2005年 3月号 映画・演劇 評論

2005年


レ・ミゼラブル(帝国劇場)

あらすじ:1800年代前半のフランス。1切れのパンを盗んだ罪で20年近くも牢獄に入れられていたジャン・パルジャン(山口祐一郎)は仮出獄が認められる。しかし、宿を貸してくれた教会の銀のコップを盗みまた捕まるが、牧師はあげたのだとかばってくれる。改心したジャンは、身元を偽り金を儲け市長となるが、罪のない他人がジャン・パルジャンとして逮捕されるのを黙って見ていられず、正体を明かす。しかし、ジャンには貧しい娘コゼット(剣持たまき)の親代わりをしなければならない約束があった。ジャンを執拗に追う警視ジャベール(今拓哉)。時代は市民革命に入る。コゼットの恋人はどうなるのか。。。

感動とは、まさしくこの作品のためにあるのか!
 ビクトル・ユーゴ原作「ああ、無情」のミュージカル化です。
もの悲しい旋律が涙をさそう。
 無駄のないストーリーの展開と舞台構成。それは、まるで山に降った雨の滴が、柔らかに山肌を下り、小川となり、大きな河となって、静かに海に注ぐような流れだ。
 大きな結末に向かい、見事に完結する。
力強い動きと、可憐な恋歌。
今回は山口祐一郎のジャン・バルジャン、今拓哉のジャベールの他にコゼットの母親でマルシア、飲み屋の女将に森公美子などの配役でみたが、山口祐一郎は前回の舞台よりも大きくなった気がするほど、いい。
感情の移入、盛り上げ方は実に素晴らしい。
 マルシアの歌のほうは、演歌歌手のイメージがあり心配したが杞憂だった。
良い歌い方だ。
 森公美子は、その大きな身体で名実共に、存在感を表している。
警視役の今拓哉も頑張っている。
 基本として、訳詞(岩谷時子)が場面とうまく調和しているのが感動に繋がる。
上演回数も1,900回を超え、5月には、2,000回になる。評判のいい作品が見事に期待を裏切らない。
補助椅子が出るほどの、超満員の観客と感動を分かち合えて、気分がかなり高揚した。

ご参考までに2003年の;レ・ミゼラブル

あずみ2 Death or Love 

あらすじ:戦国時代も終わりとなり、徳川と豊臣の争いになってきた。しかし、刺客あずみ(上戸彩)にはまだ真田昌幸(平幹二朗)を討つ使命が与えられていた。激しい攻防でただ1人残った仲間・ながら・と更に過酷な殺人の旅にでる。途中で出会った初恋の・なち・にそっくりな銀角と一緒の時だけが安らぎだった。しかし、真田の陣営には強敵(高島礼子)がまっている。またまた非情な定めがあずみを襲う。。。

大人が単純に汚く描かれ過ぎ!
 前作では、恋人を殺すことから始まり、非情な刺客としての使命を背い、相手を斬って斬って切りまくった上戸彩ちゃんが、今度も斬りまくる。
しかし、今回は色気を中途半端にもってきた。
彩ちゃんの青い愛情が中心なら、それはそれなりに生きたかもしれないが、相手が高島礼子の色っぽさでは、到底彩ちゃんのまだ幼い表情と容姿では勝てない。残念!
 平幹二朗や神山繁といった名優とまだ若い俳優たちと比べるのは、酷な話だけど、この配役ではどうしても、若い人たちの演技が一本調子である粗さが目立つ。
 殺しのシーンも雑でまたグロテスクで感心しない。
監督も前作(北村龍平)から金子修介に代わったのも失敗だったか。ストーリー展開が上手くない。
 大人の命令に従い、刺客として生きて来た事に戸惑いがあり、人殺しに集中していないため、殺陣が面白くない。
真剣に殺すのが、あずみの役目で、そこに美もあったはず。大人に利用され、権力に使われる道具であることは強調されなくても当然であった。

 やっぱり、パート2はパート1を超えられなかった!

ついでながら、TBSアナウンサーの安住が出ているのは、アズミの洒落かな?

