月光を3chに改造する
すっかり月光の素性の良さに惚れ込んだ私は、更なる飛行性能向上のため、3ch化を行うことにしました、しかも舵は運動性を考慮してエルロン、エレベータ仕様です。

【使用機材】

受信機:GWS FM4ch PICO GWR−4P
アンプ:GWS ICS−100 (5A)
サーボ:GWS PIKO STD (5.4g)
モータ−;あとで、GWS 50XC
バッテリー:あとでKOKAM Lipo580(7.4V580mA)

【改造方針】
・極力重量増加を押さえる。
 改造前89g 改造後93g(予想)
 横に計量器を置いて一品一品重さに気を使っての作業です。
・外見を損なわない様に、リンケージはなるべく目立たなくする。
 エルロンに苦労しました。
・重心位置を変更しない。
 軽量機におもりは積みたくありません。
・主翼の強度保持のため、胴体下の壁は残す。


【おおドジ】

なんとリンケージの調整中に、受信機のプラス、マイナスを逆につないでショートさせてしまいました。受信機は火花と煙を出して、壊れました。GWSは逆刺し防止のツメがないので、注意していたのですが。まったくのおおドジです。

改造前重量は89gです。
改造部分のメカ重量は26gです。
いろんな制約があり、リンケージには苦労しました。下面は色むらがりますが、あんまり塗ると重くなるのでこれでがまんしました。
尾部のリンケージです。
【お色直し】
サンドぺ^-パーで機体表面のぶつぶつを取ったので、塗装がはげみずぼらしくなっていましたので、再塗装しました。
塗料はグンゼの水性プラカラーです。ついでに月光の下面は明灰色に変更します。実機は夜間戦闘機なので下面も深緑色です。TAIYOの塗装はプロペラ色等も含めて正確です。
キャノピーは重量が4gあるので取ります。その代わりその部分に直接塗装して窓枠を描きます。しかし今回の全塗装で重量5g増えました。

塗り終わると機体が引き締まって見えます。プロペラ先端を黄色くしたので、回転がわかりやすくなりました。
下面を明灰色にすると日本機らしくなります。
日の丸の白ふちは手書きです。
【リポ(リチウムポリマー)を搭載】
モーターコントロールをアンプに変更したため、標準のニッケル水素4.8V160mAでは、すぐにオートカットが動作してしまいます。そこで、今話題のリボを使用してみることにしました。リボは7.4Vの145mAと580mAでテストしました。

・リポ 7.4V、145mA 
 1回目:全開にすると、最初は勢いよく回るが、すぐに止まる。
     おそらく放電量が少ないため、電圧がさがり、オートカットが
     作動したものと思われる。
 2回目:スロットルを全開にせず、推力30gぐらいに合わせ連続で
     回すと、5分後にオートカット作動する。
              
・リポ 7.4V、580mA 
 1回目:全開にすると、最初は勢いよく回る(この時推力85gを記録)、
     そして少しずつ回転が落ちてくる。580mAは放電量が前者
     より多いため電圧は下がらない様だ。しかし、30秒後、
     片方のモーターが焼きつき止まる。

 予想された事といえ、7.4Vでは標準モーターは焼きつきます。

【リポの特性】
リポは軽量、高容量ですが、瞬間の放電量が少ないです、ニッカドの様なパンチ力がありません。そこで、ニッカド或いはニッケル水素をリポに変える場合、同じ電圧電流容量のものと交換すると重量は軽くなりますが、放電量が足りません。そこで、同じ重量分で交換すると(電流容量4倍以上)ちょうどよいみたいです。つまり、リポは軽量化より、飛行時間延長用と考えた方がいいようです。

【フライトインプレション】
4月19日、3ch化月光飛ばしました。結果は最高でした。
最初、リポ7.4V145mAで飛ばしましが、供給電流不足で、水平飛行がやっとでした。次に、リポ7.4V580mAを輪ゴムで胴体下に取り付け飛行すると、今度はブンブン飛びます。
飛行性能は、宙返りは水平からは無理ですが、高度をとり急降下してからの宙返りは出来ました。ロールは上反角が強くて出来ませんでした。
とはいえ、舵がコントロールできるおかげで、風に強くなり、ローパスや旋回も思いのままの軽快な飛行が出来きるようになりました。

