2002年 12月号 映画・演劇 評論

映 画

◎ギャング・オブ・ニューヨーク

あらすじ: 1800年代中頃のニューヨーク。ヨーロッパからの移民や黒人達でごったがえしている、欲望の街、ファイブ・ポインツでは、ビル(ダニエル・デル=ルイス)の率いる「ネイティブズ」とアムステルダム少年(後のレオナルド・ディカプリオ)の父親をリーダーとする「デッド・ラビッツ」の2つの勢力が抗争を続けていた。しかし、アムステルダムの父親はビルに殺され、街はビルに支配される。 それから、16年後、少年院で過ごしたアムステルダムが父親の復讐に街に戻ってきた。政治家や警察とも手を結び前よりも巨大な勢力を牛耳るビルの懐に飛び込み、復讐の機会をうかがうアムステルダム。ビルの愛人ジェニー(キャメレオン・ディアス)との関係も複雑になる.。.正体のばれたアムステルダムの復讐は成功するのか?

長いだけで、面白くない(2時間48分)!

 *チラシより:制作費 120億円、撮影日数 270日。
   確かに古いニューヨークの街並みを再現したセットや地下のシーン、大掛かりな木組みの室内、そして登場人物の多さ、さらに俳優に金をかけたのは、分かったけど、肝心の話が面白くない。
  復讐の相手である悪役ビルの存在が、途中から尊敬の対象になってしまい、また気分を取り直して殺そうと思う感情の転換がうまく描かれていないからだ。中途半端で終わっている。
ビルもアムステルダムを殺せたのに、温情で生かせてしまい、結局それが仇になる。これでは、単に時間を延ばすための話となった。
票のためなら悪とも手を握る腐敗した政治家の活動も、チョロチョロと出てきて、話を複雑にしているだけで、監督(マーティン・スコセッシ)としてはっきりと批判の眼が向けられていない。
また、南北戦争と徴兵制度も挿入されていて、多くの人が死んだということもかなりの主張の部分だと思うが、それが何なのか分からない。

 *チラシより:カンヌが大絶賛。ついにヴェールを脱いだ超大作。
   カンヌ映画祭で、20分のダイジェスト版で観客が興奮したという。そうだろう。こんなに長くする話ではないのだ。南北戦争や政治家は簡単に描いて、復讐劇と簡単にして欲しかった。
  訳のわからないただ長いだけの映画は退屈で、欠伸(あくび)がでた。

ディカプリオのファンなら耐えられる?

◎ラスト・プレゼント  (韓国映画)

あらすじ: 売れないコメンディアン・コンビを組んでいるヨンギ(イ・ジョンジェ)には、親の反対を押し切って結婚したジョンヨン(イ・ヨンエ)の暖かい支えがあった。売り出し工作をしようとして芸能詐欺師にだまされそうになるが、何とか金をとられる前に正体を見破った。不治の病に侵されているジョンヨンは病を隠して夫が笑いの有名人になるために尽くす。テレビのお笑い勝ち抜き合戦で健闘を続けるヨンギ。しかし、ジョンヨンの病気は益々ひどくなっていく.....

死がないと、愛は純真に終わらないのか!

 涙で、字幕がにじみます。  
大げさでない、しっとりとした愛情が、胸に響く。死と笑い、相対峙した状況の中で、清楚なイ・ヨンエのけなげな演技が涙を呼びます。

 死までの、残り少ない時間を夫の成功のために、正しく必死に尽くす。
夫も妻の死期が近いことを知り、妻の希望を叶えようとする。そして、妻が子供時代から自分を好きだった事を知る。よく出来た脚本です。
特に、夫婦二人して、亡くなった子供を祀る記念樹の墓を訪れる道でのシーンが上手く描かれている。

 愛にあふれている二人から、病気に侵されていく妻。時間の変化がさりげなく、しかし綺麗に取られています。
しっかりした韓国映画に、またまた感動でした。

参考までに: 死期の近いことを知っても面白くなかった「海辺の家」
     同じ韓国映画の「友へ/チング」

演 劇

◎奥様の冒険 ーわたしバカよねー (芸術座)

