ここ最近、天気予報は本当によく当たるようになりました。
私が中学〜高校生くらいの頃は、降水率100%でも晴れていたことがありましたが、
今ではそんなことはまずありません。
日本の気象予報技術が非常に進歩しているからなのです。
例をあげると、ニューラルネットワークと呼ばれる、関数変換を応用した逐次学習方式
(コンピューターに気象データを入力したら、自動的に計算して、気象データの予想値を
はじきだしてくれるようです)を導入してから短期間予報の精度がグンとあがりました。
とりあえず、今日や明日の天気予報はまず当たりますよね。
私は脳神経外科専門医ですが、外来で患者さんに
「低気圧がやってくると頭痛がする」
「どうも季節の変わり目にはめまいがする。調子が悪い」
とか、よく言われます。
はたしてこれは単なる偶然なのでしょうか?
気圧や気温の変化が一部の患者さんの体に変調をきたしているのは間違いなく
事実だと思いますが、必ずしも全員に変調をきたすわけではないので、この因果
関係を確実に立証するのはなかなか難しいかもしれません。
しかしながら、気象変化と病気との因果関係について、科学的に証明した論文が
じつはたくさんあります。
そこで、過去約10年間に発表されている医学論文を中心に、気象と医学の関連
について述べている論文を検索して、その概要をみなさんにわかりやすくお伝えし
ようと思います。
テーマとしては、気候と脳卒中、オゾンホールと白内障、天気と頭痛などを考えて
います。すべての人に当てはまるわけではありませんが、みなさんのお知り合いや
周りの人で困っている方がいればちょっとでもお役にたてれば、と思っています。
また、医療関係者の方々には、実際の外来患者さんとの会話中の話題として、
あるいは、病状の説明(IC)にご利用いただけたら幸いです。