【3ch化の結果】
飛行時間:1.5分(NI-MH4.8V160mA)→6分(リポ7.4V580mA)
風の影響:微風以外NG→順風でもOK
操作性:コツを必要とし難しい→軽快、思いのまま。
電波受信距離:約50m以上でノーコン→問題なくなる。

なお、リポのよる6分間の飛行ですが、リポは長時間使用すると放電量が落ちてきます、そこで機体を着陸させ30秒ほど休憩を入れると、また復活します。
私は6分間の飛行中、3度程休憩を入れました。これは、今回仕様したKOKAMのリポが4C放電のためです。1、2年後には10C、20Cのものが出るそうです。

【対空時間テスト】
4月20日、東京地方は1日中小雨です。そのためエンジン機は飛ばしにいけませんが、我が家の裏の公園(野球場)には誰もいません。絶好の月光タイムです。
そこで、輪ゴムで外装していたリポをなんとか月光機内に収め飛行性能をUPして、リポ7.4V580mAで滞空時間テストを行ないました。そしたら、なんと、最初は連続8分間も飛んでいました。それから休憩を入れ再度飛ばすと、1分間飛行が3回出来ました。トータル11分の飛行です。あいにくの雨でしたが、もし、晴れいてサーマルがあれば、脅威のタイムが出たものと思われます。標準で1.5分しか飛ばなかった月光が大変身です。
リポは本当にすごい、電動飛行機界の革命です。
【軍極秘】 静止推力測定装置
スーパーのお惣菜のトレーを切り抜いて、上に月光を乗せて、はかりにテープで貼りました。わりといいかげんな作りです。
  左:標準 4.8V 160mA 16g
  中:リポ 7.4V 145mA 10g
  右:リポ 7.4V 580mA 28g
【GWS50XCへモーター交換】
標準のモーターが2度も焼き付いたので、モーターを7.4Vで使用可能で、より強力なGWSの50XCに交換する事にしました。このモーターはカタログデータによると7.2Vで推力60gです。二個で120gとなります。月光には必要十分過ぎます。付属のプロペラのGWSのEP3020はすぐに折れるそうなので、月光の標準品をそのまま、利用します。
モーター1個の重量は17gあり、総重量は増加しますが、推力が脅威的に上がります。
これで、宙返り、ロール、背面も可能になるかな?

         交換前     交換後
  総 重 量 : 111g  → 134g
  推力7.4V: 85g(*1)→129g
   *1)85gは瞬間値で、連続ではモーターが焼けて出せません。
     連続では40gが限界です。

【月光で背面飛行】
月11日、時折強風の吹く中、飛行場に行き飛行テストしました。エンコン2/3にて離陸し周回飛行の後、全開にして、飛行テスト開始です。まずは宙返りOK、ロールもよじれながらなんとかOKです。そして高度をとって背面にいれます。おおーなんとか背面で水平飛行してます。更にダウンをつよく入れると背面のまま上昇していきます。あの飛行もコントロールもおぼつかなかった月光がここまで変身しました。今回の改造は大正解でした。あとやることは、大きな上反角(約15度)を実機並(7度)に変更することだけです。しかしこれには強度保持の問題があります。

【主翼上反角の変更】
さて、以前から気になっていた、主翼上反角を変更しました。まず、強度保持のためカンザシを入れる必要があります。カンザシはカーボンにしたいのですが、そんな高級材料はもっていません。そこで、日本古来の竹ひご(焼鳥の串)で代用します。まずは竹ひごの強度テストです。実機のスホーイの主翼の強度は10Gなので、この月光も同じ値10Gとします。機体重量100gとして、竹ひごが1000gの荷重に耐えるかテストします。結果はOKでした。作業は、主翼の上面の付け根にカッターで切り目を入れ、そこにバルサのくさびを入れます。下面はテープで竹ひごを張り付けます。

