2003年 2月号 映画・演劇 評論

映画

☆ロード・オブ・ザ・リング  二つの塔

あらすじ: 世界を破滅から救うために、呪われたリングを火の山に捨てに行く小人族のフロド(イライジャ・ウッド)とサムはリングを取り返しに現れたゴラムを捕らえて、道案内をさせる。しかしバラバラになった旅の仲間たちに、悪のウルク=ハイの軍隊が襲いかかる。峡谷に逃げた人間の国  ローハンが壊滅の危機に陥る。圧倒的な悪の軍隊の前に、立ちはだかる旅の仲間たちの運命は....

女:バラバラの話がうまくつながらないわね!
男:そうだね!主役の「リング」は何処へいったのかなぁー。
女:背景の景色は、前作のようにすごーく綺麗だけど、暗闇の戦闘シーンが面白くないわね。
男:特撮は、アラを隠すために、どうしても画面を暗くして、ごまかそうとするね。
また、戦闘での動きも余りにも早くて、下手なやりかただね。
女:続編は、第1作に劣るという例ね。
それにしても「ハリー・ポッター」で出てきた「屋敷しもべ」とこの映画の道案内をする「ゴラム」は余りにも、似すぎていない?
男:いやー、その通りだね。「ハリー」と「ロード」のどちらが先に考えたのか知らないけど、容貌や描き方がそっくりだね。
「ロード」の方は「二重人格」っていうのは、チョッとばかり面白かったけどね。
女:今回は、男と女の愛情シーンも長く見せているけど、この内容では、「おまけ」で要らなかったわ。かえって話が分かりにくくなっているのよ。
男:木の精霊たちの話は特に面白くないね。
前作にあった、欲望との葛藤が今回はなくて、結局白の世界が勝つという単純な戦いが中心になったのが失敗だね。
女:「指輪」はもっと光ってこそ値打ちがあるのよ。
男:そうだね。ダイヤモンドのように怪しくね。
女:でしょー。私の指にあれば、効果があるのよ。「指輪」欲しいなー。
男:はめる人が邪悪では、効果が.....
女:何ていったの!
男:いやーっ。何も....

ご参考までに;第1作「ロード・オブ・ザ・リング」

☆戦場のピアニスト

あらすじ: 1939年。ポーランドの首都ワルシャワのラジオ局で、ユダヤ人のピアニストシュピルマン(エイドリアン・プロディ)はショパンを弾いていた。そこへ、ドイツ・ナチスが攻め入り、ポーランドは占領される。ナチスのユダヤ人迫害が益々厳しくなりユダヤ人達は、一般住宅街から強制的に狭い居留地(ゲットー)に押し込まれ、強制労働に駆出されたり、理由も無く殺される。家族を含めた多くのユダヤ人が死の列車に押し込まれる所をどうにか一人逃れたシュピルマンは、戦場と化したワルシャワの瓦礫の山の中で飢えと寒さに耐えて、必死に生き延びるが、ドイツの将校に見つかる。

監督:ロマン・ポランスキーの主張は伝わるが....
 今、ひとつ盛り上がらない。
第二次世界大戦のヒットラー、ナチス・ドイツ軍が行ったユダヤ人に対する非道さ残虐さは、60年近く経過した現在でも、非難され、もう二度と起してはならない事実である。
 ユダヤ人であるポランスキーが必死に生き延びたピアニストを題材に自分を振り返って映画を撮りたかった気持ちは、大いに理解できる。
しかし、これを作品として観ると、かなり感動からは遠くなる。それは、ドイツ軍から隠れて生活するのに、真実味が無いからだ。

 食料が少なくても何とか生き延びるのは、良しとしても、排泄物の処理などが人目を忍ぶ逃亡生活でどうなったのか、大いに疑問が涌く。
この辺りの描き方が、雑で、大掛かりなセットも、時間をかけた(2時間28分)力作も、すこしばかり物足りなさを感じさせる。
他の人たちも自分たちの命をかけてシュピルマンを匿い、逃亡生活を支えた筈なのに、観てる私には、彼らの必死さ、苦労が伝わってこない。
音楽好きのドイツ将校との出会いも、先が読める描き方で不満。ここは、もっと緊迫感が生じなければならない。
ワルシャワが開放される時に、ドイツ軍と間違われる話は、余りにもお粗末な設定である。
もう少し、丁寧に作って欲しかった!

演 劇

☆恐怖時代  (日生劇場)

あらすじ: 江戸時代のさる大名の下屋敷。お殿様の寵愛を受け女郎から大名の側室になったお銀の方(浅丘ルリ子)は、家老(西岡徳馬)や女中の梅野(夏木マリ)と共謀し懐妊中の正室を毒殺し、お家乗っ取りを図る。妖艶さを武器に御殿医から毒薬を手に入れると、用済みの御殿医を殺す。謀反を知った茶坊主の娘も殺される。酒と血を好む殿を諌める忠臣達も殺される。複雑な愛の関係は死をもって精算される。

何とオドロオドロしい歌舞伎調の世界!
 この原作は大正5年(1916年)に谷崎潤一郎が書いた戯曲だそうだ。しかし、舞台装置・音楽はまったく新しい。一度、昭和60年(1985年)に蜷川幸雄の演出・浅丘ルリ子の主演で上演された雰囲気を今回も井上尊晶演出は踏襲したとのこと。
 確かに、内容は元花魁と家老がお家を乗っ取る話を中心にした、歌舞伎的な進め方だけど、舞台は鏡(ハーフ・ミラー)に囲まれ様々な光が怪しげに反射しあうし、音楽は、ジャズ・カルテットが生でバッハを演奏すると言う奇抜さ。
さらに、お庭のシーンでは、舞台全体が白百合に覆われる豪華さで、眼を奪う。
しかし、お銀の方と家老、女中と美形の小姓の愛の相関図が絡み合い、だけど、本当の愛はまた別にあり、それが、死をもって進むため簡単には面白いとは云い難い出来だ。

