しょうもない話
1.コンピュータと弾道計算
2.水産会社とカップラーメン
3.電話応対とお国柄
4.外国語と動物
私がこれまで、面白いと思った(他人とってはしょうもない)話をまとめてみたものです。
逐次更新していきます。
コンピュータの歴史の勉強すると、必ず、その最初は、アメリカ陸軍が、大砲の弾道計算の為に開発したコンピュータ、エニアック「ENIAC」と、書いてあります。
私はこの事が、当初よく理解できませんでした。
なぜなら、大砲の弾の落下地点など、その初速度、発射角度、弾の重量で決まり、その計算方法など、高校の簡単な物理程度であり、更に、もしその正確な値が必要ならば、事前に発射して計測しておけばいいと思っていたからです。
ところが、最近、軍事関連の書物により、弾道計算の難しさを知りました。
1940年当時、砲弾の弾道表の作成には、何百という砲弾の軌道を計算しなくてはならなく、新たな大砲1門の弾道表を作成するには専門の計算員で、1ヶ月かかりました。

【弾道計算に必要な要素】
なぜ、弾道計算が難しいかと言うと、以下の様な要素があるからです。

 ・爆発力−火薬の爆発力、その爆発力を左右するものとして、
        気温、温度、製造してからの経過年度がある。
 ・角 度 −発射角度
 ・砲 弾 −砲弾重量
 ・  風   −風向、風速
 ・砲 齢 −大砲の年齢みたいなもので、発射回数の事、
        発射回数が多ければ、砲芯が磨耗し、発射ガスが
        抜け、砲弾の飛距離に影響する。
        また、大砲には寿命があり、永遠に使えるものでは
        ない。
 ・地球の自転−戦艦大和等の巨砲の場合。

【戦艦大和の主砲発射手順】
代表的な例として戦艦大和の例をあげれば、大和の主砲は以
下の手順で計算され発射されました。

 1...艦橋最上部(水面より37mの高さ)に取り付けられた15m
   測距儀で敵艦までの距離を計測する。
 2.距離データは、方位盤照準装置にフィードバックされ、
   自動的に照準が定められる。
 3.射撃盤でコントロールして主砲を発射する。

大和の射撃盤は測距離5万m、射距離4万m、敵艦速力40ノット
自艦速力35ノットまで対応していた。4万mの砲戦距離となると
地球の自転も計算にいれられていた。
そのため、作戦海域は、北緯55度、南緯20度以内、つまり、
サハリン北端から、ニューカレドニアまでの海域に調整されていた。
また、大和の砲齢(寿命)は、200発でした。

                                  つづく
世界初のコンピュータ、エニアック「ENIAC」(Electronic Numerical Integrator and Computer)は、1946年(昭和21年)2月15日、ペンシルベニア大学で完成した。
真空管:17468本 リレー :1500個
抵抗:70000個 スイッチ:6000個
コンデンサー:10000個
床面積:139平方メートル(42坪)
高さ:3m 奥行き:0.9 m,
重量:約 30 t 消費電力は:174 KW

ご存知、空前絶後の巨大戦艦「大和」
  基準排水量:69100t
  全長:263m
  主砲:46Cm砲×9門