2003年 7月号 映画・演劇 評論

☆踊る大捜査線ー The Movie 2 ーレインボーブリッジを封鎖せよ!

あらすじ: 以前は空き地だらけだったお台場も高層ビルや各種娯楽施設ができ、所轄の湾岸署も観光案内、迷子、交通整理と多忙な日々を送っていた。しかし、青島刑事(織田裕二)には事件らしい事件がなくて退屈だった。そんな中、ロープに縛られた殺人事件が起きる。本店(警視庁)から男女均等の宣伝を兼ねて初の女性管理官(真矢みき)が派遣され彼女を捜査本部長として捜査が始まる。手がかりがつかめない内に第2の殺人事件が起きる。お台場 の各所をモニターするシステムと犯罪者との駆け引きが始まる。

なんという、騒々しさ!   画面を多くの人が流れすぎ!
 基本の殺人事件のほかに、アット・ホームな家族のスリ、若い女性を狙う吸血鬼、署長の浮気などの話も入るが、纏まりがなくバラバラになったままで、活かされていない。
  観光客や掃除のおばさんなど、本筋に関係していない人達が、やたらに画面をウロチョロして、観ている人が肝心の話に集中できない。
もっと画面の整理をした演出が欲しい。

 特に小西真奈美に期待している私としては、彼女をガードする結末ももっとはっきりとした物にして欲しかった。
  「明確な縦割りの警察組織」に対抗する「リーダー無きリストラされた殺人集団」を描きかったようだが、政治ばかりに目を向ける警察官僚に対する批判が薄い。
また、リストラされた元サラリーマン達が殺人を犯す必要性もはっきりしない。
さらに、すみれ(深津絵里)が撃たれて、どうして急に犯人たちが行方不明になるのか?  
現場付近には、あれほどの警官や観光客が居たのにおかしすぎる。

 リーダーのある組織がいいのかバラバラの組織(私はバラバラの集団を組織とは認めないけど)が強いのか、脚本家(君塚良一)が中身を充分に咀嚼しないで、中途半端に「増殖」「ネゴシエーター」などの言葉にこころなしか「踊らされて」書いてしまったようだ。

小西真奈美が良かった; 「阿弥陀堂だより」

☆舞い降りた天使 (演劇)  芸術座

あらすじ: 都心のデパートで20年以上、働いてきた椿山係長(平田満)は過労で突然死する。死後の世界の入り口で、天国行きと地獄行きの振り分けの審査に不満を唱え、7日間だけ現世に戻ることを許される。しかし、家族にばれてはいけないので男性でありながら美人スタイリスト(萬田久子)としてよみがえる。戻ってきたこの世では、椿山が生前は知らなかった妻や子供、父親そして元恋人の秘密がまっていた。一緒にあの世から戻って来ているテキヤの親分などの話も入り・・・

知らなければ仕合せだったのに、知ってしまった不幸!
 仕事に精を出し、家を建て、懸命に家族のために働いてきた男の周りは一見平凡な、満ち足りた生活であったと思って死んだのに、戻ってきた現世は、まったく酷いもので、妻は不倫をしているし、子供は実の子でなく、その上ボケたと思っていた父親はボケの演技をして家族を騙していたと言う。

  何て凄い話だ。
まったく知らないでいれば、良かったと思うことばかりの連続。
真実が次々と暴露されて行き、笑いを誘うけど、最後にはちゃんと心が温まります。 泣ける話でした。

 美男子とは言えない平田満と生き替りの美女:萬田久子の対比を演出:西川信廣は狙ったようだが、平田は淡々としすぎて狙いの「野獣」になっていない。
しかし、父親役の藤村俊二、元恋人の加賀まりこなどの演技で人を愛することの素晴らしさ、家族を思うことの美しさが、ほのぼのと出てくる。
藤村の、のんびりとした、不思議な間の取りかた。そして、加賀のしっかりしたセリフが、いい出来にしている。
久し振りに、観た後で、ゆったりとした気分になれた。

今後の注文
*もっと、生前の人物と生き替りの人物の描写の差がはっきりとしたら、また面白くなる?

