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(中略)
入ってきた人間はゆっくりと、優雅に・・・ヘルメットを取り、顔をあげた。
ふわりと金髪が零れ落ちた。
えっ、と端の端末の前に座っていたアスランは思わず立ち上がった。
彼は彼女に見覚えがあった。
最初に会った時より、少し大人びた気がした。
・・・まさか。
「カガリ?」
彼は頭によぎった名前を小さく呟いた。
一方、ヘルメットを取った人物、カガリは自分を見つめる全員の目に気がつき戸惑った。
「えっ・・と。」
彼等の視線に何か言わないと不味いような気分に彼女はなった。
ヘルメットを持っていない手で頭を掻きながら口を開いた。
「もしかして・・・私が最後なのか。」
彼女が事前に聞いた試験の概要だと、確か最終試験はグループ課題のはずだ。
1、2、3・・・と心の中で唱えながら、カガリは部屋の中にいるメンバーを確認した。
自分のお目付け役・・・キサカはいないようだ。
ホッとした彼女は、あれ・・・と、部屋の端にいる赤いパイロットスーツの人物に目が留まり、首を傾げた。
見覚えがある・・・あれは確か・・・。
「お前は・・・。」
カガリは彼に声をかけようとしたが、できなかった。
「ああ、そうだな、たぶん。君が最後だ。」
そこへ別の赤いパイロットスーツが口を開いた。
カガリは彼に視線を移した。
ディアッカだった。
「そうなのか?」
「ああ、君が6人目だから、な。」
そこにいた他のメンバーに同意を求めるように彼は言った。
遅れてきた格好となったカガリは状況がわからなかった。
不機嫌そうなイザークがディアッカの方を見た。
彼はわかったよ、と小声で答えた。
が、説明するのが面倒になって、ディアッカは端末を操作した。
再び、メッセージが部屋を流れ始めた。