪さ。
本当に、人生の半ばに達した男の気持ちを、見事に表している。
 私を含めて、多くの男性が体験した感情が素直にでています。
仕事もバリバリやって、成果を残したい。また恋愛にも燃えてみたい。
社会に出て10年以上たてば、ワインに例えるなら、充分に醸成された甘さと、どこかにチラット渋みも持った品格になっている。
だけど、それが全てではない。ワインなら飲まれてしまえば、終わりだけど、人生はまだ続く。
更なる熟成のために、また別の「寄り道」が必要だ。

 良い映画でした。
この映画を観たあと、高級レストランで当然ワインを飲んでいました。(でも、ウンチクを語れるほど私は酒に強くない。残念!)

アビエイター

あらすじ:1930年代のアメリカ。父親から莫大な遺産を受け継いだハワード・ヒューズ(レオナルド・ディカプリオ)は開発されたばかりの飛行機を主題にした映画を撮っていた。自らも操縦桿を握り多くの経費と時間をかけた映画「地獄の天使」はヒットし、人気女優キャサリン・ヘップバーン(ケイト・ブランシェット)との恋もうまく行っていた。大型飛行機の開発に賭ける情熱と映画制作で彼の生活は充実していた。しかし、大手航空会社との競争と「潔癖症」は彼の精神を徐々に孤独な世界追い込む。そして他人の前に出なくなるハワードはどうなるか。。。

女:裸のレオ様の熱演は伝わってくるわね!
男:時間とお金を随分とかけた作品だね。
女:今までは、どうしても「タイタニック」の甘いマスクのイメージのレオナルドから抜けられなくていたけど、この作品では演技でも勝負できるところを見せたんじゃない。
男:ウン、かなり重厚な演技にも挑戦しているのは分かるけど。
女:けど、何よ。
男:ケイト・ブランシェットなんか共演者がいる絡みのシーンは問題もなく流れていくけど、1人で閉じこもった、試写室の裸での独演はかなり不満だね。
女:どうして? 私は、本当に体当たりでやっていて良いと思うわよ。
男:衣装を着ていれば、外見でカバーできることもあるけど、裸という肉体だけでは、身体の前の部分はどうしても写す事ができないでしょう。
  そこで、 お尻でも演技が必要となるから、カメラのアングルも細かな注意が必要で、そこまで、レオナルドは演技できないってことだね。

女:ポルノ映画じゃないのよ。それは、むりでしょう。
男:そうだね。裸で演技することを要求した脚本がいけないんだな。
女:でも、そのあたりが、アカデミー賞の主演男優賞の有力候補と言われていても取れなかった理由かもね。
男:アカデミー賞が取れなかったのは、対人恐怖症で閉じこもっていながら、急に議会の調査会で熱弁をふるえる不自然さも影響していると思うね。
女:あの、政治不信の主張は、監督がどうしても入れたかったのでしょ。
男:俺もハワードみたいに有り余る金があれば、映画を作ってみたいね。
女:貴方にそんな創作は無理よ。
  ホームページの更新でも苦労しているのに。
男:それをいっちゃおしまいでしょ。。

ご参考までにレオナルドが出ていた;ギャング・オブ・ニューヨーク

ご参考までにケイト・ブランシェットが出ていた;ヘヴン

ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月

あらすじ:恋愛や仕事で苦労してきた、ブリジット(レニー・ゼルウィガー)にもどうやら春が訪れてきた。やりての弁護士マーク(コリン・ファース)とのアツアツの恋愛は彼女を幸せ太りにさせる。でも時々マークが他の女性に向ける微笑はブリジットを不安にさせる。ダメ男の元の恋人ダニエル(ヒュー・グラント)は魅力的にまた復縁を迫る。友人たちに相談しても所詮は他人事だ。そんな時、取材に行ったタイで麻薬所持で捕まる。どうなるブリジット!

可愛い女優も太ると普通のおばさんになる?!
 前作は同世代の女性たちから共感を得て評判が良かった「ブリジット・ジョーンズの日記」で、あれから4年がたちました。
ダイエットや嫉妬に悩むOLとしての感情は、今回も上手く描かれています。
また、勝負パンツもでてきます。こだわりのブラジャーの話も面白い。
 真面目だけどはっきりと結婚を言ってくれない弁護士よりも、だらしないが行動力のあるダニエルにまた戻りそうになる女心も納得させられる。
男はどこか、危険な香がある方が魅力的だ。でも、最終的には、誠実な男が夫としては無難です。
ストレートに愛情を表現できない不器用さはあるが、優しく扱ってくれる男が安心です。
 前作でも、太って可愛いかったレニーですが、今回はまた充分に太っています。
でも、4年という時の流れは彼女の体型をかなり変えたようです。
横にだけでなく、下にも広がった気がします。(特にヒップが)
まあ、そんなところには注目しないで、気楽に楽しみましょう。

ご参考までにレニー・ゼルウィガーがいい役だった;コールドマウンテン


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