☆ターミネーター3

あらすじ: 未来の地球を支配することになっていたコンピューター組織「スカイネット」を壊した後のジョン(ニック・スタール) は、もうやることも無く薬に溺れていた。しかし、再び未来からきた最新鋭の殺人ロボットT−X(クリスタナ・ローケン)は 女性に姿を変えて、ジョンの仲間たちを殺す。まだ「スカイネット」は生きていたのだ。未来は変えられなかったのか?また、旧式のターミネーター(アーノルド・シュワルツェネッガー)も未来から戻ってきた。地球の運命は・・・

すさまじい破壊とT−Xの無表情が印象に残るだけ!
 最新鋭の殺人マシーンを女性にして、男性の観客を呼ぼうとした作戦は確かに少しは当ったかも知れないが、ストーリーの出来がよくない。

  バラバラにされても、溶かされても復活する超高性能のT−Xなのに、どうしてクレーン車を暴走させて街並や消防自動車などを壊す事が必要なのか?
パトカーなどを自由に遠隔操縦できるT−Xなら自分の持っているパワーを使うだけで、クレーン車なんか使わず充分に単独で殺人機械として出来るんじゃないの?  と最大の見せ場となっているカーチェイスが退屈。
  未来から来た無敵のマシーンに対してどうして、マシンガンなど効果のない、無駄とわかっている武器で戦おうとするのか?
また、どうして、T−Xは厳重な警戒がされているはずの軍隊の中枢のコンピューター室に入り込めたのか?
最悪なのは、ジョンの彼女が軽飛行機の操縦をして逃げるシーンだ。 
自動車の運転ならともかく、飛行機の操縦が出来ることは、前もってどこかで、はっきりと布石を打ってくれなければ、そりゃ、観てる方と しては、すごい違和感を覚える。
 など、など、切りの無い荒っぽい筋のせいで気持ちが乗らない。
もっとアイデアを捻って欲しかったなぁ。(でも、T−Xのクリスタナ・ローケンは美人でいい!!?)

おまけのコーナー
 話が「ターミネーター」と「マトリックス」は非常に似ている。
 *コンピューターが人間に代わって支配する。
 *それでも、人間は抵抗する。
 *「ターミネーター」のT−Xも「マトリックス」のエージェントも、やられてもやられても復活する。
 *車を使った戦闘シーンがある。
 *連続作品を狙っている。
 これって偶然?  それとも、アイデアの無さ?  それとも、未来への予言?

☆チャーリーズ・エンジェル  フルスロットル

あらすじ: チャーリー探偵事務所に所属する3人の女性エージェント(キャメロン・ディアス、ドリュー・バリモア、ルーシー・リュー)は、 政府の重要証人が記録されている、暗号の指輪をテロリストから守るためモンゴルにまで行って何とかアメリカに戻ってきた。しかし、テロリストは、執拗に指輪を狙って追跡してくる。今は敵となった先輩エンジェルのマディソン (デミ・ムーア)が3人の前に立ちはだかる。3人に危機が迫る・・・

女:みどころがたくさんある映画だったわね!
男:そうだね。筋はないけど、正しく「パワー全開(フルスロットル)」の サービス精神でつくったね。
女:今までの映画のパロディもふんだんに盛り込んであるので、知っている人が観れば別の意味で笑えるわね。
男:あちら、こちらの映画から取ってきているけど、「サウンド・オブ・ミュージック」「フラシュ・ダンス」「サタディナイト・ フィバー」はかなり大きく扱っているね。
   音楽では「MCハマー」や「ドナサマー」も製作者は好きだったんだね。

女:今までは過激に活躍するのは、男と決まっていたけど、特撮のおかげで、平凡な肉体をもった女性でもいくらでも、男をやっつけられるのは、見ていて気持ちが良いわ。
男:でも、ドリュー・バリモアの昔の彼氏が出てきて、恋する女の弱さも見せていたよ。
女:バイクのモトクロスのシーンは、かなり中心になっているんだけど、画面展開が速すぎて、よく、分からなかったわ。
男:ヘルメットをかぶっていたから、なおさら、誰がだれだか、分からなかったね。
  もっと、スロー・モーションを使って、様々なテクニックを見せてくれると、良かった。

女:悪者になった、デミ・ムーアには一言あるんじゃないの?
男:そうだね。いいねっ!  
  キャメロン・ディアスが着ていた白のビキニもいいけど、デミ・ムーアのナイス・バディと黒のビキニは、年齢差を感じさせないよ。
  また、「ゴースト/ニューヨークの幻」の可憐さを思い出させる!

女:どうしても、あなたの思いは、昔に戻るのね!


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