変更角度:15度→7度(実機の月光と同じ値)
  考えられる効果
 ・主翼が水平になるので、揚力が増加する、計算では約4%増加です。
 ・背面飛行が安定する
 ・横風に強くなる。
 ・自立安定性が弱くなり、エルロンの効きがよくなる。
 ・スケール感が増す。

いいことだらけですね。
GWSの50XC合う様にナセル内を加工します。長さはピッタリでした。また、ダウンスラストもつけておきます。
標準のプロペラの芯はなかなか外れません。そこで、プロペラ先端を切り、そこより、細いドライバーで打ち込んで芯を押し出します。
新型静止推力測定装置で推力を測ります。脅威の最大129gも記録しました。
きびしい材料試験です。ペプシ2本で約1Kgです、まずは材料試験にパスしました。しかし、このあと、更に強度を見るため上下に揺らすと折れました。
竹ひごは、ガスレンジで暖めて少し曲げました。子供の頃、竹ひごのゴム飛行機製作でよくやった事です。ラダーサーボは後部に移動しました。
予備機と上反角の比較をしています。下が変更後です。
上反角は、実機と同じ7度です。スケール感が上がりました。
最新のリポは、やはり、最新の充電器クラフトるうむのSWALLOWで充電します。充電時の経過時間や充電量等が詳細な情報され、むずかしいリポの管理には最適です。
改造による月光の性能向上
項 目 ノーマル状態 3ch化
+リポ(kokam)
3ch化
+リポ(Kokam)
+50XC+上反角
3ch化
+リポ(E-Tec)
+50XC+上反角
重 量 89g 111g 134g 139g
推 力 45g 85g(瞬間) 129g(瞬間) 153g(瞬間)
飛行時間 1分30秒 11分 13分以上 全開で17分
中スローで27分
宙返り 不可能 何とか可能 可 能 可 能
ロール 不可能 何とか可能 可 能 可 能
背 面 不可能 不可能 可 能 可 能
受信能力 50mでノーコン 問題なし 問題なし 問題なし
【脅威の飛行時間13分】
5月14日早朝、いつもの公園で飛行テストました。手投げ発進をし、上空でトリムを調整します。エルロンの効きがよくなり、全体の操縦性も素直になりました。全開にすると公園を飛び出そうなので耐空時間テストに切り替えました。上反角の変更で揚力が増し、低速でも水平飛行が可能です。スロットを絞り放電量をセーブします。その結果、タイマーを見ると、なんと13分も飛んでいるではありませんか。まだ、飛びそうでしたが、時間の都合があったので、ここで中止しました。

今回飛行時間が延びた原因は、交換したモーターGWS50XCの方が、標準の小さなモーターで焼きつく寸前まで無理して回すより、消費電流が少ないものと思われます。また、ダイレクトプロペラによりギアダウン時より機械的ロスも減ったものと思われます。
モーター交換で重量が増加しましたが、省電力、高出力なりました。

【リポをE−Tecに交換】
飛行性能の更なる向上の為、リポをKOKAMより、電流容量、放電能力ともに優れるE−Tecに交換しました。

メーカー名 電圧電流 放電能力 サイズ 重 量
KOKAM 7.4V 580mA 4 C 4.8x34x48mm 29g
E−Tec 7.4V 700mA 5 C 3.5x33.5x52mm 34g

この交換で電流容量、放電能力がともに増えるので、計算上1.44倍の電流供給が可能になります。これで、月光はよりパワフルに長時間飛行ができるはずです。
静止推力は瞬間ですが153gを記録しました。機体重量139gを上回ってますので、夢のロケット離陸(垂直上昇)が可能になりました。

【E−Tecのテスト飛行】
さて、E−Tecにて飛行テストをしました。残念ながらロケット離陸は出来ませんでした。上向きにして、手を離れるのですが、すぐに横に傾いてします。ロケット離陸には、重量の1.3倍以上の推力とラダーが必要だと思います。いや、双発機だからラダーにプロペラ後流があたらないから無理かな。
とはいえ、E−TecはKOKAMよりパワフルです。しかも、17分も飛んでいました。重量で5g増えましたが、それ以上の効果がありました。

