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「灯り」から
体を起こしたアスランは時計を見た。
12時を過ぎている。
少し疲れているものの、久しぶりの逢瀬で彼の気持ちは満ち足りたものだった。
見下ろすと気持ちよさそうに目を瞑っているカガリがいた。
起こすのは悪い気がしたのだが、彼女をホテルへ送らねばならない。
アスランはそう思って彼女の頬に手をあて耳元で囁いた。
「カガリ・・・起きて。」
「うん?」
カガリはその声から逃れるように彼に背を向けた。
シーツの間から彼女の白い肌が見えた。アスランはどきりとした。
触れたくなる気持ちを抑えて、横を向いたカガリの耳元でもう一度声をかけた、
「カガリ・・・時間だ。ホテルへ送るよ。」
カガリは身じろいで向きをアスランの方へ変えた。
シーツから豊かな胸元を覗かせた。
そこには赤い痣がいくつか目に入った。も
う一度そこに触れたいと衝動にかられながらも、アスランは彼女の体を揺らしながら続けた。
「ボディガードのザラ議長観察日記」から
○月▲日
アスラン・ザラ 21歳。現プラントの議長。
俺が護衛を担当する要人。
元ザフトの赤で、フェイスでMSのエースパイロット。
容姿端麗、冷静沈着。
コーディネータの中でもかなり優秀な部類に入る。
まあそうだろう、元議長パトリック・ザラの息子だ。
だが、その容姿はどうも母親に似たのだろうと俺は思っている。
俺は議長の母親は知らないが、たぶん、そうだろう。
15歳で成人扱いとなるプラントだが、それでも21歳での議長就任は異例中の異例だろう。
だが、先の戦争で戦いを続け、自分の世界を構築しようとしたデュランダル前議長を失脚させ、戦争を止めることを推進した主要メンバーだったのだ。
貢献度と知名度も考えると、まあ彼が今の地位にあるのも納得はいく。
だが、銃の腕は俺より上なのを知った時は少し凹んだ。
この間、射撃練習場で会ったのだが、かなりの腕だ。
彼自身が護衛としてもやっていけるのではないかと思った。
そのことを相棒に話をしたら、元ザフト兵の彼は笑っていた。
「赤だからな・・・」
そんなに赤はすごいのか。
俺はザフトにいたことがないのでわからないのだが。
けど、もう少し愛想がいいといいのに・・・と思う。
まあ、警護の俺らに対してはしょうがないと思うけど。
ああ・・・また防衛担当のおっさんはしょげて出てきているぜ。