2004年 3月号 映画・演劇 評論

卒業の朝

あらすじ:アメリカの名門男子寄宿高校、聖ベネディクト校で古代ギリシャ・ローマ史を教えているウイリアム・ハンダート(ケビン・クライン)は生徒達に過去の歴史から道徳や美徳を学ばせ社会に貢献できる人間として育てることを信念としていた。しかし、上院議員の息子セジウィック・ベルが転校してきて、学校の権威や彼の教え方に反抗することで、彼の教育感が揺らぎ始めた。恒例の歴史クイズ「ジュリアス・シーザー・コンテスト」でカンニングをするセジウイック。そして25年が過ぎ、大金持ちとなったセジウイックは反省もなく、また同窓会で同じようにカンニングをする。彼の教育方法は間違えていたのか?

女:久し振りにゆったりとした気分で観られたわ!
男:それは、どういう意味? 良かったと言うこと?
女:そう、朝から夜遅くまで、学校に全てを捧げている教師の淡々とした学園での物語だけど、しっかりとした作品になっていたわ。
男:寄宿舎を持っている学校だから、本当に24時間・365日、生徒たちと付き合いがあるんだね。
女:そんな学校の先生は生徒達からみると父親代わりで、あるときは尊敬の的だけど成長期にある段階では、反抗の対象でもあるわけでしょう。
男:でも、この映画では、先生は父親とはなっていない気がするけど?
女:セジウィックが見せる、からかいや勉強に目覚めてウイリアムの関心を引こうとするのは、実の父親に対して出来ない子供の愛情の裏返しよ。
男:うん、そういわれれば、そうだね。
女:子供は先生の教育によって育てられるけど、先生も教えることでまた、次の段階に教育方法を成長させる事も必要だといいたいのよね。
男:そうだね。先生は余り他の人の意見を取り入れない傾向が強いからね。
 強い信念といえば聞こえがいいけど、頑固すぎて柔軟な対応が出来ない人が多いね。
女:それに対する批判も、ちゃんと入れていたでしょう。ウイリアムが寄付金を集めたり、卒業生に対するフォローが出来なくて、校長になれないのは、それよ。
男:でも、ちょっとばかりいい先生に描きすぎじゃあないか?
女:私は、親身になって生徒の面倒をみてくれる先生はすきだわ。
男:そうか。俺は学校の成績と実社会での評判や成功は違うとはっきりとさせた点が気に入っているんだけど。
女:でも、ウソをついたり、汚い手を使うと必ずどこかでばれるという警告もしていたわ。
男:そう、セジウィックの息子が父親のカンニングの話をトイレで聞いていたね。このシーンは印象に残るね。
女:口先だけ上手い人間には騙されないように、本当に気をつけることだっだわ。
男:ドッ、どうして、俺の方をそんなにみるの。。。。
 

ペイチェック −消された記憶−

あらすじ:時代は、今から余り遠くない未来。天才科学者ジェニングス(ベン・アフレック)はコンピューター技術を盗用する才能などで大会社から裏で莫大な収入をえていた。しかし秘密を守るため、研究中の記憶は消される契約であった。研究に携わった期間に出会った恋人や出来事は全部忘れている。大学時代の友人に依頼され3年もかかった未来予知マシンが完成した時、記憶を消された彼の手元には、タバコ・サングラス・バスの切符など19個のガラクタがあった。ガラクタは次々と襲う危機から彼を助ける物だった。

計算の通りに進みすぎか!    ミスが無くてチョット退屈。
手馴れた監督:ジョン・ウー:により、物語は軽いテンポで進む。
一つ一つのガラクタが鍵になり、ジェニングスは度重なる危機を乗り越えて行く。
 まるで以前はやったテレビゲームの感覚である。難関にぶつかるとガラクタの中から1つを選んで、それが正解なら次のステップに進めるという発想だ。
しかし、正解が前から分かっているような行動で、観ている人には「少しは考えさせてよ!」と突っ込みを入れたくなる。
そう、ガラクタに使用順序が書いてあるかのようで、折角の謎を解く苦しみと喜びがない。
 原作では、こんなにキー・アイテムが無かったのを、映画では時間を延ばすために増やしたようだ。もっと、少ないアイテムに絞って、使い方を見つける苦労と解決した時のうれしさ。また、ジェニングスが何故に記憶を売ってまで、金に執着するのか。そして、彼の恋人の存在。大学時代の友人との人間関係等の方も描いてくれると話にメリハリもついた。
 バイクと車の追いかけっこも、どうしてバイクの特徴である、小道を走らずに大きな車が走れる道を逃げるのか? また綺麗に積まれたコンテナでの競争は予想通りの結末になる。
  映画とはこういうものだと言う、計算がされすぎているようで、意外性がなく残念だった。

 でもBMWのキーが自動車でなかったのは、私の思い込みの裏をかかれて印象に残った。
また、ジョン・ウーの好きな鳩も出てきます。

マスター・アンド・コマンダー

あらすじ:ヨーロッパ制覇を企むナポレオンの厳しい攻撃で、イギリス海軍は多くの犠牲者をだし、名門の幼い少年達も指揮官として軍艦に乗っていた。ジャック艦長(ラッセル・クロウ)のサプライズ号にも12歳の士官候補生ブレイクニー(マックス・パーキンス)らが送られフランスの最新艦アケロン号を拿捕(だほ)する命令が下された。しかし、対戦するアケロン号はサプライズ号よりも性能のいい大砲を多く備え、スピードも早くサプライズ号は窮地に陥いる。が、なんとか深い霧の中に逃げて助かる。荒れ狂う海、風も飲み水ない大海とアケロン号との戦いは続く。

何かが足りない! でもラッセル・クロウの独演だけは充分過ぎるほど足りている!
☆足りないもの;その1...女性が足りない。
   女性が登場するのは、食料調達で立ち寄る島で、チラットだけです。
 男ばかりで実に、味気なく色気もない。それなら、男同士の友情の話が中心になる。確かに、古い付き合いの軍医との友情は固く、彼のためならガラパゴス島にも寄るが、珍獣が多くいることを、既に知っている私には、退屈な付け足しだった。
☆足りないもの;その2...戦争の緊迫感が足りない。
  音楽の好きな艦長と軍医がバイオリンなどの楽器を毎晩弾いていては、緊張感が無くなる。
 多分、クラシック音楽で艦長が教養のあることを示したかったのだろうが、これでは、兵隊達の志気が落ちると心配してあげたくなる。
☆足りないもの;その3...他のコマンダー(指揮官)の気持ちが充分に描かれていない。
   自信を無くす指揮官の話はチョロット出てくるが、余りにも偉大なマスター(ラッセル・クロウ)が全部取り仕切っていて、出番が無い。これなら、題名を「マスターの自慢」とした方が正解かな?

★在り過ぎるもの;その1...船の補強材木。
   戦いで大きなダメージを受けても、ちゃんと補強されている。周りに島が無くてもできるとは、たいしたものだ。
★在り過ぎるもの;その2...指揮官達の食事と酒。
   どんなに、厳しい状況でも、ちゃんとした料理と酒は欠かさない。見上げたものだ。
 これでないと、軍隊の秩序は守れないのだ。
★在り過ぎるもの;最後...ラッセル・クロウの演技。
   もう、ゲップがでるほど充分に、見せてもらいました。

ご参考までに,ラッセル・クロウの;ビューティフル・マインド



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