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(中略)

 アスランが地球に降りて1年も過ぎた頃になると、カガリと子供達との暮らしにもすっかり馴染んできた。

子供達はいつも彼に新しい発見を与えてくれた。

いつもの休みと同じようにアスランは、昼食をとった後、リビングのソファに座り、読書を楽しんでいた。

彼の足元には、子供達が小さな寝息をたてていた。

彼は時計を見た。

子供達が眠りについて、1時間半ほど経っていた。

そろそろ、か。

アスランは視線を子供達へと向けた。

ころん、と寝返りをうったニコルが、目が覚めたのか起き上がった。

彼は目をこすりながら、辺りを見回した。

そして、ソファにいるアスランを認め、目が合い、ニッと笑った。

それから、ふぁーと一つあくびをして、まだ寝ているヴィアをじっと見つめた。

すると、ころん、と彼女も寝返りをうって起き上がった。

目をこすっている彼女にニコルが笑いかけた。

「おきる?」

ヴィアの言葉にニコルがうんと頷き、いそいそと自分にかけられていたタオルケットを抱え、籠の方へと歩き始めた。

ヴィアも彼の後ろを追いかけた。

昼寝から起きた子供達は、ラグ・マットの上に絵本を広げ、仲良く覗き込んでいた。

ヴィアがページをめくる度、その内容についてなにやら二人でいろいろ話をしていた。

4歳の誕生日を先月迎えた二人は少しずつ文字も覚え始めていた。

ソファで相変わらず本を読んでいたアスランは、再び時計を見た。

もうすぐ15時だ。

そろそろカガリの来客も帰るだろう。

自分にあわせて彼女も今日は休暇を取っていたのだが、どうしても断れない用件があって、急遽、屋敷に来てもらうことにしたのだ。