【頭上げ対策、重心、ダウンスラスト、エレベータトリム】
月光は2chノーマルの状態では、モーターをハイにすると、頭上げをする様に設計されています。3ch化を行い思いのまま飛ばすには、その頭上げの修正が必要です。修正は重心、モーターダウンスラスト、エレベータトリムで行います。画像を参考にしてください。
なお、本機の状態でも、まだ、全開にすると気にならない程度ですが少し頭上げが残ります。
左がKOKAM、右がE−Tecです。大きさはほぼ同じですので、交換もスムーズに行きます。
静止推力計測装置と兼用の重心位置計測装置、焼き鳥の串を箱にガムテープで貼り付けただけです。
モーターのダウンスラストはこんなもんですが、もっと強くてもいいでしょう。
送信機のエレベータスティック中立の状態で、2mmくらいのダウントリムとなります。これで中スローで水平飛行となります。
これが重心位置です。私の好みからすれば、もう少し前でもよかもしれません。
【機体の修理方法】
落ちても落ちても壊れない月光ですが、決して不死身ではありません。やはり少しは壊れます。そこで私流の修理方法です。

1.まず、傷口に発泡スチロール用接着剤(エポキシ可)を塗ります。
2.そこに、100円ショップダイソーで買った軽量紙ねんどをつめます。
3.紙ねんどが乾いたら、カッターナイフで整形します。
4.プラカラーを塗って修理完了です。

セメダインの発泡スチロール用接着剤と欠けた翼端です。
白い部分がつめた紙ねんどです。
塗装すると修理箇所が分からなくなりました。
これが安くて便利な軽量紙ねんどです。
真似をされて改造される場合は自己責任でお願います。
月光を飛ばそう
改造記事
私は、日頃、エンジン機を飛ばしていますが、息抜きに月光を購入し
て遊んでいます。
私は最初左右のモーターだけでコントロールする方法に戸惑いました
が、そのコツがわかってから長い時間飛ばせる様になりました。
以下その前準備とコツです。

【前準備、空気抵抗を減らすための機体改良】
・機体表面にあるブツブツをサンドペーパーで削り、滑らかにする。
・翼下面の1円玉の大きさの凹凸は、凸部分はカミソリで削り、凹部分
 は軽量紙粘土(100円ショップに売っている)で埋める。
・胴体後部下面の長い穴はセロテープを貼って埋める。
 機首下面にもセロテープを貼ります、これは補強のためです。

【飛行のコツ】
・無風か超微風の日を選びます。風があると上反角が強いため、すぐ
 に流されます。
・左右どちらかに著しく傾く場合は手で反対方向にラダーを曲げます。
 それでも、風などにより、どちらかに少し傾いて飛行します。
 この時、完全な直線飛行は考えずに、曲がりたい方向に自然に曲
 がらせてやってください。直線飛行にする時だけ、反対方向のモー
 ターを回してください。もちろん、方向転換まで可能であれば、行って
 もかまいません。
・モーター操作は全開も方向転換もボタンは1−2秒だけ押します。
 全開を長時間やると、高度は上がりますが、頭上げになり、その後
 に急降下に入ります、そうなるとエレベータがないので、制御のしよう
 がありません。方向転換も、長時間やると、機体が下を向き、また傾
 斜もきつくなります。
・全開にする時期は、機体が水平で一番揚力がある時に行います。
 傾斜した状態で全開にしても高速で旋回するだけで、高度は得られま
 せん。方向ボタンで一旦水平に戻してから全開にします。
・飛行高度は2−5mがいいでしょう。あまり高く上げると風に流され、
 遠くに行って、ノ−コンになります。
・充電は飛行直前に再度行ってください。モーターの回転がまったく違い
 ます。

飛行特性を理解すると、直径30mの8の字飛行や、ハンドキャッチも
可能になります。

【送信機の電池】
私は送信機の電池に2000mAhのニッケル水素電池を使ってます。
こちらの方がアルカリ電池より経済的です。