あらすじ: 山田桜子(松坂慶子)は度の強い眼鏡をかけ、ジャージー姿でテープ起こしをバイトにしているさえない主婦。レーサーを夢見ていたが今は宅配便の運転手の夫(草刈正雄)と苦労してやっと東京タワーの見えるマンションを買ったが夫婦生活はマンネリ気味。隣の部屋にカラオケ教室が出来、うるさいので文句を言いに行ったら、院長のカサノバ(山城新伍)に「本当の貴方はもっと美しい。カラオケでも習ったら」と言われその気になりカラオケ・バーで舞台衣装を身にまとい歌い、今までとは違った自分を発見する。カラオケをアメリカのカーネギーホールでやりたいカサノバの夢に同情する桜子。亭主の浮気も気になる。。。

松坂慶子の白い肌と見事なプロポーションに客席からは大きなため息!

  「愛の水中花」は歌わないけど、「時には娼婦のように」を歌いながら見せる松坂慶子のプロポーションのよさと、肌の白さに、多くの女性の観客からは、自分の体型と比較した(?)「フーッ」という羨ましさと女優に対する憧れの声が何度も出ていました。
コミック調のさえない主婦としては、チョッとばかりセリフが細いけど、音楽院の院長の山城新伍の上手さに助けられ、松坂も伸び伸びやっています。
  昭和40年代、50年代のヒット歌謡曲を織り交ぜ「心のこり」を中心に なかにし礼 の演出もいい。この人は作詞家から本を書き、とうとう演劇の演出までこなすようになってしまった。才能のある人は、何をやらせてもいい仕事をするのだ!

  私もカラオケ・バーに行って、会社の美人女性の「愛の水中花」の歌声に気分をよくしていたあの頃を思い出しました。(その人も、今ではもう、愛しても愛しても,アァ「他人の妻」。「さざんかの宿」は私の十八番(おはこ)の一つです。余談ですが。)

映 画

◎マイノリティ・レポート

あらすじ: いまから50年後のアメリカ。殺人事件は未来を予知する3人の特殊能力者によって発生前にジョン(トム・クルーズ)が所属する犯罪予防部に知らせられ、犯人は事前に逮捕されるシステムが出来上がり、犯罪発生率は激減していた。このシステムを作り上げた上司(マックス・フォン・シドー)も出世が噂されている。しかし、予知に、ジョンが会った事もない男を殺すとでた。訳の分からない殺人予定で自分が率いていた予防部に追われるジョンは、予知能力を持った3人の内の1人の助けをかりて、真実と闘う。

女:チョッとばかり、話が複雑ね! トム・クルーズの活躍が活きていないわ!

男:うん、そうだね。映画なのに、肝心の解決策を全部話で済ましてしまったんだね。これが分かり難くさせたね。
女:3人の予知能力者が特殊な状態で生まれてきて、その裏にある家庭環境がどうもはっきりしないのよ。
男:重要なところの伏線ができていないんだね。
女:眼球を交換するシーンでの医者も刑務所の話を持ち出すから、チャント手術をしないのかと思ったらまともにやって、期待はずれだったわ。
  それから、「12時間以内に眼を開けたら、失明する」って言ってたのに、片目も見えていたようでしょう?  
  どうも、思いつきで作った所が多いって感じね。
男:監督のスピルバーグも今回はアイデアが散漫だったようだね。練っていないね。
  取り出した眼球の扱い方も、落としたり、簡単にビニール袋に入れたりで、ひどいね。
  また、車から他の車に乗り移って逃げるシーンは、「何だこりゃ! これが近未来かよ!」とあきれたね。

女:50年後と言いながら、犯罪予知システムだけが新しくて、ショッピング・モールなんかは殆ど今のままはいただけないわね。
男:結局、上司が出世のために、皆を利用したという基本設定が、平凡だったんだなぁー。
  未来は自分のチカラで変えられることも、示していたのに。

女:そうよ、今頑張れば、未来はいつも明るいの!  さぁ、明日のために、飲みましょう!
男:キミはいつも明るいね。
女:それって、誉めてるの?


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