ご参考までに上戸彩なら;あずみ

ロング・エンゲージメント

あらすじ:第1次世界大戦下のフランス。小児麻痺で足が少し不自由なマチルド(オドレイ・トトゥ)は幼馴染の恋人マネク(ギャスパー・ウリエク)がドイツ軍とフランス軍との中間戦闘地域で戦死したとの報を受ける。しかし、誰もマネクの死体を確認していない。愛の直感でマチルドは彼が生きていると信じる。マネクを探すマチルドの旅が始まるが、軍隊には謎が多い。本当にマネクは戦死したのか。。。

女:登場人物の描き方がすっきりしていないわね!
男:戦場で鍵となる5人の戦士にからまる人たちの区別がはっきりしていないんだね。
女:軍人は同じ服装で似ている人が多くて、戦争中は髭をはやしても、戦後のシーンでは剃ったりで誰が誰だかの区別がつかないわ。
男:途中から謎の女性が出てきて、殺人をする関係がまた話を混乱させているね。
女:話が複雑であることは、作る方でも最初から分かっていたようね。戦争の回顧シーンはフル・カラーでマチルドの出てくる場面では、セピアにして区別していたでしょう。
男:そうだね。それでも、分かり難かったってことか。
女:古いパリや灯台の写し方なんかは、綺麗に描いて良い感じよ。
男:風の強いフランスのブルターニュ地方と人のいい田舎の生活感も、叔父さん叔母さんとの生活と郵便配達人で上手くだしていたね。
女:そう、撮影はよかったわ。でもねっ。
男:じゃ、俳優、オドレイ・トトゥの評価はどう?
女:「アメリ」では、与えられた役を、監督の言う通りに演じていたけど、今度はかなり自分でも演じる事を意識しているんじゃないの。
男:俺は、設定の年齢が20歳にはチョットばかり無理があったんだけど。せめて25歳程度にしてくれると彼女を見ていて納得がいくなぁ。
女:純愛を強調するには、どうしても20歳が必要なのよ。
男:イニシャルの「M、M、M」をあちらこちらに刻むのは、面白かったね。
女:でも、私なら、単純に指輪の裏に刻んでプレゼントしてくれた方がいいわ。
男:結局、そこに落ち着くんだね。
女:なんか言った?
男:イヤッ、何も。。。。

余談ながら、ジョディー・フォスターも出ていました。

ご参考までにオドレイ・トトゥなら;「アメリ」 とパットしなかった「スパニシュ・アパートメント」

ローレライ

あらすじ:第2次世界大戦もドイツが降伏し、日本も広島に原爆が投下され敗色が濃くなっていた。そんな時ドイツから贈られた新型潜水艦の艦長に軍上層部の特攻作戦に反対する絹見(役所広司)が任命された。潜水艦の乗員も複雑な構成であった。そして、この艦には敵を探す謎のシステム「ローレライ」が搭載されていた。長崎にも原爆が落ちる。原爆の3番目の目標は東京だ。「ローレライ」を使って米軍の攻略を阻止できるのか?。。。

面白そうな話が多いけど、結果はバラバラだ!
 ナチス・ドイツの超能力者の活用と現代の立体(3D)技術を合体させるアイデアや日米の秘密の和平工作など、もっと一つひとつを追求していくと面白い話が、あちらこちらにあるのに、まったく活かされていない。
 最大の不満点は、「ローレライ・システム」を製作側が理解していない事だ。
超能力とレーダー装置の関係や、どうして別の小型艇でなければ使えないのか、技術面での説明が全然されていない。
突然現れる東洋系の女の子だけでこのシステムを全て分かってとは、観ている人は戸惑う。
普通の知識では、ナチスのユダヤ人迫害に黒髪の日本人系は入っていないだろうと思う。
そして、秘密の存在であったはずの女の子も場面が変ると完全に他の乗務員も知っているって変だろう。
  また、艦長の家族関係や、乗員の過去も説明が不足している。
軍医や軍属技師の性格付けも表現が弱い。これでは単に潜水艦に乗っているだけだ。ここまでに至った部分を強調しなければ盛り上がらない。
軍隊の上層部を悪者に描くのも、よくあるパターンでる。
多数のために犠牲になる野球の好きな特攻隊員や潜水艦の危機を自己犠牲で救う腹心。
全然緊迫もない。「またかよ」と感動が薄れる。

 祖国を思って、家族を愛してと思う気持ちが伝わってこなかった。残念!


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