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(中略)

アスランは遊歩道の坂を駆け上って行った。

休憩場所と思われる広くなった石畳の一画で倒れているカガリをアスランとキラは見つけた。

「カガリ!」

アスランは彼女に近づき、抱き上げた。

体のあちらこちらを鋭い刃物で刺された跡があった。

「息が・・・ある。よかった。」

だが、この出血では・・・。

アスランの胸に不安がよぎった。

彼女を失うなんて・・・想像すらできない。

「カガリ、しっかりしろ。カガリ。」

取り乱しているアスランを横目にキラは無線機を取り出した。

落着け、今は僕がしっかりしないと・・・。

彼は一旦深呼吸をして言葉を発した。

「キサカさん、カガリが怪我をして・・・。」

アスランがいなかったら、自分が同じように取り乱していたかもしれない。

キラはそう感じた。

「カガリ・・・どうしてこんなところに・・・。」

それから、彼は周りを見回して呟いた。

 キサカの機転のせいか、ヘリコプターが思ったより早く到着した。

が、アスランにはとても長い時間に感じてしまった。

ヘリコプターから下ろされたカガリは手術室へと運び込まれた。

アスランはその扉の前でじっと立ち尽くしていた。

手術は長時間におよんだが、成功に終った。