*ブラウザの「戻る」で戻ってください
(中略)
途中でジュースを買ったキラが公園に入っていくのを確認したカガリはキョロキョロと辺りを見回した。
芝生の間の歩道をキラは進んでいた。
歩道には所々にベンチが置かれてあった。
その後ろには日差しを和らげるための木々が植えてあった。
16時近くになっても、夏に近づいている南国オーブの日差しは強い。
公園の中はあまり人がいなかった。
彼女は、芝生の中に入り木々の間をぬって歩き始めた。
このまま歩道を通っていけば、彼に見つかると思ったからだ。
そう、意外と彼はカンがいいのだ。
キラは噴水の近くのベンチの側に近づいていった。
すぐ側の大きな木がそのベンチに影を与えていた。
ベンチには先客がいるようにカガリは思った。
彼女は目を凝らした。
「女の・・・子?」
長いピンクの髪がカガリの目を捉えた。
いや、髪が長いからといって女性とは限らない。
もっと近くで見てみたいと彼女は思った。
えっと・・・。
彼女は2人が座っているベンチの斜め前の茂みを見つけた。
あそこに行けば、もう少し見えるかもしれない、とそう思った。
確認したいという気持ちが強くなった。
あと少し、というところで、ドンと足元に何かが当たった。
彼女はつまずきかけ、手をついた。
うわっ、と声を出しそうになって慌ててカガリは手で口を塞いだ。
木の向こうの2人の様子が気になって、足元にまで気が回らなかったのだ。
「痛・・・。」
声が横から聞こえてきたのに気がついたカガリは、慌てて足元を確認した。
人・・・の足。ということは・・・。
動いていく足の先に顔を向けたカガリは一瞬、動きを止めた。
寝ていたところを起こされたのか、体を起こし、不機嫌な少年の顔が彼女の目に入った。
アスランだった。
濃紺の髪に、端正な顔立ち。
そして、カガリは碧の目・・・に思わず魅入った。