 花魁言葉の浅丘の演技や家老役の西岡徳馬もしっかりした役をこなしている。ひようきんな茶坊主を演じている木場勝巳もいいが、耽美な死を中心にした内容は、少しばかり過激で一部の人にしか受けない。


★不況が感じられる汐留地区 ★
新橋と浜離宮に囲まれた汐留地区が開発されて、電通の本社ビルや劇団四季の劇場が入った「カレッタ汐留」ができたので、行って来ました。


 まだ工事中の高層ビル群、完成したビルなどが立ち並んでいます。新宿の高層ビル群やお台場のビルよりももっと狭い地区に多くの高いビルがありかなりの圧迫感です。
交通の便も新橋駅からも近く、都営地下鉄大江戸線の汐留駅も出来ました。
しかし、行ったのが平日にしても、電通以外には、人がいません。先日行った東京駅前の「丸ビル」と比べて余りにも賑わいがありません。「カレッタ」のレストランも空いていました。
まだ、全部の建物が完成してませんが、完成したオフイスビルも空き室が随分ありました。不況といわれてからも建ててしまったビル群は、更に日本経済を悪い方向に向かわせる予感がします。


巨大なビルは、大きな負債の象徴にならないことを期待するだけでした。


映 画

☆レッド・ドラゴン

あらすじ: FBI捜査官ウイル・グレアム(エドワード・ノートン)は、知的連続殺人鬼ハンニバル・レクター(アンソニー・ホプキンス)を命がけで逮捕した。しかし、身体と心に傷を負いFBIを引退し、家族との平凡な生活を大切にしていた。だが、2組の家族が皆殺しにされ、被害者の眼には鏡の破片が入れられるという猟奇的な事件が起き、またFBIの捜査に戻る。捜査に行き詰まりレクターの推理能力を借りる。レクターは犯人像のヒントを与えながら、ウイルの家族を殺そうとする。連続殺人は止められるか!?ウイルの家族の命があぶない!

女:「羊たちの沈黙」の面白さが戻ってきたわね!
男:そうだね!「羊たちの沈黙」の第2作に当る「ハンニバル」は脳みそを食べたりで、もう、気持ちが悪くなるだけの、面白くない作品だったけど、この作品は、「羊たちの沈黙」の前に書かれたようで、また知的な推理ゲームの面白さが出てきたね。
女:刑務所暮らしを、大いにエンジョイしているレクターのアンソニー・ホプキンスの演技が”さすが”に光っていたわ。
男:「9デイズ」のCIA捜査官のホプキンスはチョッとばかり、無理がある設定だったけど、刑務所の中のような限定されたところでは、個人演技の重要性があるので、彼には本領発揮の舞台だね。
女:犯罪の動機が、子供時代の劣等感と顔の傷と言う設定で、それを家族皆殺しにつなげるのはちょっと弱い気がするんだけど。
男:そうだね。その程度の心の傷は皆持っているから、それで犯罪に走るなら、みんな犯罪者になってしまうね。
盲目の恋人はどう?
女:顔の傷を見られない、見る事ができない事でレッド・ドラゴンの劣等感が薄れて好きになるのは、分かるけど、余り、盲目の人らしくない演技は残念だったわ。
また、自殺したと思わせるシーンは、すぐに嘘だと読めたわ。
男:君も鋭いね。どっかであった話だね。
女:人間を長くやってると、色々と憶えてるものよ!
男:君って一体何歳なの?
女:えっ、いいのよ。どうして、歳を聞くの!
男:いやー.....

ご参考までに;「9デイズ」

☆イナフ

あらすじ: ウエイトレスをしていたスリム(ジェニファー・ロペス)は店に来ていた建築会社を経営する客ミッチ(ビリー・キャンベル)にみそめられ幸せな結婚生活を送っていた。しかし、娘が5歳になった時、夫が浮気をしている事に気付き彼を責めると、逆に暴力を振るわれる。離婚を決意するが夫は許さない。幼い娘を連れて、アメリカを転々と逃げるが執拗に追ってくる夫。身の危険を感じたスリムは自ら身を守る他に手段の無いことを悟る。

イナフ(充分)にしては、取り巻く不充分な謎が多すぎる!
 ウエトレスのスリムに近づくミッチのやり方、新婚用の家を強引に手に入れるシーン、困ったときに助けてくれるスリムの優しい友人たちなどはうまく描かれているが、どうも不自然さが多い。
  ★会社勤めをしている夫から逃げるのに、どうして夫が帰宅している夜を選ぶの?昼間の夫がいない時に逃げれば苦労しないのに!
  ★電話をすれば、逆探知される事を知っていても、電話をかけ続けるなんて、すこしばかり、頭がわるいんじゃーないの!
  ★余りにも偶然に居場所を発見される!いくら映画にしても、イージーすぎないかい。
  ★こんなに短期間に格闘技がマスターできるなら、K−1にもすぐ出られるー。

 不自然さが目立つと映画は、全然面白くなくなる見本でした。


 


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