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(中略)
アスランはシンに頭蓋骨を渡しながら言った。
「弾が貫通しているから、何か手がかりがでるかもしれない。」
「警察からODIへ連絡が入って、うちに鑑定を依頼することがさっき決まった。」
フラガの言葉にアスランはそういう時に必ずいる人物を探すために周りを見回した。
彼の行動に思い当たるのか、フラガが続けた。
「ユラ捜査官はまもなく到着する。」
その言葉に、よくわかっているなと思ったディアッカがクスリと笑った。
アスランは頬を赤くして彼を軽く睨んだ。
「関係者を一人連れてくるそうだ。今、入り口で手続きをしている。」
フラガは、ディアッカやアスランのやりとりに気がつかず、話を続けた。
それを聞いたアスランはなるほど・・・と思った。
彼女だけならIDカードを持っているので入って来られるはずなのだ。
別に連絡をうけたのか、キラが到着した。
「ごめん、遅れた。顔の復元は必要?」
キラは遺体の状況を見てアスランに尋ねた。
すると、フラガは首を振りながら答えた。
「どうだろう。ODIではこの遺体をジェームズ・クジーニと確信している。」
名前が思い当たるのか、ディアッカが口笛を鳴らした。
キラも名前だけは聞いたことがあった。
「誰、それ。」
シンはその人物を知らなかった。
逆にディアッカが馬鹿にするような口調で言った。
「マフィアだよ。知らないのか?」
するとシンがムッっとしたのか、口を尖らして反論した。
「当たり前でしょう。俺・・・じゃなかった僕は6年前といえば、普通に高校に入学した頃ですよ。」
「おいおい、さすがに俺だって・・・まだプラントだぞ。」
シンの言葉に、ディアッカが答えた。
「でも、当時親父が話しているのを聞いたことがある。
こっちにいる叔父達・・・親父の弟達・・・が苦労しているって言っていた。」
「そして、6年前に突然行方不明になった。かなり、テレビなんかで取上げていたと思うが・・・。」
フラガが当時を思い出すように言った。
「シン、弾は見つかったのか?」
皆の論争には参加せず、骨の状態を黙々と観察していたアスランが尋ねた。
「いえ、弾は見つかっていません。」
「そうか。」
アスランはその答えを聞いたあとなにか考え込んでいた。
すると、ディアッカが彼に向かって言った。
「これは危ない仕事だと思う。危険すぎる。アスラン・・・おりないか。」
「危ないって?」
アスランは彼の言葉の意味がわからず、尋ね返した。
「だから・・・マフィアのボスだぜ。」
「だが、鑑定とそれは関係ないだろう。」
アスランはムッとした表情で、強い口調で答えた。
「でも、クジーニの死の真相が困る者がいるかもしれない。
ことと次第によっては命を狙われるかもしれないぞ。」
「さっきも言ったが、これは職務だ。」
アスランが答える前に、今度はフラガが強く言った。
「そう・・・悪いけれど、鑑定を頼まざるをえない。」
黒い革ジャンを羽織った男性を一人伴ったカガリが作業台のそばに来て言った。