2004年 4月号

コールドマウンテン

あらすじ:南北戦争の頃のアメリカ。南軍のインマン(ジュード・ロウ)は故郷の町:コールドマウンテンに住む牧師の娘エイダ(ニコール・キッドマン)の写真と手紙を心の拠り所として戦っていた。負傷しエイダと古里への想いが強くなったインマンは、死罪になるのを覚悟で脱走する。一方、コールドマウンテンでは父を失ない田舎の生活に適応できないエイダを流れ者のルビー(レニー・ゼルウイガー)が助けていた。度重なる危機を乗り越えコールドマウンテンにたどり着いたインマンとエイダを待っていたのは。。。

女:様々なエピソードが入ってかなり大型の映画ね!
男:南北戦争と恋愛を扱った映画といえば「風と共に去りぬ」を当然思い浮かべるね。
女:でも「風と共に去りぬ」とはスケールが違って比べられないわ。
男:そうだね、「風と共に・・・」は入り乱れる愛とセットの壮大さ、そしてビビアン・リーの変化する表情が巧みだったからね。
  「コールドマウンテン」は、ひたすら待つ愛と 脱走兵として故郷へ逃げる話だから、比較するには無理があるね。
女:互いに言葉を交わす機会が少なくても、「愛に落ちる」感情は理解できるわ。でもたった一度のキスで二人が命の危険を侵してまで愛すなら、もっと純愛にして欲しかったのよ。
男:それは、脱走の途中での、人妻などの誘惑を指しているの?
女:そうよ。アメリカ人の恋愛表現がすぐ肉体での直接的になるのが、残念だわ。
  近頃の韓国や台湾映画が日本でも評判になるには、愛の表現が直接的でなくて、奥ゆかしさが持つ美しさに触れているからじゃないの。
男:うん、確かに実際に見るよりも、隠された部分の持つ妖しさ、ベールに包まれた物を想像する楽しみはあるね。
女:特に愛の表現には、雰囲気で充分に伝えられる技法があっていいと思うのよ。
男:そうだね。ニコール・キッドマンには、美しさがあるのだから、それだけで俺は満足だったよ。
女:役としては、レニー・ゼルウイガーがいいところを持っていったって感じね。
男:やっとレニーも、「シカゴ」を踏み台にして、今までの演技から脱し、次への飛躍が期待できそうだね。
女:ジュード・ロウもいい男でうっとりよ。
  髭をそるシーンは、私が本当に髭剃りをしたくなったわ。
男:俺も、ニコールが髭をそってくれるなら、お任せするけど。
女:懲りない人ね! いつまでも、夢を見ていなさい!
  

ご参考までにニコール・キッドマンの;ドッグヴィル

ご参考までにレニー・ゼルウイガーの;シカゴ

ご参考までにジュード・ロウの;ロード・トゥ・パーデション

ワゾンの匂う女 (芸術座)

あらすじ:クリスマス・イヴ。都心の洒落たレストランで4ヶ月前に溺死した小泉芳江(五十嵐みぐみ)の夫の追悼パーティが貸切で開かれていた。集まったのは、18年前の学生時代に、同じ場所でイベントを開催していたサークルの仲間たち。そこに予約をしたと言う陽気で派手な桂木蘭子(十朱幸代)が飛び込みでくる。音楽CDを渡すはめになりまた蘭子と会う津野田雄介(榎木孝明)。しかし、次にやって来たのは、清楚で気品のある蘭子の双子の姉:庸子(十朱幸代 二役)。庸子に惹かれていく雄介。だが、蘭子も庸子もどこかおかしい。18年前の事故が鍵のようだ。。。

良く出来た舞台構成で無駄が無い! 引き込まれる!
人間には、自分に無いものを欲しがる気持ちがあり、変身願望もある。
そういう意味から 清楚で気品のある女と派手であばずれ的な女性と言う、正反対の双子を一人で演じるのはそんなに難しいことではないが、それにしても、十朱幸代が気持ちよく、伸び伸びと演じている。
 舞台でのサスペンスは、その場所による制約から、映画と違って各種の説明をセリフに頼りすぎる嫌いがあるが、この演出:鈴木ひがし:はちゃんと舞台上でも場面として処理ができた。
 特に、キーとなる冒頭の事故死を途中で再現しているのは、観客の立場を心得たやり方で、親切でいい。
登場人物が余りいないが、各人物の立ち位置も芸術座の広さ(狭さ?)に合わせていて全体が観やすい。
話を切り回しする「藤真利子」も上手い。
 二重人格を研究した無駄のないセリフのかみ合わせも、充分にこなれている。
久し振りに 程よい緊張感で、舞台に魅入った。最後の拍手も手が痛くなるまで叩いた。

少し難点を言わせていただければ;多重人格を知っている私には、医者役の解説のシーンは不要だった。 

ご参考までに多重人格を描いた;アイデンティティー 

女王フアナ(スペイン映画)

あらすじ:15世紀のスペイン王家はイサベル女王のもとで大艦隊を率いヨーロッパでも大きな力を持つようになっていた。16歳の王女フアナ(ピラール・ロペス・デ・アジャラ)は政略結婚でハプルブルグ家のフェリペ(ダニエル・リオッティ)に嫁ぐ。ハンサムなフェリペの魅力の虜になったフアナは狂信的にフェリペに尽くすが、返ってフェリペの心は離れて行く。嫉妬に悩むフアナは本当に気が狂ったのか? イサベル女王が亡くなり王位継承の争いも起きる。愛に乱れるフアナの行動もおかしくなる。。。

一途な愛は、男にとっては重荷か?
実在したスペインの女王フアナの伝説を元に作ったとのこと。
歴史では「狂人」と判断され統治能力が無いので人生の殆どを「幽閉」されていたようだ。
この映画では、夫フェリペに対する「愛」が行き過ぎて「狂った」と解釈している。一部では、正常だったが、政治上の理由から「きちがい」にされて幽閉されたとの説もあるらしい。
 そのあたりの事前の知識があるとフアナの行動も、理解し易いかも知れない。
初めて出会った男が余りにもいい男であったために、初心(うぶ)な娘がすっかり騙されてつくす。
しかし、男は最初から政略結婚と割り切って接しているので、他にも女を作り適当に遊ぶ。が、フアナはそれが我慢出来ない。
 この男女の気持ちの行き違いが上手く描かれている。「どうして私のこの気持ちを分かってくれないの?」と迫られても、朝も昼も監視された生活では、男は息が詰まる。
 多くの男と女の間で発生する感情の行き違いは納得できる話であろう。でもここまで夫を独占し行動を束縛されると、我侭な男にとって「愛」が邪魔になる。
 そう、「愛」って不確かな、壊れやすいものなのです。

 ついでに:「荒野の1ドル銀貨」などに出ていた、ジュリアーノ・ジェンマが持ち場も無く出てます。

ディボース・ショウ

あらすじ:ロサンゼルスの離婚専門弁護士として名高いマッシー(ジョージ・クルーニー)は、妻:マリリン(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)に浮気の現場を取り押さえられ、財産分与で不利な訴訟になっていた不動産王の裁判を見事に逆転して勝った。だが、離婚太りを企む女とは分かっていても、マリリンの魅力のとりこになるマッシー。美しいマリリンの魔の誘惑がマッシーに及ぶ。。。

本当の愛はどこにあるんだ!
「白い歯が命」でいいスーツを着て格好よくきめているジョージ・クルーニーと色っぽく綺麗なキャサリン・ゼタ=ジョーンズが織り成す洒落たコメディといった映画。
 で出しのアニメ・タイトルの「愛のキューピット」から始まり、私にとっては懐かしいサイモンとガーファンクルの歌「ボクサー」「4月になれば彼女は」や「明日に架ける橋」などが効果的に使われていて楽しい。
 最初から離婚(ディボース)での財産分与が目的で、金持ちと結婚をする女性と、その下心が分かっていても、美貌と若さには抵抗できない男心に対する風刺が効いている。
 また、「本当の愛」を確認するために「婚前契約(プリナップ)」という結婚をする前に、離婚した時の財産権についての契約が存在するとは、アメリカ社会らしい。
 でも、これでは、一体「愛」はどこにあるのか? 騙し、騙されで、みんな打算ばかりの「愛」。献身的・尽くす・自己犠牲などの「純愛」はもう、韓国映画でしか存在しないのでしょうか?
ちょっと残念です。
  話としての残念さは、石油王が最初から偽物?と分かった時から、中だるみでした。

ご参考までに,キャサリン・ゼタ=ジョーンズの別な演技の;シカゴ

恋愛適齢期

あらすじ:音楽界で活躍する63歳・独身の富豪ハリー(ジャック・ニコルソン)はいつも20才代の若い女性と軽い恋愛関係を持っていた。新しい恋人マリンに誘われ彼女の母親エリカ(ダイアン・キートン)の別荘を訪れたら不在のはずの母親も叔母と共に来ていた。気まずい雰囲気で過ごす中ハリーが心臓発作に襲われエリカが看病することになる。離婚して20年以上、恋愛感情を忘れていたエリカの気持ちがハリーと若い医者(キアヌ・リーブス)によって揺れ動きだす。

恋は若者だけがするものではない!
歳をとっても、いつまでも燃えるような恋愛をしたいと多くの人は思っているしまた、実行している。
それは、当然、感情と肉体上の両方を伴ったものでもある。
現在の経済上や倫理観からいえば、まだハリーのように男性の方が高齢でも若い娘を対象にして、行動しやすいけど、女性にしてみても恋愛したい気持ちは同じだと思う。
忘れていた恋心。いや離婚という面倒臭さを経験したために、意識的に恋愛感情から逃れ、作家活動に専念してきたエリカの気持ちが、歳をとっても意欲的なハリーと出会い、さらに若くてハンサムなキアヌ・リーブスに慕われて、また恋をする楽しさを得る。
恋愛が持つ、 意識の高揚感と充実をダイアン・キートンが気持ちよく表し、演じている。
確かに、若さが持つ体の締まりと元気さは無いけど、恋愛は、顔にシワがあっても、たれたお尻でも、張りの無い胸でも出来ると確信を持って綺麗に映像化してある。

 今まで永いこと生きて来た自分に自信を持ちましょう!



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